早川崇の発言 (法務委員会)

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○衆議院議員(早川崇君) 政治目的のための一切の暴力を排除するわけでありますから、暴力行為ということ自体を取り締まるのでありまして、団体行動自体を取り締まるわけではございません。そこで、御質問の趣旨は、殺人と傷害のみに限定すべきではないかといろ御趣旨のように承るわけでありますが、われわれとしましては、逮捕監禁とか、あるいは暴行とかというようなものも、やはり一つの政治暴力でありますから、程度は違いますが、片一方は非常に重い刑罰でありますが、それ以外のものは、程度は違いますが、暴力行為とは差別をつけないという観点から、殺人、傷害だけに限定していないわけであります。
 それから、労働組合の政治闘争に対して非常な不安があるということでありまするが、これは、この条文を読んでいただきましたならば、労働組合が政治的目的のために運動することは、一切この対象にはなっておりません。にもかかわらず、共産党や一部の労働組合が発行しておりまする機関紙を見ますると、少しでも暴力行為をやったり、国会に乱入したり、そういうことで、すぐその団体は禁止されるとか、解散させられる、あるいはまた団体交渉などの場合において、暴力、強要、脅迫というようなことで、簡単に労働組合も解散させられるおそれもある、「アカハタ」九月十五日号に載っております。私は、そういうでっち上げのうそで、一部の労働者を、いかにもこれを弾圧法だということで、反対運動せしめている実情を非常に遺憾に思いまして、そういうことは全然ないわけであります。ただし、労働組合のみならず、一般の団体にいたしましても、団体の意思として、団体の主義主張で暴力をふるってもいい、そうして暴力行為が繰り返しなされたという場合にのみ、若干の団体規制をするというにすぎないのでございますので、そういう点は、この法律を読んでいただきましたならば、世上、労働組合その他の心配されておるような法文は、ほとんど、全然といっていいほどないわけであります。したがって、そういう点の御心配は、具体的に法文のどこだということで御指摘願いましたならば、納得のいくような御説明を申し上げたいと思うわけであります。
 それからもう一つ、団体示威運動だけが、この憲法上保障された権利である、だから、テロや傷害と違うのだという御議論も、最高裁の真野元判事なども中央公論で言っておりましたが、これは非常な誤りなんで、われわれとしては、政治テロと、それ以外の暴力行為を区別する理由はないわけでありまして、テロがなぜ悪いかといいますと、政治活動の自由というものは、これは憲法で保障されております。団体示威運動の自由も、これまた憲法の保障するところであります。ただ、政治活動の自由という憲法の権利を乱用して、これを殺人や傷害という暴力行為に訴えるからいけない。同じことは、団体運動の自由は、もちろん憲法上保障されていることは、政治的活動の自由と同じでありまするが、それを乱用して国会に不法に暴力的に乱入したり、人を逮捕監禁して、つるし上げして病気にさしたり、暴行を加えたりということが悪いのでありまして、そのこと自体は、刑法におきましても、殺人だけが暴力として刑罰の対象になってはおらない。逮捕、監禁、強要も、もちろん刑法の対象になっていることでもおわかりかと思うのであります。
 ただ、この機会に、しからば一部の評論家——長谷部さんでありましたかが、何かに載っておりしたが、テロと集団暴力を同一視するのじゃないかという疑問も出されておりましたが。この法案では、決して同一視いたしておりません。そして殺人とかテロ傷害に対しては、団体の解散とか、あるいはまた、非常に重い刑罰というところで、それ以外の逮捕監禁とか、集団暴行とか、国会の不法乱入とかいうものの団体規制並びに刑罰において格段の区別をつけておる。したがって、現在反対と言われておる方々の御意見に対しましても、この法案は十分たえ得る理論的根拠に立っておるということを御了解賜わりたいと思います。

発言情報

speech_id: 103915206X00819611027_016

発言者: 早川崇

speaker_id: 21219

日付: 1961-10-27

院: 参議院

会議名: 法務委員会