安田彦四郎の発言 (社会労働委員会)
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○安田参考人 ただいま御紹介を得ました健保連の安田彦四郎でございます。このたびの臨時医療報酬調査会設置法案につきまして意見を述べろというお話でございますが、私ども、かような法案が一日も早くできますことを念願いたして、実はお願いしたい気持でおるわけでございます。
この経緯を申し上げませんと私たちの気持もおわかりにならないと思うのでありますが、過去医療費を決定いたしますごとに非常にこんとんとした状況が起こりまして、ことに診療担当者であります私どもがお願いしております諸先生が、ストライキであるとかあるいは診療拒否であるとか、私どもの方から申しますならば、患者、国民が非常に困る――昨年の医療費の問題のときも、保険ということで、今まで診療費を決定いたしますのには、私どもと先生方と話し合いをしてきめて参ったのでありますが、診療担当者には二年間も中央医療協議会に出てきていただけない。従って、診療報酬の話し合いをすることができない、かような状況が続きましたことは、諸先生も御存じの通りでございます。そこで、昨年の二月に古井厚生大臣は、適正な診療報酬を決定するルールについてとるべき方途という諮問を社会保障制度審議会にされたのであります。当時、社会保障制度審議会はかような問題を取り扱いますことは避けたい、委員全体はさような空気であったのでありますが、政府の勝手な意向で、このこんとんとした状態をぜひ解決したい、また、診療担当者の方々にもぜひ参画して医療費が決定できるという方途を見出して、その結論がどうあろうとも政府は必ず従う、かようなお話がありましたので、私も委員の末席を汚したのであります。一カ月にわたりまして鋭意この審議をいたしました結果、第一の問題は、診療報酬を決定いたします一つのルールというものを確立したならば、今後さような諸問題で混乱することが少なくなるだろう、少なくともさようなことをなくさなければならぬ、かような方途でただいま問題になっております臨時医療報酬調査会の設置法案の勧告を第一に取り上げだのであります。それに付帯いたしまして、診療担当者が出ていただくのには――今までの中央医療協議会の方に、いろいろの憶測があって出てきていただけない。それで、第二段といたしまして、四者構成を三者構成にする、しかも保険者である政府は出てこないようにする、かようなことが、第二のこれに付帯した条件として、つまり診療報酬の臨時調査会を設けることを前提条件として中央医療協議会を改組する、かような提案をされたのであります。従いまして、時の政府は、直ちにこの二法案を通常議会に提出されたのでありますが、不幸にしてこれは審議されないで廃案になった。その後、私どもといたしましては、この医療費を決定いたします中央医療協議会がどうも動かない。ちょうど、その後、灘尾厚生大臣が御就任になりまして、医療懇談会というものができ、ぜひ医療費を決定する一つの方途について、何とか診療担当者の方々、私ども、ことに被保険者、さような方々と話し合いをしてスムーズにきめたい――これが医療懇談会でありまして、そのときに、時の政府、灘尾厚生大臣は、七月一日にはすでに医療費の改定があったのでありますが、十二月一日以来二・三%診療費を上げることによって、今後は診療担当者と私どもとが全部スムーズにうまくいくのだ――当時私どもの見解を申し上げますならば、先生方も出ておいでにならない、いわゆる腰だめ的な医療費の値上げということはおかしいではないか、ぜひ医療経営の実態調査に基づいてやっていただきたい、過去、三十二年のときにおきましても、中央医療協議会において、医師会の諸先生方とともどもに、今後は医療経営の実態調査に基づいてやろうではないか、さようなお話し会いがあったのでありますが、これができぬままに、昭和二十七年の古いデータをもってこれを引き延ばして、七月一日の医療費の値上げをした、かような不都合な事実があるのです。それにもかかわらず、また九月十七日に厚生省、政府から提案されました医療費の値上げによって将来うまくいくのだ、またぜひ自分はやってみせるという大臣のお話がありましたので、私どもには七月一日以来の実態もわからないのに、年二回も医療費を上げるということについては――上げるべき必要があれば私どもは従っていくのでありますが、もう少し実態を見ていくべきではないかという主張をいたしたのでありますが、それも今後諸先生とお話し合いをしてうまくやっていけるのだ、またやってみせるという厚生大臣のお話がありまして、忍ぶべからざるを忍んで十二月一日の値上げにも従って参った。従って私どもは、その後には必ず将来うまく動きますところの中央医療協議会と、これに付帯しておりますところの臨時医療報酬調査会というものがぜひ設立される、そうすれば、今後は争いもなく逐次医療費の改定ができていくものだと信じておりましたところ、一方の臨時医療報酬調査会法案というものは出ませんで、中央の医療協議会の改組だけが出た、しかもそれは社会保障制度審議会で全会一致答申した案よりも相当変わったものが出た、かようなことに相なっておるのでありまして、私は、とかく世間でいろいろ御論議がありますように、決して医師会の諸先生とけんかをいたしているのではありません。政府が私どもに約束をしていただいたことが実現いたしませんので、ぜひさような方向でやっていただきたい。その後、この当時、中央の医療協議会の改組法案はもちろんのこと、地方の医療協議会までも改組されまして、この大切な、将来医療費をきめるのはトラブルが起こらないようにするというこの法案を取り上げられなかったということにつきましては、私は、厚生大臣、厚生省の態度に非常に不満を持って、再三陳情もいたし、お話もいたしたのでありますが、その後了とされたのでありましょうか、今回この臨時医療報酬調査会法案を議会に提出されまして法律を作りたい、こういう政府の御意図でございますので、私といたしましては、この臨時医療報酬調査会法案ができますならば、将来の医療費の争いというもの、たとえば諸先生の御主張になる医療費というもの――私どもは、医療費というものは、医療の経営の実態というものもございましょうし、医療水準というものもございましょうし、保険経済でやる、保険の仕組みでやるのでございますので、これはやはり国民経済であるとか、あるいは時の政府の財政であるとか諸種の問題、あるいは医療保障制度に関する諸種の問題、あらゆる材料が検討された上で、しかもただいま申し上げました医療経営の実態が明らかになって、それでいわゆる診療担当者の方々も、また保険料を負担する被保険者の方、また保険という制度で運営されておりますので、その責任者であります保険者も、納得の上でかような医療費をスムーズにきめられる、少なくとも一つの方向が出ますならば、争う幅というものが非常に少なくなりますので、早くかような法律ができまして、医師会の方、歯科医師会の方、薬剤師会の方――保険制度でございますので、私は以前にありました四者構成が正しいと思っておりますが、今回変わりました三者構成の中央医療協議会におきましても、かような臨時医療報酬調査会法案というものができますならば、その争う幅が二倍も三倍も違うということはあり得ない。そこで、さような一つの法則といいますか、一つの方向が出ますならば、それを諮問していただきますならば、中央医療協議会で当然お話し合いができていくものである、また妥協すべきものは当然妥協していける、これが将来の皆保険を運営するのに最も大切な一つの方向であろう、かような意味におきまして、政府にぜひかような法案をお取り上げ願って、議会の御承認を得て早くこの方向をきめていただきたい。今回かような法案をお取り上げになっておりますので、ぜひさような方向で、将来ともに、皆保険下の保険で日本の医療保障をやっていくという現行でございますので、ぜひこの法案が直ちにできまして、スムーズに将来の医療費の問題を、お互いに診療担当者も私どもも、ともどもに取り上げていけるようにしていただきたい、これが私どもの念願で、これに賛成いたしておるわけでございます。