武見太郎の発言 (社会労働委員会)
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○武見参考人 ただいまの御質疑の目的、趣旨の点でございますが、これは他の法案と取り引きされるべき性質のものではございません。私どもはこの点について明確に割り切っております。それから、この趣旨が、審議すればするほどわからなくなるとおっしゃいますことは、私はこの趣旨につきまして、最初から灘尾厚生大臣と個人的に話し合いをいたしました。最初、御就任直後いろいろ話し合いをいたしましたときには、医療協議会で話し合えば済むことだから、屋上屋だと自分も思うというふうな御意見でありました。これは個人的な話し合いの場であります。従いまして、中央医療協議会が先に提案されたというのは、そのような事情であったと思います。従いまして、私は灘尾厚生大臣も当初はこれに重点を置いておらなかったということを確信いたすものでございます。ところが、国会におきまして、与野党の共同修正によって私は非常にいい結論が出たと思っております。これは初めて大正期の健康保険法の中で、わずかに民主主義の原則が貫かれました部分が中央医療協議会法だと思うのであります。ここでお互いに自分たちのルールを持ち寄りまして、そして国会承認の中立委員があっせん統一するということが、私は民主主義の原則だろうと思います。そういうふうに中央医療協議会を了解しておったわけであります。しかるに、あとから支払い団体、日経連等が、調査会がないならば委員を出さないということを言っております。それによって今日まで法案通過後六カ月間、この法案が執行されないでおりまして、それによって私はこの法案が今度押し出されてきたというふうな感じを受けているものであります。私は国会の権威のために、非常にこの点を惜しんでおります。一団体の横車によって、与野党共同で修正された案を、大臣が執行できないというくらい恥ずかしいことはないと私は思います。国民の一人として非常に残念に思っております。私はこの案の内容につきまして大臣といろいろお話し合いいたしましたが、自分も案の内容はまだ考えていないし、これから考えるのだということでありまして、その内容、趣旨については十分わかっていないのであります。
ところが、私がここで非常に問題といたしますところは、先ほど来安田参考人からいろいろ御親切な話が出まして、これがほんとうならば診療担当者との争いは最初からなかったわけであります。鉄道職員の給与が倍になりました昭和二十六年から三十二年まで六年の間に、これは医師会の委員も医療協議会に出ておりましたが、単価診療報酬は一文も上がっていないのであります。お上げにならなかったのであります。三十二年に私が就任直後一点単価三円の増額をいたしましたときに、まっ先に反対をいたしましたのは健保連の専務理事であります。このような形から問題が出てきたのでありまして、もう一つ私は重大な点を指摘しておかなければならないと思います。灘尾厚生大臣が、話し合いに入りましたときに、懇談会の席上におきまして、お手元に差し上げてございます資料におきましてこういうふうなことを言っております。「適正な診療報酬は、特に経済成長のテンポが速い時期においては、社会経済の推移に即したものでなければならないので、関係者の協議により医業経営の実態、国民の負担及び保険財政などに関する調査を実施し、その結果に基いて、適正な診療報酬の実現を期する。」ということでありまして、これは当然中央医療協議会でなさるべき性質のものであります。中央医療協議会に上部機関がなければこれができないということは考えられないのでありまして、当面の問題から処理するといって、健保連も日経連も、関係団体を全部お集めになって、灘尾厚生大臣みずから筆をとりました了解事項に、明らかに関係者間の協議によるということがいわれているのであります。この事項の中には、調査会を作るということは一つも言っていらっしゃいません。その他の約束事項を全部踏みにじっておいて、この調査会をまっ先にお出しになったことにつきましては、全く私は了解に苦しんでおります。