山田節男の発言 (決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会)

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○山田節男君 私は実は、この決算審査方針に対する試案を提出するべくお約束申し上げたのでありますが、非常に繁忙をきわめておりますので、出す余裕がございませんでした。で、ただいま佐藤並びに大森両委員の決算審査に対する問題点の御説明があったのでありますが、私は、第一に、従来の経験から見まして、これは一つの憲法上の問題なり、あるいは国会法の問題なり、根本的の問題になるかもしらぬけれども、予算が衆議院において先議権を持つということに対比して、決算は第二院である参議院が先権を持つべきである。これは従来かなり問題になったこともありますけれども、私は、そういう意味から、決算並びに外交問題は参議院において第二院としての先議権を持つべきだ。これはもちろん、根本的な問題であって、当面の問題でありませんけれども、さように私考えております。
 それから第二は、従来しばしばわれわれ、会計検査院の決算報告を審査する場合に、一番困るのは、決算の年度の審査が、その当決算報告を審議する国会会期の少なくともその前々年度の会計事項について、言いかえれば、当四十通常国会において行なう場合においては、これが開始と同時に、少なくとも昭和三十五年度の決算を初顔から審査し得るというようなことで、これは政府の責任の追及の場合においても、日本の内閣は非常に不安定でありまして、大体内閣の存立年限が平均二年ないのですから、そういうことになるというと、この決算の委員会としての当面の政府の予算執行に対する責任も、あまりに二年、三年前のを追及するということは非常に効果がないわけで、これはしばしば問題になっておりましたが、少なくとも決算の審査は、審査するときの最近の決算の報告を審査するということが必要ではないかと思います。
 それからもう一つは、これは佐藤委員も述べておりますけれども、いわゆる公金に対する一般公務員の観念を、何といいますか、強化するということは、もとよりでありますが、それに関連して、従来この決算報告の、会計検査院の検査によりまして、不当性行為として、いわゆる批難事項として指摘された当該責任者の行政処罰が非常が非常に軽い、軽過ぎるということです。これはやはり、佐藤委員が今指摘されたように、公金に対する観念が薄いというところに根本の原因があるかもしらぬけれども、少なくとも、一般公務員に関する限りにおいては、従来の行政処罰の種類が多過ぎる。しかも、行政処罰の目的が達せられない。たとえば、行政処罰を行なわれた者が、次にはこれが栄転するという事例も、たまたま見るのであります。かようにすることの厳禁といいますか、行政処罰をもう少し実際に適するような方法に変えるということ、これが私必要だと思います。
 その次には、これは大森委員も述べておられますけれども、予算執行状況の審査、これは会計検査院が事前検査あるいは予算執行中の検査をいたしておりまするが、当委員会として、これは会計検査院の本来の職務をどうするかという問題にも関係しますが、会計検査院法の趣旨から申しまして、会計検査院が予算の執行状況を審査する、そのことによって、いわゆる事前検査等によって、国の会計の厳正と効果的な国費使用ということが期待できる。それと同じ意味におきまして、国会の決算委員会も、これは行政管理庁がいろいろと行政の管理、調査をやっておりまするけれども、予算と行政すなわち予算執行の状況とは不即不離のものである。そのかね合いをどういうふうにするかという問題もありますけれども、会計検査院が、今日、単なる決算の審査のみならず、執行中の予算をも検査する——これは、ことにイギリスにおきまして、今から約三年前になりますまれども、従来の会計検査としては、少し逸脱したやり方じゃないかという批判もありましたけれども、今日のように経済機構が複雑になってきますと、同時に行政機構も複雑になってくるということになれば、会計検査のやることも従来のような観念では所期の目的は達せない、これは現実であります。私は、日本の会計検査院法も、この時代の変化と、行政、経済の複雑化したということに直面して、こういうイギリスのような新しい会計検査の職能というものを検討する必要がある。それと同時に、国会のいわゆる決算委員会におきましても、おのずからこれと同じような、少なくとも、行政に干渉しない範囲においての会計検査、あるいは会計の監督、あるいは政府の財政上の批判、こういう限りにおきましては、私は、決算、ことに参議院の決算委員会は、これに重大なる関心を持ち、実地調査というのじゃなくして、当該委員会におきまして、関係官庁の者を呼んで、これを審査ないし調査するというような方法も、予算の執行の厳正を期するゆえんじゃないか、かように実は考えておりますが、佐藤、大森両委員の御批判の問題点、これは賛成であります。それに私の意見を補足いたしまして、御批判を仰ぎたいと思います。

発言情報

speech_id: 104014104X00119620313_005

発言者: 山田節男

speaker_id: 17379

日付: 1962-03-13

院: 参議院

会議名: 決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会