1962-03-27
参議院
林道雄
決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会
林道雄の発言 (決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会)
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○調査員(林道雄君) それでは、昨年の九月の五日に述べました意見を実行に移します場合の具体策について述べます。
参議院の決算委員会には、現在審査方針として成文化されたものはございませんで、従来の慣行によりまして決算の審査を行なっておるのでございます。その慣行基礎をなしますものは、二十三年八月、すなわち新国会発足早々の時期に定められました決算審査の根本方針及び決算審査の手続順序でございまして、これは決算委員会が当時の委員部長及び専門調査員に委嘱して作成した原案を委員会で議決したものでございます。しかし、その方針、手続きを定めました当時は、実際にはまだ一回も決算の審査を行なっていなかったのでございますから、これは旧憲法時代のそれを参考といたしまして、審査のあり方を想定したものということができます。その全文はここには省略いたしますが、内容として注目されます点は、一、衆参両院の決定を一致させるためには決算を法律案または予算と同様に取り扱うことが一案であるとの意見を示していること、一、会計検査院の検査が法律的効果を持ち、事務的傾向を有するに対して、国会の検査は政治的効果を持つとの見解に立ち、検査院の検査報告を手がかりとして審査を進める方向を打ち出していることの二点でございます。この方針に基づきまして、実際の決算審査が始められたのでございますが、その後の実情を見ますと、第一点の決算を議案として取り扱う件につきましては、あまり問題として取り上げられせんで、もっぱら第二点の検査報告を主題とする審査だけが毎年度続行されて今日に至っているのでございます。
これに対して、衆議院の決算委員会におきまする審査の状況を見ますと、三十二年度決算に至るまでの経過は大体参議院と同様であったのでございますが、三十三年度決算からこれが一変しております。それは三十五年七月二十日、新しい審査方針を決定して、これを実行に移した結果にほかなりません。その要旨は、決算審査にあたっては、従来の会計検査院の検査報告中心の審査方法を改め、国会が議決した予算がいかに執行されたかを中心にして、決算全般について予算と対比して審査するというにありまして、その具体的審査内容を、一、歳入歳出は予算のとおり執行されたか、二、予算は効率的に執行されたか、三、予算は適正に執行されたかの三項に分類して細目を掲げております。これによって、審査の進め方も、従来の検査報告中心主義から、委員発言中心主義に改められまして、その結果として、三十三年度決算の審査報告書は従来のものに比べて全く面目を新たにしたものとなっております。
衆議院決算委員会は、これより先、二十五年三月第七回国会及び三十五年四月第三十四回国会の二回にわたりまして、決算審査の性格に関し、学識経験者を参考人として意見を聴取していることは、御承知のとおりでございますが、これは主として国会における決算の取り扱い方、すなわち決算を議案として取り扱う問題に関する意見でございまして、審査方針に関するものではないのでございますから、今次の審査方針の改革は、これらの参考人の意見によって示唆されたものではなく、国会の決算審査を意義あるものたらしめようとする決算委員全般の要望がこのような形に結実したものにほかなりません。
昨年の九月五日のこの小委員会におきまして、私は従来のこの問題に取り上げ方が誤っていた点を指摘いたしまして、決算の提出手続、すなわち形式の問題と、審査方針改革の問題、すなわち内容の問題とをはっきりと区別して、さらにはまた審査方針の改革から手を染めることが国会の決算審査を意義あらしめる順路であることを述べましたが、衆議院におきまする過去二回の参考人の意見の内容がほとんど提出手続の問題に終始しているにもかかわりませず、期せずして審査方針の改革から踏み切られましたことは、私の深く敬意を表するところでございます。参議院決算委員会におきましても、三十六年四月に、時の佐藤委員長の御提唱によりまして、この決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会を設けまして、審査方針の検討に着手いたしました。この小委員会の名称につきましても、佐藤委員長が審議の将来を洞察されまして、二つの内容をはっきりと掲げられたことに対して、深い敬意を表するものでございます。いろいろな関係で審議はおくれておりますけれども、早晩新しい審査方針が決定されることとなりまして、その方向は大体衆議院のそれと大綱において同様の線に落着くものと推測されます。
いずれにいたしましても、衆議院の新方針確立によりまして、国会の決算審査は、終戦直後から引き継がれた過渡的状態を脱して、初めて本来の姿を取り戻したわけでございます。これは画期的な事実であり、大きな進歩でございます。
しかしながら、新しい方針を生かしまして、憲法八十二条が期待するような国会の財政監督機能を十分に発揮いたしますためには、さらに審査の対象とすべき問題につきまして検討を加える必要がございます。この点は、改革の結果が有意義なものとなるか、無意味な徒労に帰するかの分岐点をなすものでございますから、慎重に検討して具体的な目標を定める必要がございます。
そこで、今後の問題でございますが、昨年の九月五日の小委員会におきまして、私は、今後の決算委員会の審議の第一義的な目標は、政府の政策の実績の批判に基づく政府の責任の追及と財政の批判に置くべきものであることを述べましたが、衆議院の新方針の主眼といたしますところは、決算を国会の議決した予算と対比して審査するというにございます。しかしながら、予算に対応するところの決算でございますから、予算がその目的のとおりに、また効率的に適正に執行されたかどうかを審査することは当然のことではございますけれども、本質から申せば、これはむしろ手段でございまして、それ自体が国会における決算審査の目的ではございません。国会におきまする決算審査の目的は、一方においてそれに反する事例のあった場合に政府の責任を追及するところにあり、他方においてそれを明らかにすることによりまして財政のあり方を批判し、その合理化、清浄化を促進しようとするところにあると考えます。つまり、一、予算に対比しての審査、二、政府の責任追及、三、財政の批判となるのでございまして、一の予算に対比しての審査は二と一三を導き出すための手段であり、二の政府の責任追及と、三の財政の批判こそ国会における決算審査の目標であり、意義でなければならぬと考えます。
今この三点について問題点を指摘すれば、次のとおりでございます。
第一に、まず予算と対比しての審査でございますが、決算は財政法第三十八条第二項の規定によりまして、予算額と決算額とを対照する形で作成されておりまして、予算の執行されなかった部分は翌年度繰り越し額または不用額として表示されておりますので、予算との対比は形の上では一応決算書によって明らかにされていることになるわけでございますが、問題はその内容でございます。決算の内訳明組を表示すべき歳入決算明細書及び歳出決算報告書の内容を見ますと、単に予算決算の金額が科目別に列記されているだけでございますが、予算の場合におきまする歳入予算明細書及び各省庁予定経費要求書を見ますと、歳入予算明細書は科目別に予算額を表示しているだけで、決算の場合と同じ要領でございますが、歳出、すなわち予定経費要求書にありましては、まず要求額を事項別に分類いたしまして、その目的と事業の内容に対する説明を列記した後に、「上記金額の科目別内訳を示すと……」として、決算の場合の歳出決算報告書と同様、科目別金額を表示する形となっております。したがって、歳出予算におきましては事項別、すなわち目的別の経費予定額が主となりまして、科目別金額はこれを会計的に処理したものとして付記されたものにすぎないと思います。しかるに、決算におきましては、前述のとおり科目別金額を列記しているだけで、事項別には全く触れていないのでございますから、少なくとも歳出に関する限り決算書が実質的には予算書と対応する形で作成されていないと言うことができるのでございます。ここに、従来の政府の説明からは予算執行の結果の実績を検討することは不可能であり、ひいては政府の政策批判ということは期待することができないという理由がございます。これを要するに、予算外を要求する場合には、その裏づけとなる計画事業量が明示されているのでございますが、決算となって現われてくるときには、単に会計的に処理された科目別の金額の羅列だけでありまして、その予算の執行の結果いかなる実績が上がったかというような予算使用の効率をはかる尺度となるものが全然ないのでございます。この点が予算と決算とのつながりを断ち切っていることになるのでございまして、決算を予算と対比して審査する場合に重要な支障となるのでございます。私が先般米国のパーフォーマンス・バジェット等を参考として、財政の機構を根本的に検討せしめる必要があると述べたゆえんもここにございます。現在のように科目別に予算額、支出済み額、繰り越し額、不用額等を列記した決算書は、単なる会計整理の結果報告にすぎないのでございますが、国会の審査の対象となるのは、このような数字ではなく、それによってなされた施策の実績なのでございます。したがって、歳出決算報告書におきましては、予算要求の際に予定経費要求書に掲げました「事項別の説明における予定事業」がいかに実行されたかについて、具体的にその結果を記述させることに改める必要がございます。このように改めることによりまして、初めて決算書自体を審査の第一段階である「予算と対比しての審査」の対象とすることができるのでございます。それと同時に、これが今後の政府の決算の説明のあるべき姿ともなるわけでございます。
次に、第二の政府の責任追及について述べます。政府の責任追及を重視する立場からいたしますれば、これを明確化する上において、何といっても決算議案説の検討が当面の問題となるのでございますが、議案説の利害得失につきましては、すでに衆議院におきましても論議の出尽くした感がございまして、現段階では、一言に尽くしますならば、国会が条理を貫く立場からこれを採用するか、実益上の評価という観点から現状を維持するか、いずれを選ぶかの意思決定だけが残された問題となっております。議案説が採用と決しました場合、憲法及び法律の改正を要するかどうかの問題はございますけれども、これはむしろ付随事項でございまして、問題の焦点ではございません。したがいまして、従来ややもすれば、現行の法律と関連させて、法の解釈の限界内において議案説が成り立つかどうかという点が諭ぜられておる傾向があることは、論旨から見て本末転倒せるものと言わざるを得ません。この問題につきましては、このあとで提出手続の問題のときに述べますので、ここでは省略いたします。
最後に、第三の財政の実績批判について述べます。財政の実績批判という立場からは、国政全般にわたるほとんどあらゆる問題が取り上げられ得るわけでございますが、それには根本的な問題が資料等によってあらかじめ審査されているということが前提であり、そうでなければ委員会の審議がきわめて局部的な問題だけで終わってしまい、たといこれにいかに時日をかけて審議をいたしましても、国会における決算審査としては内容的にきわめて貧弱なものとなるおおそれが多分にございます。この点が、初めに現状の概要を述べました際に、審査方針の改革を実行することはぜひやらなければならないことであるけれども、それと同時に審査の対象については慎重に検討を加え、具体的な目標を定めることが必要であると述べたゆえんでございます。すなわち、委員の発言は自由であり、その範囲は限定されておらず、しかも国政調査権を発動する上におきましては、調査の範囲は無制限でございますが、決算委員会として恒常的に批判の対象とすべき問題点はおのずからあるわけでございます。
そこで、いかなる問題を重点的に取り扱うべきかは、十分な検討を経なければ決定できないことではございますが、かりに数項目をあげますれば、一、綱紀粛正、二、行政機構、三、財政政策、四、長期計画事業、五、財政投融資等がそれでございます。
次に、それらについて目標とすべき問題点を少しく詳しく述べます。
第一に綱紀粛正につきましては、綱紀粛正は、随時機をとらえて反復して公務員、の注意を喚起するのでなければその効果を期待することができませんが、政府は最近において具体的にどのような措置をとったか、また、上は国務大臣の職にある者から、下は窓口の末端事務に当たる者まで、大小の汚職事件が跡を断たず、これが司直の手によって国民の前にさらされているのが現状でございますが、政府はこの国民の不信の念を払拭するためにどのような対策をとったか等が問題点となります。
第二に、行政機構及びその運営につきましては、各省庁相互間、各省庁内の部局間及び各省庁と地方団体との間における権限の交錯限界の不明確、なわ張り争い等によりまして、行政の非能率、労力、経費の浪費が行われている実例はないか、また、各省庁等がその行政権限の維持、確保のために、すでに存在理由を失った補助金の継続をはかっている事実はないか等が問題点になります。
第三に、財政のつきましては、租税の増収の状況は妥当と認められるか、また、予算における政府の経済情勢の見通しは誤っていなかったか、また、経済情勢の変動に対応してとった政府の財政金融対策は当を得ていたが等が問題点になります。
第四に、長期計画事業につきましては道路整備、治山治水、港湾整備等の長期瀞画事業は、全体計画及び年度予算に照らして、その予定事業量が遂行されているか、もし遂行されていないとすれば、それはどのような理由によるものか、それに対してどのような措置がとられたが、また、事業の遂行がおくれているために経済基盤整備が経済情勢の進展と跛行する結末を来たしていないか、事業期間の延長によって事業費の単価が高くなり、総経費が膨張する結果を来たしていないか、また年度予算については、単に金額を定めるだけでなく、事業量および単価をも明示し、予算から決算まで筋の通ったあり方に改めることにより、事業の促進と労力、経費の経済化をはかることに制度を改めてはどうか等が問題点となります。
第五に、財政投融資については、財政投融資は計画どおり実行されたか、のようになっているか、また、経済情勢の変動に対応して、政府が当初の計画を一部変更した場合は、その調節措置が目的に適合していたかどうか等が問題点となります。
なお、この財政投融資計画は、予算と同時に作成されますが、それ自体は国会議決の対象ではございません。しかし、歳入歳出の予算と並んで財政政策の重要な一環をなすものでございますから、政府は、毎年度予算案提出の際の説明には、財政投融資計画の内容をも説明する例となっております。これに対し、決算提出の際の説明では、財政投資関係について言及しないのが例でございます。これは、前に述べましたように、当初の計画そのものが国会議決の対象となっていないためでございますが、決算寮費が財政の実績批判に重点を置くということになった場合には、当然財政投融資の実績についても審査を行なうこととなりますので、そのためには政府から関係の資料及び説明を聴取することとする必要がございますす。
なお、財政投融資を受けている団体のうち、公社、金融公庫等政府関係機関の決算につきましては、従来から審査を行なっておりますが、その他の団体…の決算にはまったくタッチしておりませんでした。しかし、前記のように方針を改めました場合には、これらのうち、特に大口のものとして、電源開発株式会社、日本道路公団などの決算については、今後審査を行なうこととするのが適当と認められます。
以上までのところを要約いたしますと、 国会で決算を審査する目的は、政府の責任を明確にすることと、政府の政策の実績の批判を通じて財政のあり方を批判し、その合理化、清浄化を促進することにあり、それをするための手段として、まず予算と対比しての審査を行なうということでございますが、このような審査を行なうためには、昨年も述べましたように、政府の説明から改めてかからなければなりません。
そこで、次に、このような審査を行なう場合の政府の説明について述べます。
決算に対する政府の説明としては、決算委員会において冒頭に大蔵大臣から提案説明が行われ、各省別の審査に入ってから各省大臣がそれぞれの所管事項について説明するのが例でございまして、三十二年度決算までは、一、大蔵大臣は主として歳入歳出決算の数字を読み上げる。二、各省大臣は主として会計検査院の検査報告批難事項に対する弁明を述べる。以上にとどまっておりましたが、三十五年七月二十日衆議院決算委員会が、「決算審査にあたっては、従来の会計検査院の検査報告中心の審査方針を改め、国会が議決した予算がいかに執行されたかを中心として、決算全般について、予算と対比して審査する。」という趣旨に基づく新しい審査方針を決定し、その際、「各省大臣の説明には、計数についての説明のみでなく、予算執行の結果表われた主要施策の実績及びにその効率的使用等についても言及する。」という備考を付した関係もございまして、三十三年度決算については、参議院決算委員会における各省大臣の説明も批難事項に対する弁明だけでなく、決算の数字そのものにも触れておりまして、また大蔵政務次官からさらに詳細な数字の説明がなされました。右のほかに、「昭和三十三年度決算の説明」と題する資料が提出されましたが、これには大体予算に掲げた重要施策の実績を中心として決算の説明がなされております。
右のように、昭和三十三年度から多少面目を改めてはおりますけれども、国会の決算審査方針を検査報告中心のやり方から、予算に掲げた政策、事業計画等の実行結果の検討を中心とすることに改めた場合における政府の説明としては、なおこれを次のような趣旨によって再検討する必要がございます。
すなわち、三十三年度決算の場合、大蔵大臣及び各省大臣は決算の数字を述べ、あるいは進んで施策の実績を説明しておりますが、いずれも単に決算額または実績そのものを示すだけでございまして、予算における施策の方針なり予定計画なりがどのように実現されたかという予算との対比の面には少しも触れていないのでございます。この点は、「決算の説明」と題する資料においても同様でございまして、予算との対照は単に経費事項別の合計金額について表示されているだけでございますが、これらは根本におきまして予算との関連ということを主眼としたものに改めなければなりません。これが私が昨年政策審議をやるための前提条件として述べたところでございます。先刻も述べましたが、これなくしては、決算よりする政府の政策の批判ということは期待することができないものでございます。
そこで、それならばどんなふうにやったらいいかということでございますが、まず大蔵大臣の説明でございますが、三十三年度予算案を国会に提出した際の説明を見ますと、一、本会議における財政演説の内容項目としては、(一)内外の経済情勢(二)財政政策、(三)金融及び為替政策、(四)予算の概要となっておりまして、その予算の概要の重点施策として、(1)貿易の振興、(2)経済基盤強化、(3)社会保障の充実、(4)科学技術の振興、(5)中小企業対策、(6)農林漁業対策、(7)自衛体制の整備、(8)地方財政の健全化、(9)税制の改正の九項目があげられておりまして、また、二、予算委員会における提案説明の内容項目といたしましては、(一)財政規模、(二)一般会計となっておりまして、その内容として、歳入では税制改正等、歳出では(1)経済基盤強化資金等、(2)社会保障関係、(3)文教関係、(4)科学技術関係、(5)恩給関係、(6)地方交付税交付金、(7)防衛関係、(8)賠償関係、(9)公共事業費、(10)住宅関係、(11)貿易振興、(12)中小企業対策となっており、(三)特別会計及び政府関係機関(四)財政投融資となっておりますから、新しい審査方針のもとにおきまする決算の説明は、右に対応する内容のものでなければなりません。
本会議での演説、予算委員会での説明の二者は、大体大同小異でございますが、大蔵大臣の決算の提案理由の説明としては、本会議におる財政演説の内容項目に従い、そこに述べられている政策あるいは重点施策がどのように実行されたか、すなわち、予算における見通し、あるいは計画と、決算に現われた結果とを具体的かつ数字的に対照して説明し、実行されなかったものについては、その理由と、その後どのような措置をとったかを陳述することと定めるのが適当と認められます。
次に、各省大臣の説明でございますが、各省大臣は、予算審議の際、各分科会で冒頭説明を行なっておりますが、そこではその所管に属する重点施策及び事業計画の内容を数字的に述べております。したがって、新しい審査方針のもとにおける決算の説明としては、右の予算分科会での冒頭説明に対応する内容のものでなければなりません。具体的には、前に述べた大蔵大臣の場合と同様でございまして、予算分科会における冒頭演説の内容をもととして、そこに述べられている重点施策あるいは事業計画がどのように実行されたか。すなわち、予算における予定計画と決算に現われた結果とを具体的かつ数字的に対照して説明し、実行されなかったものについてはその理由を明らかにし、またその後どのように措置したかを陳述することと定めるのが適当と認められます。
なお、各省大臣の範囲としては、参議院決算委員会では、従来検査報告に批難事項の掲げられていない省につきましては、全く審査を行なっておりませんでしたが、新しい審査方針のもとにおきましては、当然にすべての省から説明を聴取し、審査を行なうこととなります。この場合には、各省のほかに、予算分科会で冒頭説明を行なっているものとして、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府がございます。さらに総理府のうち、防衛庁、調達庁、経済企画庁、科学技術庁、宮内庁につきましては、それぞれ所管大臣等から別個に予算の説明がなされておりますから、これらに対しては、いずれも各省に準じて決算の説明を求める必要がございます。
前述の趣旨を決算審査方針(案)並びにそれに伴う決算審査に関する運営方針(案)にまとめると、次のようになります。