志場喜徳郎の発言 (大蔵委員会)

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○説明員(志場喜徳郎君) トランプ類税などは物品税とは別個の独立の税法でございますのは、ただいま説明がございましたように、物品税法が昭和十年代に戦費調達を主たる目的でできたのでありますけれども、トランプ類税は御承知のように骨ぱい税と申しまして、昔からあったのでございます。それは主として射幸的な遊ぶ道具であるということに着目した、そういった一種の社会倫理的な感じと申しますか、そういうものもあったと思うのでございます。むろん、それが今日においてもはたして、このたとえば物品税の対象になっております囲碁、将棋、チェスの用具のようなものと比べまして、はたしてこれがきわだったものがあるかどうか、いろいろ議論があったと思います。今回の間接税全般の減税にあたりましては、酒とかたばこというようなものは一応別といたしまして、通常の個別消費税におきましては、小売価格に対する負担割合を原則的には一制程度、それから特にぜいたくな奢侈品というような加重税率を設けるべきものにつきましては小売価格の中で大体二〇%程度、こういうものを一応のめどといたしまして、それによって税負担のバランスを間接税相互間ではかっていくというのを大きな一つの柱にしたわけでございます。
 したがいまして、物品税におきましては、たとえばダイヤモンドというようなものは最も奢侈ぜいたく品の最右翼にあると思いますけれども、これが大体小売価格の二〇%ということでございまして、囲碁、将棋用具などは一割、小売価格の一割、こういうふうなことになっておるわけであります。そこで、現在のトランプ類税の中にございますマージャン及びトランプにつきまして、現行の税率はこれは従量税ではございますけれども、これを従価税に換算して考えてみますると、マージャンの中で象牙製のマージャンは小売価格の中で約一七%程度の負担率にとどまっておるのでございます。これに対しまして、牛骨製——牛の骨で作りましたものは、これはごくわずかの数量でございますけれども、小売価格の中で約二七%の税負担となっております。合成樹脂製のマージャン、これはマージャンの中で最も多く売れるわけでございまするけれども、これも同じく約二六%の税負担になってございます。これに対しましてトランプは小売価格の約二〇%、こういうふうなものが現在の大体の小売価格に対する税負担割合になっております。これを考えました場合に、ダイヤモンド等が物品税におきまして小売価格の二〇%である、こういうことから考えますると、牛骨製のマージャンなりあるいは合成樹脂製のマージャンというものが二六、七%の税負担になっておるということはいかにも高いんじゃないか。また一方、囲碁、将棋用具なり、チェス道具というようなものが小売価格の一割税度ということを考えますと、少し高過ぎやしないか。かたがた、またトランプにいたしましても、物品税の中ではおもちゃ、人形、飾りものというようなものが現在製造価格の二割の税率、今回の改正案で小売課税の一割の税率、こういうことでございまするが、トランプ類、花札等もございまするけれども、トランプ類税のトランプ類の中の大部分はいわゆるトランプでございまして、子供のおもちゃと考えていい面も相当あると思います。そこから考えました場合に、いかにも小売価格の二〇%というような税率は聞きに失しないかというようなこと。
 それから、さらにもう一つ、大きな要素でございまするけれども、今回の物品税の改正でも、零細企業の税金につきましては、税の転嫁が非常に困難である。したがいまして、脱税等のおそれも多い、徴税上も困難であるというようなことも考えまして、零細企業につきましては、さほど税負担のバランスを破らないものにつきましては、かなり多くの課税廃止を行なう、また税率におきましても、大幅の軽減を行なうということを方針にしておるわけでございますが、トランプ類の製造業者はおおむね御案内のとおりきわめて、零細企業に属します。したがいまして、それが現在ただいま申しましたように、小売価格に対する二割六分とかあるいは二割というふうな税負担は、メーカーのところにおきましては非常に高い負担になって参ります。でありまするので、現在でも特に合成樹脂製のマージャンでございますとかいうようなものにおきまして、非常に税の転嫁に苦しみ、したがいまして、脱税等のおそれも多いということから考えまして、さような企業対策の面も考えました場合に、この現在の税率で据え置くということははたしていかがなものであろうか。したがいまして、今回の改正によりましては、象牙製のマージャンは、これは一七%では低いから、せめて二二%程度になるようにということで、八千円に引き上げ、牛骨製のマージャンは三千円に下げることによりまして、小売価格に対する負担率を約二一%台に落としてくる。しかし、それでも大体ダイヤモンド等と同じような税負担になるわけでございます。ただ、合成樹脂製につきましては、メーカー価格も安いわけでありまするし、また企業対策の面から考えまして、その消費の増加も考えました場合に、基本的な税率ということになりますと一割程度になりまするが、ただいま御指摘のような若干の非健全性と申しますか、さような意味の事柄もやや残っておるように思いますので、一割まではいかないが、約小売価格の一割五分程度の負担率にとどめるということで改正を考える。トランプ類につきましても同様な、小売価格に対する一割五分程度の負担にならすということによりまして、物品税その他の負担のバランスを考えながらこの企業対策も考えて、妥当な合理的な改正を考えることができるということになるのではないか、かようなところから実は提案申し上げておる次第でございます。

発言情報

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発言者: 志場喜徳郎

speaker_id: 16902

日付: 1962-03-22

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会