荒木萬壽夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
まず第一点は、いわゆる技術革新の時代の要求に応じて、科学技術者の養成が重要であるが、その対策はどうだという事柄であったと思います。すでに昨年来、当議場におきましてもいろいろ御論議をいただいた問題でございますが、さしより科学技術者の養成について、昭和三十六年度いわゆる一万六千人増員計画を策定いたしまして、計画第一年度としては国公私立合わせまして三千二百二十人の増員をはかりました。ところが、今申し上げるように、産業界からの御要請もあり、また所得倍増はもちろんのこと、技術革新に応ずるためには、さらに特別の考慮を必要とするということも種々検討を加えまして、私学のほうの御協力を極力仰ぐことにいたしますと同時に、過ぐる国会で御決定をいただきました高等専門学校を創設いたしまして、昭和三十七年度においては、大学のほうも合わせまして計画を繰り上げ実施することにいたし、高等専門学校は十二校創設することといたしまして、数字的にちょっと申し上げますと、大学は、国立、公立、私立合わせまして合計三千三百六十人、高等専門学校は、国立十二校、公立二、私立五、合わせまして合計二千二百九十人、総計五千六百五十人の増員養成計画を実施する考えであるわけであります。また、工業高校の新増設につきましては、八万五千人の入学定員の増員計画に基づきまして、高等学校入学志願者の急増も勘案して、昭和三十七年度におきましては、そのうち二万八千人の定員増をはかる予定にいたしておりますので、いろいろと御懸念のあるお話ございましたが、今後の科学技術者の養成には万全を期し得る態勢がスタートし得るものと存じております。
第二点は、教育の問題、なかんずく青少年の犯罪続発を御指摘になりまして、その重大さをお話しございましたが、総理からすでにお話があったとおりと心得ます。ただ、この青少年犯罪の原因が何だということになりますと、いろいろな原因が考えられ得るかと存じます。少なくとも教育の面で青少年犯罪の激増の要因があるんじゃないかということが懸念されるわけでございますが、これにつきましては、過ぐる国会でも触れたことでございますが、不幸にして、終戦直後のアメリカ軍の指令によって義務教育課程における地理、歴史、道徳教育なすべからずということが、十数年そのままでやってこられましたために、一番がんぜない、感じやすい律令の義務教育課程の学童が、特に道徳教育を行なわれないために、是非善悪の弁別力なくして上の学校に行く、社会に出るということが、私は青少年犯罪の原因を形成しておろうかとおそれるのであります。それに対しましては、すでに御承知のとおり、昨年から小学校で、本年から中学校で、三十八年度は高等学校で、道徳教育ないしは倫理等の特設教科を通じまして十分の教育をするという建前になりましたことは、おくれながら御同慶に存じておるところであります。(拍手)いずれにいたしましても、新教育課程を実施するものは学校の先生でございますから、先生がほんとうに青少年のために人間形成に情熱を傾けてやって下さらないことにはどうにもならない。私は、六十万の小中学校の先生の大多数が、りっぱな先生であることをかたく信じますが、遺憾ながらその一部に心得違いの者がおる。(拍手)そのことを私は国民の一人としてはなはだ遺憾に存じてきましたが、日教組の幹部を形成する一部の人々の猛省を、私は今後も促し続けて参りたいと思っておるのであります。(拍手)のみならず、学校教育だけでなしに、やはり学校を出ました青少年社会教育の面でも、やはり同じような考慮が払われることは当然のことと存じます。さらに加えまして、私は、各家庭におきましても、子供の親御さんたちが遠慮しないで、先に生まれた者としての体験に基づくしつけを十分にしていただきたい。さらには、宗教家も、外国におけるがごとく、宗教情操教育を通じての青少年教育のために御協力をもっと願えないものか。さらにはまた、学窓を出まして社会に出れば、いきなり待っておるものはパチンコである、あるいはエロでありグロであり、二丁拳銃であるということも、これまた考えものでございまして、そういう意味から申せば、私は、マスコミあるいはラジオ、テレビのスポンサーの側におきましても、十分の御理解と御協力をお願いすることによって、国民全体が青少年のためにあたたかい気持をもって接することによってのみ、この青少年の犯罪増加の趨勢を食いとめ得るものではなかろうかと思うわけでありまして、その意味における全国民の御協力もお願い申し上げたい気持でございます。(拍手)
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