山田節男の発言 (予算委員会)

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○山田節男君 私は、池田総理の自信家のことは、頼もしいと思うのでありますが、しかし、何と申しましても、九千三百万全国民の経済に関する問題でありますから、これは悪い言葉を使うようでありますけれども、一部のやはり財政経済評論家等は、どうも池田総理の経済成長のやり方は、何と申しますか、批判がありまするので、先ほど申し上げましたように、経済情勢は世界的に今後ますます急テンポにその性格を変えていきまして、やはり少なくとも、行政の責任者としては、そこのかじとりというものはもっとダイナミックにやる必要があるのじゃないか。二兆四千億にお組みになっても、これが四月−六月にはどういうことになる、これはだれもわからぬ。そこをひとつうまくやっていただきたいと思うのであります。
 次に、やはりことしの一般会計予算の基本としては、国際収支を改善するということが、これは強くうたわれておるのであります。これはもちろんのことであります。具体的に申せば、三十七年度の大体輸出が四十六億ドル、輸入が四十七億ドル、大体一億ドルの赤字を見込んでおいでになりますが、はたしてこういったような予想が、見通しがうまくいくかどうかということ、これはだれも、将来のことでありますから、そのことを確言はできないかもしれませんけれども、少なくとも、この過熱的な設備投資というものが、私はやはり過熱の状態をこれは依然として続けていくのじゃないか。そういうことになりますれば、やはり、何と申しますか、輸入はどんどんふやさなければならぬ。今、一月あたり一億ドルくらいはふえたとおっしゃいますが、輸入はやがてはさらにふえてこなければならぬ。バランス上約一億ドルの黒字が出てきたと言いますけれども、しかも宿命的に、経済的な条件からいいまして、現にどうしてもそういう方面における輸入をふやさなければ、総理のおっしゃるような経済成長、あるいは外国に対して競争し得る——ことに貿易自由化を控えて、競争することはできない。そういう宿命的な矛盾ということがあるのだ。それならば輸出をどんどんふやせばいいじゃないかとおっしゃいますけれども、これもおかしいのであります。過去にございました日本の輸出の得意としておるのは、一番はアメリカですが、これは総理自身がケネディにお会いになりました。昨年の箱根会談。続いて日米経済合同委員会。最近に例をとりますれば、綿製品であります。アメリカの政府は、二割か三割か日本の綿製品の輸出をふやしてやろうとしましたけれども、そうなってくると、いろいろ綿製品業者が飛行機で羽田にやってきて、そうしてそれを牽制するという状態。綿製品にしても、関税のみならず、賦課金を課するという状態。こういうことになると、今日の日本の輸出の大きな得意であるアメリカに現状のような輸出の依存をしておるということがいいかどうかという問題。カナダもしかりでありますけれども、このアメリカというもの、これは私は言葉は悪いかもしれませんけれども、依然として日本の輸出貿易はアメリカに依存度を高くしておる。悪く申せば、従属的な貿易関係にあるということが、ことに私は池田内閣として大きな問題じゃないかと思う。ですから、私が申し上げたいのは、こういう現在の貿易政策というものが、アメリカをいわゆる得意としておったものを、こういう政策から言うならば、輸出を振興するためには他に道を求めねばならぬ。他の道を振り返って見ましても、ヨーロッパのEEC、ガット三十四条の問題もありましょうし、なかなかむずかしく、東南アジアも、その貿易という形式ではなかなか輸出は振興し得ない。その次は中共、ソ連の問題。中共等においても、イギリスは非常に伸縮を持たしてやっておる。最近の例を言いますならば、あのバイキングという旅客機を九台、さらに六台追加して注文しておるという状態。それに関連してきわめて多額な輸出をやり、西ドイツもやっておる。そういたしますと、私は中共との政治的な問題はどうこう申しませんけれども、ふん詰まりになっておる対米、あるいはカナダの日本から言えば輸入過剰、こういうものを、国際収支を改善するのならば、どうしても中共、あるいはソ連、政治思想的には反対でありましょうけれども、そういう方面にもう少し融通性を持った貿易の振興をはかるのでありませんと、こういう四十六億の輸出で四十七億の輸入くらいで済ませるということは、これは常識では考えられないと思っておる。この点についての総理の——これはほんとうに重要な問題でありますから、率直なお考えを、ことに対米貿易の問題についてどうするのか、これはひとつはっきりとお伺いいたしたいと思います。

発言情報

speech_id: 104015261X00519620305_232

発言者: 山田節男

speaker_id: 17379

日付: 1962-03-05

院: 参議院

会議名: 予算委員会