荒木萬壽夫の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えを申し上げます。具体的に当面の入学に際しての父兄負担が多いというお話を中心にお尋ねがございましたが、そのことにお答えいたします前に、国立の学校があり、公立学校があり、私立学校がある。私立学校は私立学校法に基づいて国の立場あるいは私学のあり方等を定めておると承知いたしますが、私学は私立学校法にも言っておりますように、その自主性を認めておる。独自の境地を開拓するところに特色がある。そうしてまた教育という公共性の高い使命を持っておる。そういう心がまえで私学が円満に正常に運営されねばならないことを要求しておりますが、そこで、その特色を持っておる私学に対する国の助成といいますか、協力の限度がどういうものであろうかということについては、必ずしも明確な線がないと思いますが、少なくとも今日までのものの考え方は、私学がもし国からの財政的援助というものを受けるとするならば、私立学校法に言うところの自主性に影響をもたらすであろう、したがって、そのことにはおのずから限界があらねばならないという考え方に立ちまして、御案内のごとく、私学振興会という特殊法人を通じまして、長期低利の資金を融通するということを基本的な建前として国家的立場の協力をいたしきたっておると思います。ただ特に科学技術教育に、理工系の教育に設備費がかかる。これは私学だけでは当面の技術革新の国家的、民族的要請にこたえ得ないという角度からだと存じますが、何がしかの助成金をそういう面には出しておる。言いかえれば、経常費の一部を支弁する意味合いにおいての国の助成が行なわれておる。そういうやり方でもって今日まで来ておると思います。しかし、私学経営の財政面かいいまするならば、それはりょうりょうたるものであろうと思います、その効果は。そこに悩みがあるというのが現状だと把握するわけでございます。それで、もっともっと自主性を尊重し、しかも公共性を伸ばしていくという私学のあり方に対しましては、経費の問題だけをとらえてみますならば、基本的にはやはりあくまでも民間の浄財を集めて、それをベースにして私学が経営していく、それにプラス長期低利の国のあっせんによる融資によって経営をしていくということが基本線であろうと存じます。経常費の支弁は、授業料もしくは私学の財団それ自体の経常収入と合わせて維持せらるべきものという建前がほんとうの姿ではないかと私は思うのであります。ところで、そういたしましても、私学振興会を通じての長期低利の融資は必ずしも十分でない、むしろ少な過ぎるという実情にあろと思います。同時にまた、民間の浄財を当てにするにいたしましても、これまた外国に比べてきわめて貧弱である。もっとも法人の指定寄付ないしは個人の寄付等について税制上の優遇措置が講ぜられましたことは御同慶に存じておりますが、これも分量的に申せば多くを期待できない。将来この窓口がもっと広くなることが期待されるわけであります。さらに外国の話等を聞きますると、個人の贈与にいたしましても、相続財産を、極端に申せば、ごっそり私学に寄付するという道も開かれておるやに伝え聞いておるのでありますが、そういうふうな道もさらに開けるような努力をすべき余地が国としてあるのではなかろうか。それは冒頭に申し上げました私学の本来のあり方を認めるといたしましても、国として協力すべき一つの方法ではなかろうか。そういうことを積み重ねることによって私学の公共性に対し国の立場から、また全国民的立場から協力を惜しむべきではない、かような考え方でおるわけであります。
そこで、今御指摘の入学金が高い、入学に際して寄付金が要請される等の問題が登場してくるわけでございますが、きわめて冷酷むざんに申し上げれば、先ほど来申し上げる基本線に立つ限り、いたし方のないことだというふうに言えないことはないと思います。だから、それでよろしいとはむろん思いませんが、好ましくない今の状態を改善しますためには、先刻来申し上げるやり方をもっと急速度に充実するやり方で矯正していくべき問題ではなかろうか。いかに私学が苦しいからといって、国民の血税を直接、維持費を、経常費を支弁するために提供するということにはおのずから限度があって、そののりを越えるべきじゃないんじゃなかろうか。こえることは、かりに大蔵大臣が承知してもらえば容易であると仮定しましても、そのことによって私立学校法の目ざしているところの私学の独自性、自主性というものに現実問題としてゆるぎが来ることがより一そう重大な問題ではなかろうか。そういうふうにとらえまして、これまた今後の努力目標みたいなことを申し上げておそれ入りますが、今申し上げた角度から充実して参りたい、かように存じております。