大平正芳の発言 (外務委員会)
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○大平国務大臣 穂枝さんの問題のとらえ方と私の考えとちょっと意見が迷うわけです。私は、日韓交渉というものそのこと自体は、韓国の政情がどうあれ、日韓の間に解決を迫られておるもろもろの懸案があるのでございますから、こういう懸案をテーマにいたしまして、先方が建設的にこの問題に接近してくる以上は、日本政府としてはいついかなるときにおきましてもこういう懸案をどう打開すべきかという究明は怠ってはいけないと思うのでございます。従って、弁口の段階でどうだとおっしゃられましても、私どもこの姿勢を変える必要は毛頭ないと思っております。ただ、問題は、あなたが今問題にされておるように、蛮性きわまりない政局をかかえておって一体韓国が現在の時点で妥結という大きな課題を消化できるかどうかという判断になりますると、私は、外交交渉というのは、前々から申し上げておりますように、交渉の主体が大きな外交的な問題を消化し、にない切る能力を持ち、そして同時に、それはそのときだけでなくて将来にわたってその有効性を保障し得る能力を持たなければ、外交の交渉妥結というようなことはやろうとすることが無理なので、従って、これはもう日韓の間ばかりでなくすべての外交交渉に共通な第一の前提でありますことは、たびたび私から申し上げておる通りでございます。で、そのことと交渉をするということとは別の問題でございまして、私どもは、今の段階でも、先方からリーズナブルな御提案がございますれば検討するにやぶさかでないという姿勢をくずす必要は毛頭ない、また、くずすのはおかしいと思うのでございます。私どもの責任は、あらゆる場合において外交的な懸案についてそれをどう打開するかということの究明を一日も怠るべきでないという立場におるわけでございまするから、従って、そういう姿勢はくずす必要はないと思うわけであります。これは、先方も何とかそういう建設的な提案をするような状況になりたいと思っておられるようでございます。ただ、現在の局面におきまして、遺憾ながら、私どもが御提案申し上げておることに対しましてまだリーズナブルな反応が今ないという状況でございます。