外務委員会

1963-03-20 衆議院 全80発言

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会議録情報#0
昭和三十八年三月二十日(水曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 野田 武夫君
   理事 安藤  覺君 理事 福田 篤泰君
   理事 古川 丈吉君 理事 穗積 七郎君
   理事 松本 七郎君
      宇都宮徳馬君    川村善八郎君
      北澤 直吉君    田澤 吉郎君
      黒田 寿男君    帆足  計君
      細迫 兼光君    森島 守人君
      川上 貫一君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 大平 正芳君
 出席政府委員
        法務政務次官  野本 品吉君
        法務事務官
        (入国管理局
        長)      小川清四郎君
        外務事務官
        (アジア局長) 後宮 虎郎君
        外務事務官
        (欧亜局長)  法眼 晋作君
        外務事務官   中川  融君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      高橋  覚君
        外務事務官
        (情報文化局
        長)      曽野  明君
 委員外の出席者
        専  門  員 豊田  薫君
    ―――――――――――――
三月十八日
 日韓交渉の即時中止に関する請願(川上賞一君
 紹介)(第二四六一号)
 日韓会談即時打切りに関する請願外六件(井岡
 大治君紹介)(第二四六二号)
 同外三百八件(井手以誠君紹介)(第二四六三
 号)
 同外三十三件(広瀬秀吉君紹介)(第二四六四
 号)
 同外三件(栗林三郎君紹介)(第二四六五号)
 同外十五件(赤松勇君紹介)(第二五〇七号)
 同外六件(久保田鶴松君紹介)(第二五〇八
 号)
 同(兒玉末男君紹介)(第二五〇九号)
 同外三件(井岡大治君紹介)(第二六〇九号)
 同(松原喜之次君紹介)(第二六一〇号)
 同外一件(井岡大治君紹介)(第二六六二号)
 同(阪上安太郎君紹介)(第二六六三号)
 同外一件(肥田次郎君紹介)(第二六六四号)
 同(穗積七郎君紹介)(第二六六五号)
 同(山中日露史君紹介)(第二六六六号)
 日韓会談即時打切りに関する請願外七件(栗林
 三郎君紹介)(第二四六六号)
 同外一件(小林信一君紹介)(第二四六七号)
 同外二十七件(兒玉末男君紹介)(第二四六八
 号)
 同外五件(戸叶里子君紹介)(第二四六九号)
 同外九件(永井勝次郎君紹介)(第二四七〇
 号)
 同(野原覺君紹介)(第二四七一号)同外十一
 件(吉村吉雄君紹介)(第二四七二号)
 同外二件(石橋政嗣君紹介)(第二五一〇号)
 同外八件(兒玉末男君紹介)(第二五一一号)
 同外八件(松前重義君紹介)(第二五一二号)
 同外四十四件(八百板正君紹介)(第二五一三
 号)
 同外五件(和田博雄君紹介)(第二五一四号)
 同(片島港君紹介)(第二五六七号)
 同外八件(河野正君紹介)(第二五六八号)
 同外十一件(河野密君紹介)(第二五六九号)
 同外一件(山本幸一君紹介)(第二五七〇号)
 同外四件(湯山勇君紹介)(第二五七一号)
 同外二件(井岡大治君紹介)(第二六一一号)
 同外三件(石橋政嗣君紹介)(第二六一二号)
 同外五件(太田一夫君紹介)(第二六一三号)
 同(岡田利春君紹介)(第二六一四号)
 同外一件(勝澤芳雄君紹介)(第二六一五号)
 同外四件(川上貫一君紹介)(第二六一六号)
 同外三件(志賀義雄君紹介)(第二六一七号)
 同外四件(谷口善太郎君紹介)(第二六一八
 号)
 同外二件(田中武夫君紹介)(第二六一九号)
 同(西村力弥君紹介)(第二六二〇号)
 同(二宮武夫君紹介)(第二六二一号)
 同外十八件(山口丈太郎君紹介)(第二六二二
 号)
 同(山本幸一君紹介)(第二六二三号)
 同外二件(淺沼享子君紹介)(第二六二八号)
 同(井岡大治君紹介)(第二六二九号)
 同外一件(角屋堅次郎君紹介)(第二六三〇
 号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第二六三一号)
 同(阪上安太郎君紹介)(第二六六七号)
 同外四件(寛川清之君紹介)(第二六六八号)
 同(二宮武夫君紹介)(第二六六九号)
 同(穗積七郎君紹介)(第二六七〇号)
 同(山本幸一君紹介)(第二六七一号)
 日韓会談の即時打切り等に関する請願(和田博
 雄君紹介)(第二五〇六号)
 日韓会談即時打切りに関する請願外一件(吉村
 吉雄君紹介)(第二五一五号)
 日中政府間買易協定締結に関する請願)志賀義
 雄君紹介)(第二六〇八号)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件(日韓及び沖繩問題等)
     ――――◇―――――
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野田武夫#1
○野田委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。
 穗積七郎君。
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穗積七郎#2
○穗積委員 すでに一般のマスコミでも明瞭になっているように、韓国のその後の情勢は、一転、二転、三転、四転、非常に不安定きわまる状態になって参りましたが、その後外務省で入手しておられる情報はどういうことなのか、また、外務省、特に大臣は、日韓会談の責任者として、今後どういう政治的情勢の発展を見通しとして持っておられるか、最初にそれを伺っておきたいと思います。
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大平正芳#3
○大平国務大臣 最近の韓国における振幅の激しい政治的な動揺につきましては、私どもの方へ入っておる情報は、一般のマスコミに掲載され、報道されておる域を出ておりません。私どもとしては、ただいま、できるだけ広く情報の収集をやりたいと思いまして、せっかく努力中でございます。従いまして、今後の韓国における政局の推移ということにつきましては、にわかに判断がいたしかねる状況にあるわけでございまして、確たる見通しというようなものにつきましては、十分のインフォメーションを取り寄せて、慎重に分析判断してみたいと思っております。
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穗積七郎#4
○穗積委員 情文局長もお見えになっていますが、十九日に尹前大統領ほか四人の政治家と朴議長が会談の際、条件をつけて、軍政延長を再検討するという発言があったようですが、その前目東京において韓国の代表と日本外務省との間で会議の際に、韓国代表からは、軍政延長を基本方針として、それに対する説明があったようです。それが一口にしてもう根本的にぐらついておるわけでございます。従って、これは、単なる相手の政府機関の意見だけでなくて、韓国の政治・経済情勢全一般にわたる動向を客観的に分析判断しなければならぬと思うのです。そういう点について、外務省は、今までどういう方法で判断され、また今後どういう方法で韓国の情勢判断を進められるのか。今、大臣は、あらゆる努力を払って仲間の正確な情勢をつかみたい、こう言っておられますが、具体的には一体どういう方法とどういう順序でその収集をおはかりになり、判断をされるのか、前日の会談において崔氏からの説明は一体どういうことであったのか、それに対して外務省はどういう判断をされたのか、その点を情文局長から今後の問題も含めて御答弁をいただいておきたい。
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曽野明#5
○曽野政府委員 その問題は実は私の局の直接の担当ではございません。今アジア局長が参りますので、アジア局長から説明いたします。
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穗積七郎#6
○穗積委員 局長が来てから一昨日の会議の内容は伺いますけれども、韓国その他の情報収集の責任はあなたのところにあるのではありませんか。
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曽野明#7
○曽野政府委員 私どもの局ではございません。私どもはむしろ新聞に出す方でございます。
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穗積七郎#8
○穗積委員 それでは、大垣にお尋ねしますが、収集はアジア局だけでやっておるわけですか。
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大平正芳#9
○大平国務大臣 その管掌する仕事に関連して各局がやっておるわけです。
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穗積七郎#10
○穗積委員 それでは、今まで検討されました経過並びに内容、総合的に外務省としておやりになったこと、これをこの際報告をしていただきたいと思います。
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大平正芳#11
○大平国務大臣 ただいままでのわれわれの判断では、最近における韓国の政情の動きというものは、前々から私どもが本院でも申し上げております通り、民政移管に関しての見解の相違、言いかえれば、民政を予定通りやるべきか、それとも、その時期が今までのスケジュールでは尚早の感がするという考え方、また、移管後の民政の性格、すなわち、民意によって組織された純粋の民に政治というようなものを考えておる方々と、革命主体勢力というものが衣がえした民政の指導勢力になるというような考え方、つまり、民政移管の時期、方法、それから移管後の民政の性格、そういった点についての見解が輻湊いたしまして、いろいろの振幅の激しい動揺を展開しておるように思うわけでございます。従って、本院でも従来私どもが申しておりましたように、民政移管の過程における陣痛、苦悶であるということにつきましては、従来私どもが申し上げた判断を変える必要はないと思うのでございます。ただ、その振幅とか速度とかいうようなものが、私どもが予想しておるよりはずっと大きいし、また迷いという感じがするわけでございます。それは穂枝さんも同感だろうと思うのでございます。この間の十六日の最高会議の議長の提案というものがどういう背景でどういう理由であの時期に行なわれたか、それからまた、それが間もなく一転して、政界の領袖たちと会って、この延長については一応三月末までの冷却期間を置いたというようなことがどういう背景でどういう理由で行なわれたものかという点につきましては、ただいまのところ的確な信憑すべき材料を持っておらないわけでございまして、先ほど申しましたように、そういう点についてもう少し突っ込んで究明してみたいというふうに思っております。
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穗積七郎#12
○穗積委員 外交交渉は、抽象的・一般的に政府が韓国との間の懸案問題を解決したいということを言いましても、相手のあることでございます。従って、その話し合ったことがあと責任を持って行われなければ、その元通しがなければ、話し合いというものは全く有害無益になるわけですね。それはもう明瞭だと思う。そうなったときに、率直にこの際お尋ねいたしますが、政府が今の状態で韓国のいろいろな情勢を分析把握することが困難な事情はわかりますけれども、政府が日韓会談に臨まれて以来、ごく最近におきましても非常に見通しが不十分であったという欠陥は率直にお認めになるだろうと思うのです。いわば手探りで交渉をやっておった、交渉しなければならぬという抽象的な原則にとらわれて現実の把握が不十分であったということは、政府として率直にお認めになりますか。
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大平正芳#13
○大平国務大臣 穂枝さんの問題のとらえ方と私の考えとちょっと意見が迷うわけです。私は、日韓交渉というものそのこと自体は、韓国の政情がどうあれ、日韓の間に解決を迫られておるもろもろの懸案があるのでございますから、こういう懸案をテーマにいたしまして、先方が建設的にこの問題に接近してくる以上は、日本政府としてはいついかなるときにおきましてもこういう懸案をどう打開すべきかという究明は怠ってはいけないと思うのでございます。従って、弁口の段階でどうだとおっしゃられましても、私どもこの姿勢を変える必要は毛頭ないと思っております。ただ、問題は、あなたが今問題にされておるように、蛮性きわまりない政局をかかえておって一体韓国が現在の時点で妥結という大きな課題を消化できるかどうかという判断になりますると、私は、外交交渉というのは、前々から申し上げておりますように、交渉の主体が大きな外交的な問題を消化し、にない切る能力を持ち、そして同時に、それはそのときだけでなくて将来にわたってその有効性を保障し得る能力を持たなければ、外交の交渉妥結というようなことはやろうとすることが無理なので、従って、これはもう日韓の間ばかりでなくすべての外交交渉に共通な第一の前提でありますことは、たびたび私から申し上げておる通りでございます。で、そのことと交渉をするということとは別の問題でございまして、私どもは、今の段階でも、先方からリーズナブルな御提案がございますれば検討するにやぶさかでないという姿勢をくずす必要は毛頭ない、また、くずすのはおかしいと思うのでございます。私どもの責任は、あらゆる場合において外交的な懸案についてそれをどう打開するかということの究明を一日も怠るべきでないという立場におるわけでございまするから、従って、そういう姿勢はくずす必要はないと思うわけであります。これは、先方も何とかそういう建設的な提案をするような状況になりたいと思っておられるようでございます。ただ、現在の局面におきまして、遺憾ながら、私どもが御提案申し上げておることに対しましてまだリーズナブルな反応が今ないという状況でございます。
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穗積七郎#14
○穗積委員 私の育っていることと同じなのです。外交交渉というものは、責任がある消化能力を持った相手の主体勢力が必要なのですね。それなくして交渉はできないのです。抽象的に日本が韓国との間の懸案問題を解決したいという願望を持ったって、それは具体的な外交交渉にならないわけですね。一方的願望にすぎない。従って、今私の言いますことは大臣の言うことと同じであって、責任ある消化能力を持った主体が相手になければならない。これなくして交渉はできないと思うのです。
 そこで、今まで池田内閣は、朴政権というものを責任ある主体勢力なりと判断をし、しかも、現在は軍政であるけれども将来は民政移管になってもその勢力は続く、こういう判断に立っておやりになったのでしょう。そういうふうに全部答弁しておられる。われわれは、それはあやしいですよ、相手の主体勢力としての朴政権はくずれますよ、それにかわるいろいろなものをアメリカでも考え、韓国国内でも今言っているけれども、それすら二転三転くずれる危険性があるということを指摘しておったわけです。ところが、政府は、あくまで朴政権が責任ある主体勢力であり、それを相手にしてやるのだということであったわけでしょう。その認識の誤りについて政府が第一自己反省をする必要があるということを今言っておるわけです。自己反省することは政府の責任にもなることであるから、率直にそれを認めることは苦しいお気持はよくわかりますよ。それを言いにくかったら、続いてお尋ねいたしますが、今のあなたのおっしゃった責任ある消化能力を持った主体者は一体だれを相手にしておやりになるわけですか。どの勇力を相手にしておやりになるつもりですか。それをお聞きします。
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大平正芳#15
○大平国務大臣 私どもが申し上げておりますのは、その国がどういう政治形態をとっておりましょうとも、いずれの国の政府に対しましても最大の善意と敬意を持っておつき合いするのが外交の礼儀だと思うわけでございまして、従って、いかなる政権に対してもその退陣の瞬間まで最大の敬意を持っておつき合いするということでございまして、その政府が日本側にいろいろな御提案がございますれば、いついかなるときでもそれに応待をするということは当然のことと思っているわけでございます。日韓についても同じでございます。で、私が申し上げますのは、外交上の事柄を最終的にきめて将来長きにわたって両国を縛る、そういうことをやる段階におきましては、もとよりその交渉の主体は外交的に十分責任能力がある政府でなければならぬことは、これはもう外交の第一前提として当然なことと思っております。
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穗積七郎#16
○穗積委員 そんな抽象的なことを聞いておるんじゃないのです。国がある以上、その国に帰属する統治権を持つておるのはさまっています。あなたは今認めたでしょう。韓国については何を慰めたかといえば、この際日本の方から具体的問題について意見を述べても、これに反応を示して建設的な意見を向こうからこちらに提案する、そういう反応するものがないんだということをお認めになったでしょう。いわば動揺不確定であって、政治的意見が向こうもまとまらない。抽象的な日韓会談、日韓の間の懸案問題を解決したいという日本側の願望はわかりますよ。ところが、具体的に今言ったように問題に入っておるのですから、それに対して日本側から庶兄を述べても、相手からそれに対して反応々示し、それに対して、あなたの言われる言葉で言えば、雄没的な向こう側の意見をまとめてわが方に示すだけのものがないんだということをお認めになっておられるでしょう。だから、それをいわば待つておるということでしょう。それを言っておるのです。ですから、神国というものが実存することは日本政府は認めておられる。それとの間で交渉するのですから、それ声代表して、全人民の世論代表して、日本との間に具体的かつ責任を持った交渉をし、さらに解決をし得る、話し合ったことに対して責任ある消化能力のある主体勢力には一体どれをとっておられるのかということを聞いておるのです。それに対してあなたはないと言われる。だから、日韓交渉は進まんじゃありませんか。あるというならば具体的にお示しをいただきたい。今の日韓交渉が事実上さっぱり進展していないのは、相手がないからですよ。人民の意見を代表し、人民に対しても責任を持って、日本と話し合ったことを消化していくという主体心力がないから、交渉も進まなければ、交渉をやってもそれは無意味だということをあなたは今お認めになっておるでしょう。それを聞いておるのです。その主体勢力というものは一体何を言っておるのかと。
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大平正芳#17
○大平国務大臣 私が申し上げておりますのは、私どもは、いずれの国に対しましても、現政府を相手にして外交をやっておるわけでございまして、その現在の政権が退陣の瞬間まで誠意を持って対処するということが私の務めだと思っております。問題は、今の局面で日韓交渉について先方が延段的な御提案をする、私どもの提案に対して反応を示すという状態が、政局の動揺期にございまして十分それが聞かれないという状態にあることは認めます。しかしながら、私どもの姿勢としては、今も申し上げておりますように、先方から御提案がございますればいつでも討議に応ずるという姿勢は変えませんということを申し上げて、それをあなたはやめたらどうだという御意見ですが、それには私は同意できないということを申し上げておるのであります。
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穗積七郎#18
○穗積委員 私は政府の抽象的原則について言っておるんじゃないのですよ。そうではなくて、具体的に日韓交渉はどうなっておるか。ということを言っておるのです。こちらから提案する用意があっても、相手から建設的な反応を示し、あるいは向こうから提案をするものがないわけです。それでは日韓交渉は具体的には中絶せざるを得ない状態じゃないですか。現に中絶しておるんじゃないですか。そのことはお認めになるでしょう。
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大平正芳#19
○大平国務大臣 これは、私がたびたび申し上げておりますように、今動揺期にあって、先方から延段的な御提案をわれわれは期待いたしておりますが、先方がまだそこまで至っていないという状況にあるにすぎないわけでございます。なるべく早く先方が安定いたし、建設的な提案があるように私ども希望いたしております。
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穗積七郎#20
○穗積委員 抽象的願望はわかります。抽象的願望はあなたが言っておられることであって、現実の日韓交渉は静観停止せざるを得ないという実情にあることは、あなたはお認めになりますね。静観停滞しておることは事実でしょう。
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大平正芳#21
○大平国務大臣 私どもが希呈するよりな進捗を見ていないということは非常に遺憾に思っておりますけれども、しかし、それだからというて、あなたが言われるように中断するとか停止するとかいう気持は毛頭ないということを私は言うておるわけです。
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穗積七郎#22
○穗積委員 そういう願望はあっても、できませんよ。
 それじゃ、表現を変えてちょっとお尋ねいたしますが、軍政を継続するのか民政に移管するのかという大きな問題があるわけです。これに対しては、日本としては韓国の内政に干渉するということはあり得ないことです。しかしながら、日本側としては、これは予定通り民政に移管するということを総理もあなたも歓迎をし、そのことを期待しておられたわけでしょう。だから、それについての政府の御意見はどうですか。軍政の延長を歓迎されますか。あるいは予定通り民政の移管に発展をして民主的な政治が確立することを期待をしておられますか。それについての政府の方針をお伺いしたいと思うのです。
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大平正芳#23
○大平国務大臣 私どもは、一日も早く民政に移管することを希望いたしておるわけでございまして、軍政を延長するというようなことはきわめて遺憾なことだと考えております。なことだと考えております。
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穗積七郎#24
○穗積委員 それに関連して、与党・政府の間ではなはだ不統一のあることを、これは日本の世論を困惑せしめるものだと思うので、私はこの際指摘してお尋ねしておきたいのですが、去る十七日に大野副総裁の談話が発表になった。これは単なる一党員ではなくて副総裁の立場にある人です。しかも、大野さんは政府・与党を代表して先般韓国を訪問して、また金鍾泌との間でもいろいろな交流があったわけですね。その方が十七日に、前日声明のあった朴議長の軍政四カ年延長方針を大歓迎をされて、われわれはそれを歓迎する、その上で早期妥結をやるのだということをはっきり国民に向かって発表しておられるわけです。これは政府の方針と違いますね。あるいは党の方針とはどういうことになっておりますか。これをお尋ねしておきたいと思うのです。
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大平正芳#25
○大平国務大臣 そういうことについて、大町副総裁と私お目にかかって伺っておりませんから、何ともお答えようがございません。
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穗積七郎#26
○穗積委員 大野副総裁の談話を、日本の権威あり責任のある各新聞が全部間違って書くはずはありません。出ておりますから、あなたもごらんになったでしょう。そうであるならば、この方針はどちらが一体自民党の方針であり政府の方針であるか、民政移管を当然期待をし、その見通しに立って韓国に対処していくという態度なのか、軍政を推してファッショ的政権を支持して、日韓会談もそれとの間に強行してしまう、こういうことであるのか、その点はいずれかはっきりしておいていただきたいと思うのです。
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大平正芳#27
○大平国務大臣 政党内閣でございますから、与党と政府との間には緊密な連絡をとって参らなければいかぬことは当然のことでございます。私が外交の責任者でございますので、私の外交方針についていろいろな意見の御開陳があれば十分承って判断いたしますけれども、責任は私が負ってやっておるわけでございます。ただ、この問題につきましては、まだ大野副総裁と私懇談したことはございませんので、何とも申し上げられません。政府の外交方針は私が内外に宣明いたしておるところで、それで御信頼をいただきたいと思います。
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穗積七郎#28
○穗積委員 それでは、大野副総裁と直接にお合いになったらいいでしょう。お会いになるべきだと思うのです。そのときに、大野副総裁の十七日の大阪談話発表というものはそれが事実であるとするならば、それに対しては取り消しを要求されますか。
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大平正芳#29
○大平国務大臣 政府と与党との関係についての御意見でございますが、そういうことは政府と与党とにおまかせいただきたいと思います。少なくとも表に出まして内外に政府の外交方針を宣明いたすのは私の責任だと思っておるわけでございます。
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