大平正芳の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(大平正芳君) ただいま議題となりました「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件」につきまして、提案理由を御説明
いたします。
政府は、マラヤ連邦との間で所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約締結交渉を昭和三十七年四月以来行なって参りましたところ、今般交渉が妥結を見るに至りましたので、去る六月四日クアラ・ランプールにおいて、わが方在マラヤ連邦大隈大使とマラヤ側タン・シュー・シン大蔵大臣との間で署名を行なったものであります。
この条約は、十八カ条からなり、従来わが国がアジア諸国との間に締結した租税条約とほぼ同様の内容を有するものでありますが、マラヤ連邦の税制及び国内事情から次のような特徴を持っております。すなわち、船舶、航空機の運用から生ずる所得は、全額相互免税としております。配当については、他の諸条約と同様一五%の軽減税率とし、親子会社間のものであるときは一〇%の軽減税率としており、使用料については、相互に免税としております。さらにマラヤ連邦の創始産業(所得税免除)法の規定に基づいて免除されたマラヤ連邦の租税の額は、日本で総合課税する場合に、マラヤ連邦で支払われたものとみなして、日本の税額から控除することとしております。また、教授、留学生、短期旅行者等に対して広い範囲で免税を認めることとしております。
マラヤ連邦は国内産業開発のために借入金形態による外資の導入を重視しておらず、第三国との租税条約の締結交渉においても、利子課税についての軽減税率を認めない方針をとっておりますので、この条約においては、利子の軽減税率または免税の規定を設けないことといたしました。
マラヤ連邦は、わが国にとって主要な原材料供給国として、わが国の同連邦からの輸入の額も東南アジア諸国中最高であり、また、わが国から同連邦への企業進出、船舶寄港等も多いところ、この租税条約の締結によって二重課税を回避し、これらの経済交流が一そう円滑に促進されるものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
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