大平正芳の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(大平正芳君) 高度経済成長に伴う労働力の相体的な不足という状況は、戸叶先出御指摘のとおり、最大の原因であったと思いまするし、なお、御指摘のように、ドミニカの移民政策の不始末、これも心理的な影響として深刻に響いたと思うわけでございます。御指摘のとおりでございますが、最後の点で、ホワイト・ハンドじゃいかぬ、もっと泥くさくということでございますが、私は、移民政策というのは本来ホワイト・カラーのもてあそぶところではなくて、あなたが御指摘のとおり、移民という仕事に生涯をかけてやるという人、人の問題だという御指摘は、そのとおりだと思うのでございます。その熱意に欠けるところがあって今日のような事態を来たしておると申し上げなければならぬことを、きわめて遺憾とするわけでございます。
それから、在来の移住担当機関の運営ということについていろいろな問題がありますことも、私どもも承知いたしております。もともと、こういう公営という一つの経営の方式というものには、それに内在する、本来もう避けがたい非能率性があるわけでございまして、これはひとり移住関係の事業、実施機構だけを責めるわけにいかないと思います。能率の点から申しましても、モラルの点から申しましても、こういう事業形態には、えてして、そういう弊害を伴うものでございまして、われわれが見ておりまする移住実施機関というものも、その例外ではないと思うのでございます。そこで今御指摘のように、そこに人的な核心が要るわけでございまして、そういう情熱を持った清新な人材をもって、しかも自主的に責任を持ってやっていただくという態勢に今度いたしたいということで御提案申し上げているわけでございます。今までの弊害を可能な限りためるために、私も最善の努力をいたすべきと思うわけでございます。そのことは同時に、政府が一生懸命にならなければいかんわけでございますが、政府の一生懸命になり方が問題だと思うのでございます。一から十まで官庁的なコントロールをするなんという在来の役所のやり方では、とてもいかんと思うのでございます。やはり問題は、事業団を作りました以上は、事業団に責任を持たせる、自主的に弾力的に活発な活動をやらすような環境を作ってやらないといかんと思うのでございまして、はしの上げ下げまで一々役所が干渉するようなことはいかんわけでございます。したがって、私は、外務省というところはできるだけ移住の実務から手を引くべきだと思うのです。こういうことは専門の方々にまかすという気持にならぬといかん。外務省がそのようにすることによって、ほかの省もまた外務省の真意を理解していただいて、事業団の育成に御協力いただくことになると思うのでございます。他の省にいろいろ私どもが注文をつける前に、まず外務省自体が一ぺんここで顔を洗って出直すというようにやりたいという趣旨のものも、今、先生が言われた人の問題に帰するのじゃないか。そして同時に、その情熱を持った人が十分自主的に活動ができるような環境を作るためには、政府としては、はしの上げ下げまで一々干渉するようなことをしないということが大事だと私は思います。