高木広一の発言 (外務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○政府委員(高木広一君) ドミニカの場合は、曾祢先生が言われたように、確かにああいう狭い島で耕作し得る面積も少ない、それから土民の生活程度もきわめて低いというところで、非常に無理があったようであります。ただ、当時の情勢というのは、この話が出ましたのは、昭和二十九年ごろで、当時は海外からどんどん日本に帰ってくる。国はまた疲弊しているということで、むしろ人口問題を解決すべく、どこでも、受け入れてくれるところがあったら出したいということでやったというきらいは相当ございます。やはり現在やっておりますパラグァイとかボリビアについても同じことではないかという御質問だと思うのですが、その点、パラグァイ、ボリビアは確かに人口が少なく生活程度も低いのですけれども、しかし、今のドミニカなんかに比べますと、非常に面積も広い、資源も豊富である。ボリビアのごときは、日本の四倍以上で人口がわずか三百六十万、そうして資源が非常に豊富であって、土民は鉱物を掘り出してそれを海外へ出し、食糧を海外から入れているというようなところであります。それから、パラグァイは、これも日本の倍ぐらいの面積で人口わずか百六十万、これは従来はアルゼンチンの植民地として非常に低い地位に置かれ、。パラグァイが経済的に一番難点であったのは、交通の点でアルゼンチンに押えられて、一切の生産物が運賃で搾取されていたという実情であります。これに対して、南米の最近の情勢は非常に変わりつつあります。たとえばボリビア、パラグァイのように、かつては忘れられたようなところが、最近は「進歩のための同盟」もございますが、その前のポイント・フォア、あるいはヨーロッパ諸国からの積極的な働きかけもありまして、これらの忘れられたような地域が今南米開発の波に乗って、パラグァイには汎米道路が通じてブラジルまで行くとか、ボリビアに行きましても、アメリカは毎年三千万から四千万ドルの援助をして、道路、公共施設その他の開発をやって貢献しておる、こういうところでございますので、ただ労力だけを出すということになれば、曾祢先生が言われたように、まだまだ問題がございますが、これに加うるに日本の財的な援助、技術的な援助を加え、もし可能ならば、これにさらに世界銀行とか、あるいはヨーロッパ諸国との協力も合わせてやっていくということをしますなれば、ドミニカとは全然違う情勢になり得るし、またそうなりつつあるというふうに考える次第であります。
 もう一つ、われわれとして注意をしなきゃいけないのは、最近、南米におきましても南米共同市場が結成せられまして、これが思ったよりも早く動きつつある。特に南米におけるボリビア、パラグァイのような後進国は、南米諸国でも特別の関税の待遇を与えられて、たとえばパラグァイの農産物については関税を課さない——付加税は別として、ブラジルもアルゼンチンも課さないというようなこと、それから、スペインがパラグァイの商船隊のために借款を提供する、日本も移住協定調印の際に、やはり三百六十万ドルの商船隊のクレジットを与えまして、これなんかも日本の移住者が作ったものが海外へ安く出得る一つの方法でございますし、こういうところから見ていきますと、南米のこれら非常におくれた国々が今新しい様相を呈してきておるので、その状況はドミニカとはまるっきり違うということが言えると思います。

発言情報

speech_id: 104313968X02919630626_008

発言者: 高木広一

speaker_id: 18573

日付: 1963-06-26

院: 参議院

会議名: 外務委員会