高木広一の発言 (外務委員会)
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○政府委員(高木広一君) カナダの問題、今大臣からもお話がありましたように、先方の受け入れ態度の問題があるわけでございます。特にカナダ、豪州は慎重な政策をとっておりまして、御承知のとおり、カナダ、アメリカ、豪州はヨーロッパ移民を中心としておりますから、社会的、文化的あるいは民族的の関係で、いろいろ誤解があったり反対の空気があるわけでございます。われわれとしては、できるだけこれらの誤解を解いて、今先生おっしゃったように、生活程度の高いところに、自然の流れに従って流れていくというような情勢を世界的に推進していくべきであると思うのですが、ただ、こちらから無理に、日本人を入れなければいけないというようなことを言うこと自身が、またかなり問題があると思います。
先ほどもお話がございましたように、日本国内におきましても労働力不足のときに、そこまで言うべきかどうか。私たちは、豪州等においては、先方から望まれない限り、こちらから無理に取ってくれというようなことは言いたくないんだということを言って、逆に、先方からぜひ来てほしいという空気を出したいと思っております。
それから、これは非常におもしろいことですが、今おっしゃいましたカナダ自身がまた、入って来る移住者よりもアメリカに出ていく移住者が多くて、全体としては出国民が多いという点で相当悩んでいる。これは、ヨーロッパからカナダへ行って、さらに生活程度の高いアメリカへ行く。こういうような問題もございまして、なかなか複雑な状態でございます。ただ、現在私たちが対象としております移住は、労働条件が低いところから高いところに流れていくそういう自然的な流れと別個に、むしろヨーロッパからアメリカに開拓したような、あんな気持でひとつ南米へ行きたい、そうして、そこには日本人もおられるし、しっかりした地盤を築いている。また、そこの民族が非常に日本民族と似ていて、非常に近親惑を持つ。これはボリビア、パラグァイ、ボリビアのごときはすでに行った日本人が相当社会的には高い地位を占めている者がある、数は少ないが。そういうようなことにあこがれて南米に行って、自分の代ではだめでも、将来子孫の代でしっかりしたものを築きたい、こういうような人がございますが、これがただ若げの至りで飛び出すだけではいけない。そういう人を助けて、同時に、相手の国の経済開発にも貢献し得るような形に運んでいきたい。幸い、世界的にも、移住というものをそういうような経済開発の立場からみなが協力してやらなければいかぬ、また資本も協力して出さなければいかぬというような空気が強くございまして、たとえばボリビアのごときは、世界銀行も、場合によればひとつ日本と一緒に調査して積極的な施策をやろうじゃないかというような動きも、まだ正式ではございませんが、ございます。こういうような機運をだんだん醸成さしていく。カナダも、できましたなれば、日本の企業進出に伴って技術者が出て行くということが、先生おっしゃったような、カナダに対する日本民族の進出についての誘い口になるんじゃなかろうかというふうに思います。