大平正芳の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(大平正芳君) 本委員会におきましても、その点がいろいろ論議に相なったわけでございまして、募集という言葉は、この移住事業団の法律に出ていないという点についての御指摘がございまして、石田さんがおっしゃるように、強力な募集体制を確立していくという必要があるのではないかという御指摘がございましたことは事実でございます。私どもといたしましては、移住の基本理念といたしまして、移住はあくまでも移住者の主体性、主体的意欲、情熱というものに基調を置かなければならぬ。これは移住審議会の答申にもお示しがあることでございまして、したがって、政府が一定の目標を持ちまして移住に動員をかけるというようなことは、基本の理念として採用すべきではないと思っておるわけでございます。しかし、そんな上品なことを言っておっては移住の実績が上がらないのじゃないかという御指摘は、おっしゃるとおりでありますので、私どもといたしましては、この事業団はもとより、政府におきましても、また在来の移住関係の機関におきましても、移住に対して国民の自発的な意欲が発揚されるような契機を作らなければいけませんし、そういう意味で実際上計画を立てて動員するのではないけれども、自発的に移住意欲が発揚されて参る。また、そういう意欲を持たれた方々に対するサービス機能が充実して参るようにいたすことによって、所期の目的を自然に達するという工合に持っていきたいと思っているわけでございまして、過去における移住行政の欠陥というものを、この際、深刻に反省いたしまして、足らないサービス機能につきましては、十分これが発揮できますような姿勢をとって参らなければならないと思いますし、また、過去の失敗を克明に分析いたしまして、やはり政府側におきましても、事業団側におきましても、十分の事前の調査というものに正確を期し、そのインフォーメーションに欠くることのないように努力することによって、今、お示しのような実績をあげていく方向に全力をあげて参らなければならないということでございまして、基本の理念としては、主体性を尊重する。しかし、そういう前提の上で、どうして所期の目標を達するかにつきましては、各種の工夫、これはサービスの改善、充実が行なわれなければならんと思うのでございまして、そういう方面に鋭意努力するつもりでございます。