田中角榮の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(田中角榮君) 政府の正式な見通しといたしましては、三十八年度予算編成の前提となるべき三十八年度の経済成長率は、名目八・一%、実質六・一%と決定をいたしましたことは御承知のとおりでございます。私は、国際収支の問題に対しては、自分の所管事項でございますし、国際収支の動向を見ながら財政金融政策を進めていかなければならないという責任者でありますので、予算編成が終わりましたそのときから、国際収支に対しては非常な関心を持っていろいろな面から検討いたしておるわけでございます。三十八年度の予算もいよいよ執行の段階に入っておりますので、私といたしましては、長期の展望という意味で、政府の正式な経済見通しというものとは別に、日々時々刻々に動く財政金融経済の状態等をつまびらかにする責任もありますし、当然そういう作業を進めるべきであるという観点から、私のこれからの財政金融政策の指針を立てるために必要だと思う資料の収集を事務当局に命じておるわけでございます。新聞に報道せられたものは、新聞を読んでいただくとおわかりと思うのですが、経済企画庁で、いわゆる政府が正式に決定したものと大きく食い違いがあるとか、いろいろのことを報じておりますが、大蔵大臣が試算したところによると、というふうに、これが大蔵省の省議にかかったものとか、経済企画庁に合議を申し込んだものとか、経済閣僚会議に出したものではないことは、新聞でもまくらがついておりますから明らかであります。私がこれからの財政金融政策を作るために必要なものとしていろいろな角度から検討いたしました結果は、六・一%という実質の見通しは幾らか高くなっていくのではないかというような見通しが数字に出ております。しかし、この数字というのは、御承知のとおり、もう統計数字でもって、確実に実施済みのものの数字を統計したものではないのでありまして、財政や金融の状態、特に金融が正常化され、金融がゆるんでいくというような場合、あるいは在庫の見通しとか、輸入が四月、五月に対してどのように伸びているかというような数字をもととしまして、二カ月ぐらいの実績であと十カ月ぐらいの推定をしておるのでありますから、取り方によっては相当違うと思うのであります。方向としては、私が他の委員会でももうすでに何回か申しましたが、実質的には三十八年度七・二%年率ぐらいになるのではないかと思っておりますので、財政金融政策には万遺憾なきを期して参りたいということは常に言っておったわけでございますが、ただいま申し上げましたような全く個人的な参考として試算をしてみますと、私がかつて申し上げておったように、七・二%を少し上回るのではないかというような感じがいたすわけでございます。ただこれはもう全くの試算でありまして、大蔵大臣が行政上必要なものとして集めたものでありますから、政府の正式な機関で取捨選択をし、十分衆知を集めて検討をしたものではございません。