林田正治の発言 (内閣委員会)

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○林田正治君 私は、この恩給の問題につきまして、ことにこの二十三年以前に退職いたしましたる老齢恩給者と現在の人との間に、あまりにも差が激しいのであります。この点につきまして、いろいろの実例をもってこれは長官あるいは恩給局長にお尋ねいたしたいと思いまするが、実は実感のこもったお話をいたさなきゃならぬと思いまするが、二、三日前に、私の旧友の、かつて名古屋の検察庁の検事正をいたし、終戦後間もなく大審院の勅任検事として退職いたしました某君とお目にかかりました際に、君の恩給は幾らあるかということを私は聞いてみたのです。ところが、その話はもう林田君してくれるな、おれはもう実際その話を聞くと憤慨にたえないのである。まあしかし、幾ら取るかということを聞いてみたら、驚くなかれ、自分の恩給は今のところ一カ月に二万円に達しない、こういう話をいたしておりました。その人が、話によると、昔と今をとうてい比較することはできないけれども、昔、自分のおやじが陸軍のたしか中佐でやめまして、その人は自分の恩給によって自分をどうにかこうにか大学まで育てた。ところが、今日、われわれの子供が自分の親の恩給によって大学はおろか、あるいは高等学校さえも困難ではないか、こういうような話をいたしておりましたが、そういう不都合な例は、これは私の今の友だちだけでなく、至るところに例があるのでございまするが、いわゆるこのごろようやく七十才になった場合に二万円のベース・アップがされたと私は記憶いたしますが、しかしながら、現在のところでは、どうかしますると、二万九千円かあるいは三万円ベースになってやせぬかと思いますが、あまりにはなはだしいのであって、しかもこのように老齢なるものは前途はなはだおい先短いものであって、その私の友だちがいわく、今日の国家のわれわれに対する取り扱いは、お前は早く死ねというようなことと同じではないかというような、ほんとうに私に対して、涙をもって悲憤慷慨いたしたのでございまするが、こういう例は今の友だちだけでなくして至るところにあるわけでございまするが、こういう例の是正に対しまして、先般から承っておりますると、ことに恩給局長の御意見は全く非常に冷静なるものであって、実に財政の問題だけをもってやむを得ざるというふうに言っておられるようでございまするが、もうこの間からも同僚の委員からるるお話がございましたとおり、財政の問題はもうだいぶ好転いたして、私はこの財政一本やりでもってこういう不公平を是正せずにおくということは、これは国家のほんとうにゆゆしき一大事である、こういうふうに痛感せざるを得ないのでございまして、もう少しく恩情あるところの考えを持って大蔵省の壁にぶち当たって、そうしてやはりこの問題は、財政問題より以上の私は人道問題として、長官初め今後一そうのひとつ御検討をお願いいたしたい。私のこれを切なる希望を申し上げまして、別にこれに対するもう御答弁はいただきませんが、ぜひともひとつこの国家の財政の好転とともに、私はこの大きな問題につきましては真剣に御考慮の上、取り組まれんことを切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

発言情報

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発言者: 林田正治

speaker_id: 8052

日付: 1963-06-18

院: 参議院

会議名: 内閣委員会