内閣委員会

1963-06-18 参議院 全190発言

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会議録情報#0
昭和三十八年六月十八日(火曜日)
   午後二時二十六分開会
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  委員の異動
 六月十四日
  辞任      補欠選任
   中村 順造君  伊藤 顕道君
 六月十五日
  辞任      補欠選任
   上原 正吉君  宮澤 喜一君
 六月十七日
  辞任      補欠選任
   宮澤 喜一君  野本 品吉君
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 出席者は左の通り。
   委員長     村山 道雄君
   理事
           石原幹市郎君
           下村  定君
           山本伊三郎君
   委員
           大谷藤之助君
           栗原 祐幸君
           源田  実君
           小柳 牧衞君
           野本 品吉君
           林田 正治君
           伊藤 顕道君
           小林 篤一君
   政府委員
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   総理府恩給局長 八巻淳之輔君
   大蔵省主計局次
   長       澄田  智君
   大蔵省主計局給
   与課長     平井 廸郎君
   厚生省援護局長 山本浅太郎君
   電気通信監理官 岩元  巌君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   総理府恩給局審
   議課長     中嶋 忠次君
   大蔵省主計局主
   計官      船後 正道君
   日本国有鉄道理
   事       河村  勝君
   日本電信電話公
   社職員局次長  森  元和君
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  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○旧令による共済組合等からの年金受
 給者のための特別措置法等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○公共企業体職員等共済組合法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
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村山道雄#1
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、中村順造君が委員を辞任され、その補欠として伊藤顕道君が、また、去る十五日、上原正吉君が辞任され、その補欠として宮澤喜一君が、また、昨十七日、宮澤喜一君が辞任され、その補欠として野本品吉君がそれぞれ委員に選任されました。
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村山道雄#2
○委員長(村山道雄君) 恩給法等の一部を改正する法律案、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 右三案中、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案については、すでに提案理由の説明を聴取いたしており、他の二案については、前回より質疑に入っておりますので、これより三案に対する質疑を行ないます。
 政府側より、ただいま徳安総務長官、八巻恩給局長、平井主計局給与課長、岩元電気通信監理官が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
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林田正治#3
○林田正治君 私は、この恩給の問題につきまして、ことにこの二十三年以前に退職いたしましたる老齢恩給者と現在の人との間に、あまりにも差が激しいのであります。この点につきまして、いろいろの実例をもってこれは長官あるいは恩給局長にお尋ねいたしたいと思いまするが、実は実感のこもったお話をいたさなきゃならぬと思いまするが、二、三日前に、私の旧友の、かつて名古屋の検察庁の検事正をいたし、終戦後間もなく大審院の勅任検事として退職いたしました某君とお目にかかりました際に、君の恩給は幾らあるかということを私は聞いてみたのです。ところが、その話はもう林田君してくれるな、おれはもう実際その話を聞くと憤慨にたえないのである。まあしかし、幾ら取るかということを聞いてみたら、驚くなかれ、自分の恩給は今のところ一カ月に二万円に達しない、こういう話をいたしておりました。その人が、話によると、昔と今をとうてい比較することはできないけれども、昔、自分のおやじが陸軍のたしか中佐でやめまして、その人は自分の恩給によって自分をどうにかこうにか大学まで育てた。ところが、今日、われわれの子供が自分の親の恩給によって大学はおろか、あるいは高等学校さえも困難ではないか、こういうような話をいたしておりましたが、そういう不都合な例は、これは私の今の友だちだけでなく、至るところに例があるのでございまするが、いわゆるこのごろようやく七十才になった場合に二万円のベース・アップがされたと私は記憶いたしますが、しかしながら、現在のところでは、どうかしますると、二万九千円かあるいは三万円ベースになってやせぬかと思いますが、あまりにはなはだしいのであって、しかもこのように老齢なるものは前途はなはだおい先短いものであって、その私の友だちがいわく、今日の国家のわれわれに対する取り扱いは、お前は早く死ねというようなことと同じではないかというような、ほんとうに私に対して、涙をもって悲憤慷慨いたしたのでございまするが、こういう例は今の友だちだけでなくして至るところにあるわけでございまするが、こういう例の是正に対しまして、先般から承っておりますると、ことに恩給局長の御意見は全く非常に冷静なるものであって、実に財政の問題だけをもってやむを得ざるというふうに言っておられるようでございまするが、もうこの間からも同僚の委員からるるお話がございましたとおり、財政の問題はもうだいぶ好転いたして、私はこの財政一本やりでもってこういう不公平を是正せずにおくということは、これは国家のほんとうにゆゆしき一大事である、こういうふうに痛感せざるを得ないのでございまして、もう少しく恩情あるところの考えを持って大蔵省の壁にぶち当たって、そうしてやはりこの問題は、財政問題より以上の私は人道問題として、長官初め今後一そうのひとつ御検討をお願いいたしたい。私のこれを切なる希望を申し上げまして、別にこれに対するもう御答弁はいただきませんが、ぜひともひとつこの国家の財政の好転とともに、私はこの大きな問題につきましては真剣に御考慮の上、取り組まれんことを切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
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野本品吉#4
○野本品吉君 簡単に恩給局及び大蔵省の方に二、三の点につきまして御質問申し上げたいと思います。恩給局内にあります恩給制度研究会という会から、恩給法についてのいろいろな検討を加えました結果の収録いたしました本が出ております。そのうち恩給の意義というところで次のように書かれておる、それは「普通恩給、増加恩給および扶助料のように、長期にわたり継続して支給される年金恩給は、公法上の継続的金銭債権ともいうべきものであるが、それぞれの恩給の給与事由が生じた当時における法令により給与条件が決定されるのであるから、その年金額も退職又は死亡当時の条件に従って定められた額が給せられることになる。しかしながら、恩給は公務員の在職中における経済上の取得能力の減損を補填し、退職後の生活を保障するために給せられるものであるとすれば、その後経済事情の変動にともない物価、賃金等が昂騰した場合、退職者の過去における経済上の取得能力の減損補填についても必然的にこれが金銭価値の評価換えが行なおれてしかるべきことになる、ことに低額恩給受給者のように、わずかの恩給所得にのみ依存して生活をつづけているものについては、いわばこれらの人々の死活に関係するものでもある」これが恩給局内にあります恩給制度研究会の研究の結果の所論であります。
 そこで私は恩給局長さんに、これは局内の諸君の検討の結果でありますから、大体御同感のことと思うのでありますが、今私の読みました「必然的にこれが金銭価値の評価換えが行なわれてしかるべきである、」この点についての局長さんの御意見を伺います。
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八巻淳之輔#5
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、恩給というものが退職時の条件に応じてきめられておりまするけれども、その後経済事情が変わりまして、その年金で購買力が維持できないというようなことになりますれば、これを見直していくということが恩給制度の本旨からいって当然であろう、こう考えております。その文書の中で、必然的とかなんとかという意味は、もちろんそういうふうな考え方の上でそうあってしかるべきものであろう、こういうことであると思うのです。そういう思想に基づきまして、私どもも逐次給与改定というものを織りまぜながら恩給のベース・アップということをやって参ったわけでございます。しかしながら、それは必ずしも満足する状態ではないということは認めますけれども、そういう方法で今まで毎年の法律改正をやって参ったと、こういうことが言えると思うので、あります。
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野本品吉#6
○野本品吉君 なお、この点について大蔵省側の御見解を伺います。
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平井廸郎#7
○政府委員(平井廸郎君) ただいまの問題は、率直に申し上げまして、私どもの所管事項からややはずれているわけでございますが、同じような、公務員の退職後の生活の補てんという意味できめられている共済組合の退職年金という立場において考えました場合においても、同様の問題があるわけでございまして、この点、この共済組合制度というのは、恩給制度の場合と異なって、保険数理の上に立って問題を解決する建前をとっておりますので、恩給と全然同じようなやり方という議論にはならぬと思いますが、少なくとも社会保険の体系の中でも物価とあるいは所得水準の変動に伴う年金の実質価値の減耗という点については何らかの方法においても補てんする必要があるということは、ただいまのところ考えておるわけでございます。
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野本品吉#8
○野本品吉君 私の特にここではっきりしておきたいと思いますのは、この表現のうちで「必然的に」という言葉です。これは私どもの注意を引く言葉であります。この点についてはどうお考えになりますか、局長さん。
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八巻淳之輔#9
○政府委員(八巻淳之輔君) そうあってしかるべきものであるという、こういう一つの願望と申しますか、そうした理想と申しますか、そういうものをそこに掲げているわけでございます。これが行政的にあるいは立法政策的に必然的な関係を持つように、つまりたとえば物価指数が上がれば当然恒常的な関係において上がる、あるいは給与が上がれば恒常的な関係をもって上がるというふうな一つの標準というものを打ち立てる、技術としては、打ち立てるかどうかということは、いろいろな条件のもとできまってくると思いますけれども、ここで言っておるのは、おそらくそうあってしかるべきものであるという願望であり、また、理想であると、かように考えております。
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野本品吉#10
○野本品吉君 今の私の読みました「減損補填についても必然的にこれが金銭価値の評価換えが行なわれるべきである、」ということを、われわれは当然のこととして考えておるわけです。したがって、こういう見解に立てば、経済事情が変化し物価が高騰したそのことに対して即応する措置として、給与ベースの改定にスライドすべきであるという、われわれの年来の主張はお認めいただけますか。
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八巻淳之輔#11
○政府委員(八巻淳之輔君) 過去の年金価値を見直す場合に、公務員の給与にスライドさせるか、何にスライドさせるか、何と見合って考えるかということはいろいろ議論があるところだと思うのでございます。しかしながら、公務員の退職者の年金制度を扱っておりまする私ども、あるいは公務員の退職者のグループ、こういう方々の願望として当然公務員給与にスライドしてということは一つの理想としてあると思うのでございます。したがいまして、そういう方向で今までもやって参ったわけでございまするし、また、今後もそういう方向で何らかの、一つの目安と申しますか、標準と申しますか、手法における一つの客観的なものをつかみ得るということができますならば非常にけっこうでありますので、そういう方向で今後十分検討していかなければならぬ、こう思っております。
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野本品吉#12
○野本品吉君 あまり御答弁がはっきりしないのでありますが、時間の関係もありますので後日に譲りまして、その次のことをお伺いしたいと思います。
 そこで、今のような観点に立ちますというと、先般の恩給法の一部改正におきまして、遺族扶助料は二万四千円、それからして生存者は二万円、こういうことで一応落ちついておるわけです。当時の給与ベースは二万七千円ベースでありますので、その点から見ますと、遺族を二万四千円にし、生存者を二万円ベースに置いたということは、当時の給与ベースである二万七千円のレールに恩給の扱い方が乗ったと、こういうふうに考えられるのでありますが……おわかりでしょうか。もう一度申します。つまり生存者が二万円ベースですね。遺族扶助料は二万四千円ベース、当時のベースは二万七千円ベース、そうすると、二万七千円ベースに切りかえるのが相当であるけれども、経済上の理由があって、遺族のほうは大事な子供をなくなしたり夫をなくなしたりした人々ですから、二万四千円ベースに置いた。生存者はとにもかくにも生存という恩恵を受けておるのだからそこで二万円ベースにとめた。したがって、二万円と二万四千円があるということは二万七千円ベースを目ざす一つのレールの上にこれらのものが置かれたと、こういうふうに理解してさしつかえありませんか。
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八巻淳之輔#13
○政府委員(八巻淳之輔君) 昨年の増額改定におきまして用いました手法というものは昭和三十三年の百二十四号と同じように、公務員の給与というもののある時点をつかまえてそれにスライドさせる。スライドといっていいかどうかわかりませんが、それを目標にして増額した、こういうふうになるわけであります。この場合に生存者につきましては二万円ベース、いわゆる昭和三十四年の十月一日の給与体系に乗せたわけであります。また、遺族あるいは傷病者につきましては、昭和三十五年の十月一日における給与体系を目安にいたしまして、二万円ベースの場合よりも約一割二、三分ふやした、こういうことになるわけであります。でありまするから、今後の増額措置が行なわれるといたしました場合にやはり同じような手法が講ぜられるであろうということは予想されるわけでございます。
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野本品吉#14
○野本品吉君 この点につきましては、ぜひ給与ベースにスライドすべきであるという原則を認めての上の措置であった、今後もその線に沿っていこう、こういう考え方のようですが、間違いありませんか。
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八巻淳之輔#15
○政府委員(八巻淳之輔君) 少なくとも私どもが従来使っておりました手法というものは今後も踏襲されるであろうということが予測されるわけでございます。ただしかし、まあ、後ほどまたいろいろ議論が出るかもしれませんけれども、恩給に境を接する共済年金等々との関係の増額の手法においてどういう手法がまた講ぜられるか。それとの見合いというような問題が少なくともございますので、この方式が今後とも踏襲されるのだということを確言することはできませんけれども、私の恩給に関して知る範囲におきましては、そういう方向で進むということがただいまのところ予測されるわけです。
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野本品吉#16
○野本品吉君 それからなおついでに申し上げて御善処をいただきたいと思うのでありますが、現在非常に低い恩給にくぎづけされている者が相当多数あるわけです。ところが、公的年金を受けるという理由で国民年金の老齢福祉年金が支給されない。それから一方生活保護基準が引き上げられてきた、それらを考えて、むしろ恩給権を辞退してそうして生活保護法の適用を受け、それからして公的年金の支給を受けたほうが実際生活にはプラスになるのだというような声がごく最低の恩給受給者から出ているわけです。これらのことについて、恩給局のほうはどんなふうなお調べがありますか、また、お考えがありますか。
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八巻淳之輔#17
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、恩給で相当低額の恩給受給者もございます。しかしながら、恩給そのものが、理想といたしましてはそれで老後を養うに足る程度の額であるということが一方で言われるわけでございますけれども、他面恩給につきましては、その収入認定と申しますか、その人が収入のあるなしにかかわらず給与されるというふうなこともございますので、必ずしもその額が生活保護の基準に見合わなければならないということは言えないと思います。しかしながら、一方におきまして、恩給が老後の生活保障であるという意味におきまして、最低生活も維持できないということでは一方の理想を貫けないわけでございますので、これらの最低保障といいますか、そういうものをできるだけ引き上げていくという方向では今後研究しなければならぬと思います。で、現在恩給で低い恩給と申しましても、三万六千円——御承知のとおり、二万円ベースで完全実施されまするというと三万六千円以下の恩給受給者というものはなくなるというのがこの一三九号及び昨年の一一四号の法律によって実現するわけでございます。もちろん三万六千円というふうな程度の方々というものは非常に文官恩給の中では少ない、まれなケースでございまして、このレベルを六万円でとって見て参りますと、六万円未満の恩給を受けている人がどのくらいあるであろうかと申しますと、国の裁定による普通恩給受給者の数は全体で十四万七千人でございまして、その中で六万円未満の者は一万五千円ベース時代には四万一千人、二八%、これが昨年の法律改正によりまして二万円ベースに到達することによって一八・九%に減って、約一〇%減りました。そういうふうなことでだんだんとこうした低額所得者が逐次のベース・アップによりまして減少していくというのが、現在の国の裁定の恩給受納者の実態でございます。
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野本品吉#18
○野本品吉君 次に、国家公務員の共済組合の問題について、恩給との関連においてお伺いいたしたいと思うのであります。国家公務員の共済組合法が実施されまして、実際の長期給付その他が行なわれて今日に至っておりますが、その長期給付の行なわれました時期は二万円ベースであったと思うのです。現在もこの退職者に対しましても二万円ベースの長期給付を行なっておるのでしょうかどうか。
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平井廸郎#19
○政府委員(平井廸郎君) 先生すでに御承知と存じますが、共済組合の制度と申しますのは、恩給の場合でも同じであったと思うのでございますが、退職時の給与を基準といたしまして、恩給の場合でございますと退職時の俸給を基礎とし、国家公務員共済組合でございますと、退職前三年間の平均俸給を基礎といたして年金額を定めることになっているわけでございます。したがいまして、その退職いたしました時期のいかんによりまして、そのいわゆるベースという観点からいたしますと、あるいは二万円ベースで御退職になった方もおりましょうし、あるいは二万四千円ベースで御退職になった方もありましょうし、あるいは二万六千円ベースで御退職になった方もある。そういう格好で、そのつどによって行なっているわけでございます。
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野本品吉#20
○野本品吉君 ここでなおはっきりお伺いいたしたいと思いますことは、二万円ベースでやめた者は、今後現職者の給与がどのように高められても公務員の共済組合年金は二万円ベースで支給される、こういうことですか。
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平井廸郎#21
○政府委員(平井廸郎君) 先ほどちょっと申し上げましたように、現在の共済組合制度というのは、単に国の一方的給付ではなくして、保険数理の上に立って国の負担金と組合員の掛金とで構成されるという建前になっております。したがいまして、これを上げていく場合において、どういうやり方で、その負担をいかにして上げていくかという問題があるわけでございます。この点につきましては、私どもは私的な保険の場合と違いまして、掛金がこれだけしかふえていないという理由のもとに上げないということは妥当ではない。いわば社会保険の一環としての共済組合の給付金というものも、ある程度実質価値が保全される方法を考えるべきであろうと考えております。ただし、これまた御承知のように、社会保険全般を通じて現在までのところ、そういった実質価値の保全策というものが定まっておりません。昨年の社会保障制度審議会の答申にもありましたように、たとえば厚生年金等においては、少なくとも定額部分のスライド制を考えるべきだというような御意見もありまして、ただいま厚生年金等についてそういった問題を審議しておられるわけでございます。私どものほうといたしましても、少なくとも実質価値の保全のための何らかの方策は必要であると考えておりますが、こういった社会保険全体を通じての動きと即応いたしまして、将来の問題として何らかの制度を考える必要があるというふうに考えておる次第でございます。
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野本品吉#22
○野本品吉君 そうしますと、将来現職者の給与ベースが上昇した場合には、それとのアンバランスを調整するための何らかの方法を考えなければならぬ、考えたいと、こういうことでございますか。
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平井廸郎#23
○政府委員(平井廸郎君) 一たん裁定されて決定いたしました年金をどのような基準で引き上げていくか、逆に言えば、どのような基準で実質価値の保全をはかっていくかという方法につきましては、現在のところまだ結論が出ておりません。先生御指摘のように、一つには公務員の給与ベースにスライドするという方法もございましょうし、あるいは物価変動、消費者物価等に即応して変えるという考え方もありましょうし、あるいはまた、国民所得の伸び等に比例して変えるという考え方もございましょう。いろいろな考え方があるわけでございますが、現在のところ、直ちに公務員の給与ベースとスライドさせるというところまでは考えておらない次第でございます。
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野本品吉#24
○野本品吉君 自民党、今の政府が経済成長政策を打ち出しましたときに、予定のように経済が成長していけば、給与所得は三十五年度の二・四倍になるということが計算されて出ておるわけですね。そういうことになりますというと、今後の経済成長に伴いまして、現職者の給与はそれに準じて相当上昇するということが、もう当然予想されるわけです。そういうときに二万円ベースで共済組合の長期給付を押えておくということは、これはもうだれが考えてもできないことなんで、そこで今のようなことをお伺いしたわけです。そこで、特にはっきりお互いに考えておきたいと思いますことは、国家公務員共済組合法の第一条には、「国一家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、」云々と書いてあるのですね。公務員であった者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する、これが国家公務員の共済組合法の第一条に示されておる目的なんです。したがって、その目的に沿っていこうとするならば、当然先ほど私が申し上げましたようなことが考えられなければならないと私は思うのです。さらに「国は、前項の共済組合の健全な運営と発達が図られるように、必要な配慮を加えるものとする。」、こういうことも掲げてあるわけです。私はここではっきりしておきたいのは、いつまでも二万円ベースで長期給付をとめておくのではないということをはっきり確認いたしたいと思います。それは間違いありませんですね。
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平井廸郎#25
○政府委員(平井廸郎君) 年金の実質価値の保全のために何らかの方策を考える必要があるということは、衆議院の内閣委員会においても附帯決議等で私どもが伺っていることでございますし、そういった意味において何らかの策を講ずる必要があるということは、私どもも認め、政府としても努力をいたさなければならぬところであると考えているわけでございます。ただ、その方策の内容等については、今後さらに慎重に検討する必要があるということでございます。
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野本品吉#26
○野本品吉君 そういう場合に、問題は所要の財源をいずれに求めるかということに帰着すると思う。総合共済というか、共済の立場からいえば、あるいは文字どおりにみな共済組合が負担しろという考え方が出てくるかもしれませんけれども、先ほどお話のございましたように、共済組合は現職者の諸君のお金を拠出することによってお互いに守っていくという建前になっておりますから、これを組合員の負担にすべて転嫁するというようなことはそれは考えられない。したがって、所要財源をいずれに求むるかということになりますというと、組合員の負担に求むるか、あるいは国のしかるべき方法に求めるか、二つになろうと思いますが、これはいかがでしょうか。
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平井廸郎#27
○政府委員(平井廸郎君) 先ほどちょっと私申し上げましたように、共済組合制度というのは、保険数理に基づいて収支をバランスさせていく建前のものであることは御承知のとおりであります。その場合におきまして、国が恩給として給付を行なっていく場合と違う一つの点といたしましては、共済組合自体が自由裁量の範囲において、もちろん法規上の制限がございますが、資産の運用をはかっていくわけであります。したがいまして、今後問題を考える場合に、先生御指摘のような負担の問題を考えると同時に、一方においては資金運用面において、たとえば貨幣価値の変動に対して比較的強い面に運用していくような問題も一つの方法として考えれば考えられるわけであります。極端な言い方をいたしまするならば、たとえば不動産投資を大規模に行なう、あるいは株式投資、こういうものは性格上妥当かどうかという議論はございますけれども、アメリカ等の例でもありますように、株式投資にもかなり金をつぎ込んでおる。こういうやり方をいたします場合には、比較的長期的に見て貨幣の変動に耐えるようなものであるといわれておるわけでございます。そういった資産運用上の問題をも一方に考えながら、一方では、同時に、負担金なりあるいは国の負担なりあるいは組合員の掛金というような問題も総合して考える必要があるというふうに考えるわけでございます。また、この問題を考えるにあたりましては、御承知のように、共済組合が社会保険の一環をなしております以上、社会保険全体の体系の中でしかるべき地歩を考える必要があるわけでございまして、社会保険の全般的な動きと別個に、共済組合だけの立場において議論をするのはなかなかむずかしいという面もあったわけでございます。そういった全体の動きの中で公務員の利益を守るという点を考えなければならないというふうに私ども現在の段階では考えております。
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野本品吉#28
○野本品吉君 今の点につきましては、一応考慮の中にあるように思いますから、私はさらにその点につきまして十分な検討を遂げられて、そして共済組合の円滑な運営が行なわれるようにお願いいたしたいと思う。
 さらにここでお聞きいたしたいと思いますことは、巷間伝えるところによれば、共済組合の給付が二万円ベースにとどまっておるということを理由にして、よりどころにして、いわゆる恩給のベース・アップが阻止されておる、ブレーキがかけられておる、こういうことを耳にするのでありますが、そういうことはありますか、ありませんですか。
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八巻淳之輔#29
○政府委員(八巻淳之輔君) 昨年の法規改正によりまして、一応生存者の普通恩給なり、あるいは一般の恩給扶助料というものにつきましては、二万円ベースということでセットルしているわけでございます。今後の問題としては、そこでくぎづけするということはないだろうと思うのでございまして、共済とできるだけ歩調を合わせてやっていくということは当然だと思いますけれども、しかし、必ずしも歩調がとれないという場合があるかもしれない。ですから、そういう意味では、恩給の立場からいうと、そういうことでくぎづけになるということはないようにしなければならぬというのが私たちの希望でございます。
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