田中角榮の発言 (本会議)
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○国務大臣(田中角榮君) 加賀山さんにお答えいたします。海運に対する基本的な考え方につきましては、総理大臣から詳しく申し述べられておりますから、大蔵省の考え方だけを申しますと、海運が戦後非常に困ったというのは、御承知のとおり戦時の損害が一番大きなところでございます。特に、戦前戦後を問わず、海運業に対しては、私企業という考え方だけではなく、政府が大きく助成等を行なっております。どうして海運だけ私企業としての観点でなくこれらの助成措置が行なわれておるかということは、私が申し上げるまでもなく、国際収支上の理由でございます。現在、国際収支が非常によくなっておりますイタリア等においては、貿易上の収入を増大するということはもちろんでございますが、観光及び海運収入というものに非常に重点を置いておりますために、国際収支が非常に好転をしておるということも事実でございます。これらに対しては、わが国における戦後の海運業に対してはいろいろ論のあるところでございますが、何分にも財政上の問題その他で今日に至ったわけでございます。しかし、いよいよ自由化を前にして、現在、昭和三十七年度でおおむね二億二、三千万ドル貿易外収支の赤字が計上せられるわけでございますが、海運収入は、三億ドルとなり、やがて八億ドルとなり、十億ドルとなるわけでございますから、これが日本の国際収支上にどのように重点的に考えられなければならないかということは、もう私が申し上げるまでもないのでございます。そういう意味において、今度の海運の再建に対する措置は、抜本的な措置を政府としては行なったものでございます。戦前におきましては興銀の利子が三分七厘であったものが、今日の改正の措置によりましても、開銀が四分であり、市中が六分である、戦前に比べてなおまだ手厚い保護というには差があるじゃないかというようなお考えの御発言でございますが、現行制度におきましても、開銀で一・五%、市中で一・九九%の利子補給を行なっておるわけでございます。しかし、いろいろ申し上げたような理由にも基づきまして、国際競争力の強化というだけではなく、国際収支上の理由も十分勘案をしまして、これに一%程度の利子補給を加算をいたしまして、開銀の二・五%、市中で三・一二五%という利子補給を考えたわけでございます。同時に、今まで作られたものに対する利子の猶予等もあわせて考えておるわけでございまして、これによって日本の海運企業の基盤整備は画期的な状態において行なわれるというふうな考えでございます。御承知のとおり、海運、肥料、石炭に対しては、答申よりも以上に大ばんぶるまいをしたという世評もあるのでございますから、いかに政府がこれらの問題に対して抜本的な施策を立てるような熱意を持っておるかを御理解賜わりたいと存じます。
造船に対しても、先ほど申し上げたとおり、今までは輸出というものに対しては非常にウエートが置かれておりましたが、延べ払い等がだんだんと長くなってくるというような実情を考えるときに、いつ返ってくるかわからないような輸出造船というものにウェートを置くか、国内造船というものにウエートを置くかという問題に対しては、十分検討すべきでありまして、財政当局としましても国内造船の増大ということに対して意を用いておるのでございます。(拍手)
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