荒木萬壽夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
政府といたしましては、国づくりの根幹は人つくりであるとの基本的な考え方に立って、文教の振興のために各種の施策を講じて参っておるのでありますが、なかんずく人つくりの直接のにない手である教育者の地位の向上は、特に緊要なものであると考えるものであります。このたび、政府がこの法律案を提出いたしましたのも、本質的にはこの点に由来するものであります。
しかして、国立大学は、国の高等教育機関として、また高度の研究機関として、きわめて重大な使命をになうものであり、最近における科学技術の進歩、産業経済の発展並びに国民一般における教育水準の向上などに伴い、これに対する国家的、社会的要請はますます増大して参っております。このような国立大学のうちでも、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学及び九州大学の七国立大学は、人文、社会、自然の各科学の全分野にわたる学部を有する大規模な総合大学であり、かつ、その各学部の上には博士課程の大学院を有するものとされ、また伝統も古く、これら七国立大学の学長の職務と責任はきわめて重要であります。
よって、このたび、これら七国立大学の学長を認証官とし、その国家的社会的な地位を高からしめますとともに、その待遇の改善をはかることとしたのであります。このことは、これら七国立大学の学長の職務と責任の重要性に基づくものではありますが、ひいては大学の教育職員、さらには教育者全体の地位を高め、もって我が国教育の振興に資するものといたしたいと考えたからであります。
次に、この法律案の概要について御説明いたします。
第一は、これら七国立大学の学長を認証官とすることに伴い、官職名をそれぞれの大学総長と改めることとしたことであります。しかし、これら国立大学総長は学長として置かれるものでありますので、学校教育法その他の法令の適用については、他の国立大学の学長と全く同様な地位に立つものであります。
第二は、国立大学総長の任命権を、文部大臣から内閣に移すこととし、その任免については天皇が認証することとしたことであります。任命権者を内閣といたしましたことは、他の認証官の一般の例に従ったものでありますが、その任免を大学管理機関の申し出に基づいて行なうという教育公務員特例法の建前には何らの変更をいたしておりません。なお、国立大学総長の任免に関する内閣に対する大学管理機関の申し出については、文部大臣がこれを内閣に進達するものとしましたのは、文部大臣が大学を所轄していることによるものであります。
第三は、国立大学総長の受ける給与を俸給及び期末手当とすることとしたことであります。これは、他の認証官の例にならって、特別職の職員の給与の例による趣旨に基づくものであります。国立大学総長の俸給月額についても、他の認証官との権衡を勘案して、東京大学総長及び京都大学総長にあっては十八万円、その他の国立大学総長にあっては十六万円とすることといたしたのであります。
第四は、附則に経過措置を定めたことでありまして、これら七国立大学の学長の現職者については、この法律施行の日にそれぞれ国立大学総長に任命することについての進達があったものとみなすことなど、新制度への移行を円滑にする措置を講じております。
以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)