小平忠の発言 (予算委員会)

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○小平(忠)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提案の本年度予算補正三案に対し、反対の意思を明らかにするものであります。
 本案の歳出項目としては、それぞれ一日も早く成立することを必要とするものであります。過般の臨時国会で政府が解散を急いだために、今日まで成立がおくれているのでありますから、民社党としましては、これが成立促進には積極的に協力する立場をとってまいりました。
 私どもは、政府案のうち、給与改定を除いては一応それぞれの歳出予算について、これを承認するものであります。これは政府案で十分であるという意味ではなく、明年早々の通常国会において、再び歳出補正を行なう機会があるという判断に立つからであります。ただし、給与改定に関しては、政府案を断じて認めることはできないのであります。政府は、本年八月の人事院勧告が、本年五月一日にさかのぼって給与改定を行なうべしと改定内容を提示したのに対して、実施を十月一日に繰り下げた案を提示しております。政府は、これをもって勧告の尊重と言われておりますが、政府の予算措置はまさに勧告軽視そのものであります。勧告は昨年四月から本年四月までの一カ年間に、消費者物価が全都市で七・四%上昇していると報告しております。ところが、政府が実施期日としている本年十月までの一年に、消費者物価は九%も上昇しております。したがって、本年十月一日より実施の給与改定ならば、物価との関係では少なくとも九%のベースアップが必要なのであります。勧告どおり五月実施なら、今回の六・七%のアップも了承しないでもないが、十月実施で六・七%アップを据え置きということは、勧告尊重でも何でもありません。勧告無視というべきものであります。わが民社党は、あくまで人事院勧告の完全実施を要求いたします。これを実施しない政府案に対し賛成できないのであります。
 かりに五月実施といたしますと、五月より九月までの五カ月分の所要経費は約二百二十億円であります。この程度の財源は、本年度の租税自然増収から余裕をもって捻出し得るはすであります。なぜならば、本年度の鉱工業生産は、当初の見通しの八%をはるかに上回って、一四%に達することは明らかであります。雇用の増加、企業収益の増加、輸入原材料の増加、国民消費の増加など、各面から見て、所得税、法人税、関税、物品税などの大幅増収は必至だからであります。争議権を剥奪されている公務員諸君に対して、人事院勧告の完全実施をもって報いずして、どこに政府の公務員管理の健全運営があり得ましょうか。私はあくまでも政府の反省を望んでやみません。
 もう一つ、私が政府案について賛成しがたい点は、財政投融資関係におきまして、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金の三機関に対する追加融資を軽視しておる点であります。中小企業政策の革命的前進ということばは、総選挙中における池田首相の公約でありますが、政府の年末中小企業金融対策とは、短期的つなぎ融資の放出として三百億円の短期融資、三機関の自己資金百億円の放出、並びに市中金融機関に対する買いオペ二百五十億円の三本立てで資金量六百五十億円と聞いております。私は、このようないわゆる年末融資の必要も大いに認め、これを歓迎し、支持いたします。しかしながら、いまや政府が預金準備率を引き上げ、明年一月早々日銀公定歩合の引き上げを行なって、金融引き締めを公然として開始せんとしているときにあたり、当然にその犠牲者となる中小企業に対しては、あらかじめ供給し得る資金量の増加の準備をしておくことが当然の任務であると考えます。最近は不渡り手形、倒産件数の双方ともに増加をしておりますのも、一面では企業経営の過度の膨張も原因ではありますが、他面すでに金融機関の窓口規制がきびしくなっていることを意味するものと判断をしております。したがって、明年は中小企業界にとって、金融面ではきびしさを増す年となることを考え、ここで中小企業三機関の融資のワクを恒常的に拡大しておく措置をとることが当然であると考えます。私は、最近の郵便貯金の増加にかんがみ、資金運用部資金より千五百億円を融資し、国民金融公庫、中小企業金融公庫にはそれぞれ六百億円、商工中金には三百億円の融資を行なうよう提案するものであります。
 なお、私は食管会計赤字補てん二百五十億円の計上についても、食管会計を今後いかに運用すべきかの政策論抜きの赤字補てんである点は釈然としませんが、この政策論は明年の通常国会に譲りまして、ここでは赤字補てんという財政処理として了承しておきます。
 以上、私は、人事院勧告の完全実施並びに中小企業に対する財政投融資ワクの拡大の二つの政策的修正を政府案に要求いたします。これを認めない政府案に対しましては、民社党の総意として反対し、私の討論を終わるものであります。(拍手)

発言情報

speech_id: 104505261X00419631214_161

発言者: 小平忠

speaker_id: 11712

日付: 1963-12-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会