野原覺の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)

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○野原(覺)委員 労働基本権の保障の方向をILOが目ざしておる、そのことは政府もよく知っておるから、労働基本権が保障されるように、政府としては逐次その基本権が拡大されるような方向をとらなければならないと思う、そのおことばやまことにけっこうです。しかし、今度出された政府原案は何ですか。逐次拡大の方向はとってはありませんね。何もとってない。このことはだんだん明らかにしていきましょう。
 八十七号条約は、これは大臣御承知のように、一九四八年にILOで採択されたものである。一九四九年、その翌年には九十八号が採択になった。結社の自由条約が八十七号で、団結権、団交権の条約が九十八号ということになっている。これはILOで、いまから十何年も前に採択したわけです。そしてこの二つの条約は、特に八十七号においては、すべての公務員に適用されるということも、これははっきり条文の中にうたい込んでいる。ところが、この二つだけでは不十分だというので、ILOでは一九五一年に協約締結の勧告を出したのです。幾ら結社の自由が認められ、団結権が保障されても、協約締結がされない限りこれは意味がないじゃないか。力にならないじゃないかということで、協約締結の勧告が五一年、いまから十二年前に出されておる。しかも協約締結だけでもだめだ、もし紛争が起こった場合には、争議権が否認されておるこの事態においては、調停勧告を認めてやらないことには、ほんとうの意味の団結権の保障にはならない。団結権とは、ただかたまるということだけではない。団結権とは言うまでもなく、団結をして権利を行使するということなんです。給与と勤務条件については労働者としての言い分をあくまでも主張できる裏づけをするためには、ただいま申し上げました協約締結だけでは足りないのであって、争議権が禁止されておるのだから、調停に関する勧告が同じく一九五一年に出ておる。ところが労働大臣、いかがですか、今度の政府原案を拝見いたしますと、依然として協約の締結に関することはどこにも出ておりません。それからまた、人事院とかあるいは仲裁委員会というものが公務員なり三公社五現業の諸君にございますけれども、これの強化ということは、今度の改正原案にどこにも出てない。ILOの考えたのは、結社の自由の八十七号、第二は団結権、団交権の九十八号、第三は協約の締結、第四には調停です。協約と調停とは、これは勧告の形で打ち出しておる。この四つのものが打ち出されないことには、労働基本権の保障にならないのです。政府は労働基本権保障のために逐次拡大の方向をたどるというならば、政府原案の中に八十七号の形式的な批准だけ要求しないで、なぜ国内法の整備の中に協約の締結なり、あるいは人事委員会の強化あるいは仲裁委員会に実力を持たせるというような措置をとらないのか、いかがですか。

発言情報

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発言者: 野原覺

speaker_id: 16407

日付: 1964-06-17

院: 衆議院

会議名: 国際労働条約第八十七号等特別委員会