国際労働条約第八十七号等特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十九年六月十七日(水曜日)
午前十一時十九分開議
出席委員
委員長代理 理事 安藤 覺君
理事 澁谷 直藏君 理事 田中 正巳君
理事 森山 欽司君 理事 河野 密君
理事 多賀谷真稔君 理事 野原 覺君
秋田 大助君 小笠 公韶君
亀山 孝一君 佐々木秀世君
渡海元三郎君 長谷川 峻君
濱田 幸雄君 大出 俊君
小林 進君 田口 誠治君
安井 吉典君 山田 耻目君
栗山 礼行君 吉川 兼光君
出席国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
出席政府委員
内閣法制局参事
官
(第一部長) 吉國 一郎君
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務官
(管理局長) 小林 巖君
人事院事務官
(職員局長) 大塚 基弘君
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房公務員制度
調査室長) 岡田 勝二君
文部事務官
(初等中等教育
局長) 福田 繁君
労働事務官
(労政局長) 三治 重信君
自治政務次官 金子 岩三君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
—————————————
六月十七日
委員渡邊良夫君辞任につき、その補欠として木
村武雄君が議長の指名で委員に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第
八十七号)の締結について承認を求めるの件(
条約第二号)
公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一号)
地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律
案(内閣提出第二号)
国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第三号)
地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第四号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十一時十九分開議
出席委員
委員長代理 理事 安藤 覺君
理事 澁谷 直藏君 理事 田中 正巳君
理事 森山 欽司君 理事 河野 密君
理事 多賀谷真稔君 理事 野原 覺君
秋田 大助君 小笠 公韶君
亀山 孝一君 佐々木秀世君
渡海元三郎君 長谷川 峻君
濱田 幸雄君 大出 俊君
小林 進君 田口 誠治君
安井 吉典君 山田 耻目君
栗山 礼行君 吉川 兼光君
出席国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
出席政府委員
内閣法制局参事
官
(第一部長) 吉國 一郎君
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務官
(管理局長) 小林 巖君
人事院事務官
(職員局長) 大塚 基弘君
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房公務員制度
調査室長) 岡田 勝二君
文部事務官
(初等中等教育
局長) 福田 繁君
労働事務官
(労政局長) 三治 重信君
自治政務次官 金子 岩三君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
—————————————
六月十七日
委員渡邊良夫君辞任につき、その補欠として木
村武雄君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第
八十七号)の締結について承認を求めるの件(
条約第二号)
公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一号)
地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律
案(内閣提出第二号)
国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第三号)
地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第四号)
————◇—————
安
安藤覺#1
○安藤委員長代理 これより会議を開きます。
委員長所用のためおくれて参りますので、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。
結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案、及び地方公務員法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題とし、質疑を続行いたします。野原覺君。
この発言だけを見る →委員長所用のためおくれて参りますので、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。
結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案、及び地方公務員法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題とし、質疑を続行いたします。野原覺君。
野
野原覺#2
○野原(覺)委員 私は前日に引き続いてお尋ねをいたしますが、実は率直に申し上げまして、五十数時間も質問が行なわれておるこの特別委員会で、いまさら抽象的な法理論の蒸し返しをやってもどうにもならぬ時点に、ただいまの段階はきておると思うのであります。したがって、本日は主として文部大臣の所見をただすことに焦点を置いてお尋ねしたい、このように考えて、ただいままでお待ちしたのでございますが、どういうものか文部大臣がお見えにならぬのであります。そこで抽象的な議論の蒸し返しではございませんけれども、八十七号条約を批准するにあたっての政府の基本的な考え方、その二、三について、これはぜひともただしておきたいと思うのであります。
まず第一にお尋ねしたいことは、ILO八十七号条約を批准することはどういうことかということであります。これは申し上げるまでもなく、私は日本政府がILOに対して団結権の保障を約束することだ、そのことばに尽きると思う。そうなってまいりますと、八十七号条約の批准にあたって考えなければならぬことは、国内法整備の問題であります。何となれば、日本の国内法が団結権を制限しておる。団結権を保障していない。したがって八十七号条約を批准するだけでは意味がないのであって、八十七号条約を批准するためには、団結権を制限しておるところの日本の法律を撤廃し、それから団結権の制限に足らないところの法の整備をはからなければならぬ。これがとりもなおさず、関連国内法の整備の問題ではないかと思う。そこで労働大臣にお尋ねしたいことは、団結権の保障をILOに約束するという角度で、いま政府から提出されておる政府原案というものはできておるかどうか、この点を承っておきたいと思うのであります。
この発言だけを見る →まず第一にお尋ねしたいことは、ILO八十七号条約を批准することはどういうことかということであります。これは申し上げるまでもなく、私は日本政府がILOに対して団結権の保障を約束することだ、そのことばに尽きると思う。そうなってまいりますと、八十七号条約の批准にあたって考えなければならぬことは、国内法整備の問題であります。何となれば、日本の国内法が団結権を制限しておる。団結権を保障していない。したがって八十七号条約を批准するだけでは意味がないのであって、八十七号条約を批准するためには、団結権を制限しておるところの日本の法律を撤廃し、それから団結権の制限に足らないところの法の整備をはからなければならぬ。これがとりもなおさず、関連国内法の整備の問題ではないかと思う。そこで労働大臣にお尋ねしたいことは、団結権の保障をILOに約束するという角度で、いま政府から提出されておる政府原案というものはできておるかどうか、この点を承っておきたいと思うのであります。
大
大橋武夫#3
○大橋国務大臣 ILO八十七号条約を批准するに際しまして、国内法改正といたしましては、まず第一に、国内法の現在の条項がILO八十七号条約に直接抵触をいたしますものがございます。これはたてまえ上当然、どうあっても改正を要するわけでございます。次に、ILO八十七号条約の趣旨を国内において一そうよく徹底せしめるために、現行国内法の改正を適当とする条項がございます。これも改正をすることが、ILO八十七号条約の批准に伴いまして、当然要請される次第でございます。こうした事柄を包括いたしまして、現行の政府案の諸規定が整備されておる次第でございます。
この発言だけを見る →野
野原覺#4
○野原(覺)委員 ただいまの御答弁でございますが、実はこの問題についても、たくさんの委員の皆さん方によって御論議がかわされておるのであります。いま大橋労働大臣によれば、団結権を制限しておる、そのところは明らかに撤廃をする。つまり団結権を解放するのだ。おそらくこれは公労法の四条三項、地公労法の五条三項、ないしは公労法の四条一項ただし書き等をさすのではないかと私は思いますけれども、私に言わしめれば、いま政府から出されておる政府原案なるものは、実は団結権の解放に名をかりた便乗的な団結権の制限を、むしろつけていっておる。これは八十七号条約の批准とはおよそ逆の方向をとっておるものが、政府原案ではないかと私は見ておるのであります。いまから少しくその理由を申し上げてみたいと思う。
まず第一には、公労法の四条三項と地公労法の五条三項は、団結権の解放のために、どうしてもこれは撤廃しなければならぬ、このことは当然でございます。団結権の制限立法と明らかに銘打たれておるものでございまするから、これを廃止することは当然です。ここはまあ問題はございません。政府原案も廃止しておるわけであります。
ところが、公労法の四条一項ただし書きの廃止あるいは公労法四条三項の廃止に関連する公務員法改正の措置を見るというと、問題がある。たとえば公労法の場合には、四条一項のただし書きを廃止するけれども、労働組合法二条一号の準用と、こうしておきながら、公務員法の改正においては、労組法の二条一号を持ってこないで、せっかく廃止をした公労法四条一項ただし書きを今度の公務員法の改正の政府原案にすりかえておる。これは公労協と官公労、つまり公務員と三公社五現業の諸君は違うのだというような考え方に立っておりまするけれども、これは明らかに形式的な団結権の解放ということになる、はなはだ煮え切らないところのやり方であります。
その次に、第三の理由として申し上げたいことは、今度の政府原案では管理職組合制度をつくっておるでしょう。こういうことは一体必要があるのかどうか。管理職組合制度をつくるということは、なるほど管理職の諸君が組合をつくるという場合にはつくれるけれども、これをつくらなければならぬといったような規制のしかた、それから管理職の者が、私は一般職の組合に残りたい、たとえば学校の教頭の諸君が、いやぼくは日教組に残りたいのだと言う、日教組の皆さんも、教頭の諸君は残したいのだと言う、そういう場合には私は残してもいいのではないかという見解を持っておるけれども、そういうこともできなくしてしまっておるのであります。どうしてもその組合が、来ては困ります、また本人も行きたくないと言うならば、そういう人は管理職組合制度をつくってもよいのではないかと思うけれども、本人が一般職の組合に残りたいと言うし、一般職の諸君も、その人は入ってもらいたいのだと言っておる場合には、何ら組合の自主性を阻害するものではないのです。これがILOの考え方ですけれども、機械的、形式的に管理職組合制度をつくるというようなことを打ち出しておる。あるいはまた交渉のやり方に対しても、団結権の解放を形式的にやったその代償として交渉の制限をやっておる。在籍専従、チェックオフの禁止にしてもそうです。なるほどこれは、組合の自主性、あるいは組合がその外部団体、第三者の介入を阻止するというような考え方から、一応ILOでも触れてはおりますけれども、私は今度の政府原案のような形でこれを残さなければならぬ理由はないと思うのです。
その次に申し上げたいことは、労働基本権の制限ということが全く放任されておる。八十七号条約の批准はもとよりストライキ権には触れないことは、私も承知しております。しかしながら、争議権に触れないことは私は承知しますけれども、今日、公労法においても、公務員法においても、争議権は否認をいたしております。このことも私は承認しておりますが、しかし、八十七号条約のねらっておるのは、一応争議権には触れないけれども、団結権の禁止を解いて、いずれは、いつの日にか、近い機会に労働者の労働基本権というものは尊重していこうじゃないか、けれども世界の加盟国のそれぞれの事情があるから、いま一挙には争議権には入れないけれども、団結権だけにとどめるけれども、いずれは争議権の否認という、この点については手を加えなければならぬというのが、ILOの考え方なんですね。そういう点からいけば、この八十七号条約を批准するにあたって、ますます争議権の否認を強めてきておるということは、私はどう考えても理解ができないのです。一そう強めてきておる。ことに問題は地公法上の登録と関連することでございますが、連合体が事実上否認をされておるというこの重要な点は見のがせないと思う。連合体というものは事実上否認をされておる。たとえば事実上の団体として中央交渉も認めないといったような考え方、そういうことにきておることは、最近の百十三号の勧告とか、あるいはILOでそれぞれの専門家委員会が付した意見などから考えてみると、およそ逆の方向をたどっておるのであります。このことは議論になりますから、あえて答弁は要求いたしませんけれども、私どもはそういうように遺憾ながら今度の政府原案を見ざるを得ないのであります。
そこで労働大臣にお尋ねをいたしますが、労働基本権を保障するということはどういうことでございましょう。
この発言だけを見る →まず第一には、公労法の四条三項と地公労法の五条三項は、団結権の解放のために、どうしてもこれは撤廃しなければならぬ、このことは当然でございます。団結権の制限立法と明らかに銘打たれておるものでございまするから、これを廃止することは当然です。ここはまあ問題はございません。政府原案も廃止しておるわけであります。
ところが、公労法の四条一項ただし書きの廃止あるいは公労法四条三項の廃止に関連する公務員法改正の措置を見るというと、問題がある。たとえば公労法の場合には、四条一項のただし書きを廃止するけれども、労働組合法二条一号の準用と、こうしておきながら、公務員法の改正においては、労組法の二条一号を持ってこないで、せっかく廃止をした公労法四条一項ただし書きを今度の公務員法の改正の政府原案にすりかえておる。これは公労協と官公労、つまり公務員と三公社五現業の諸君は違うのだというような考え方に立っておりまするけれども、これは明らかに形式的な団結権の解放ということになる、はなはだ煮え切らないところのやり方であります。
その次に、第三の理由として申し上げたいことは、今度の政府原案では管理職組合制度をつくっておるでしょう。こういうことは一体必要があるのかどうか。管理職組合制度をつくるということは、なるほど管理職の諸君が組合をつくるという場合にはつくれるけれども、これをつくらなければならぬといったような規制のしかた、それから管理職の者が、私は一般職の組合に残りたい、たとえば学校の教頭の諸君が、いやぼくは日教組に残りたいのだと言う、日教組の皆さんも、教頭の諸君は残したいのだと言う、そういう場合には私は残してもいいのではないかという見解を持っておるけれども、そういうこともできなくしてしまっておるのであります。どうしてもその組合が、来ては困ります、また本人も行きたくないと言うならば、そういう人は管理職組合制度をつくってもよいのではないかと思うけれども、本人が一般職の組合に残りたいと言うし、一般職の諸君も、その人は入ってもらいたいのだと言っておる場合には、何ら組合の自主性を阻害するものではないのです。これがILOの考え方ですけれども、機械的、形式的に管理職組合制度をつくるというようなことを打ち出しておる。あるいはまた交渉のやり方に対しても、団結権の解放を形式的にやったその代償として交渉の制限をやっておる。在籍専従、チェックオフの禁止にしてもそうです。なるほどこれは、組合の自主性、あるいは組合がその外部団体、第三者の介入を阻止するというような考え方から、一応ILOでも触れてはおりますけれども、私は今度の政府原案のような形でこれを残さなければならぬ理由はないと思うのです。
その次に申し上げたいことは、労働基本権の制限ということが全く放任されておる。八十七号条約の批准はもとよりストライキ権には触れないことは、私も承知しております。しかしながら、争議権に触れないことは私は承知しますけれども、今日、公労法においても、公務員法においても、争議権は否認をいたしております。このことも私は承認しておりますが、しかし、八十七号条約のねらっておるのは、一応争議権には触れないけれども、団結権の禁止を解いて、いずれは、いつの日にか、近い機会に労働者の労働基本権というものは尊重していこうじゃないか、けれども世界の加盟国のそれぞれの事情があるから、いま一挙には争議権には入れないけれども、団結権だけにとどめるけれども、いずれは争議権の否認という、この点については手を加えなければならぬというのが、ILOの考え方なんですね。そういう点からいけば、この八十七号条約を批准するにあたって、ますます争議権の否認を強めてきておるということは、私はどう考えても理解ができないのです。一そう強めてきておる。ことに問題は地公法上の登録と関連することでございますが、連合体が事実上否認をされておるというこの重要な点は見のがせないと思う。連合体というものは事実上否認をされておる。たとえば事実上の団体として中央交渉も認めないといったような考え方、そういうことにきておることは、最近の百十三号の勧告とか、あるいはILOでそれぞれの専門家委員会が付した意見などから考えてみると、およそ逆の方向をたどっておるのであります。このことは議論になりますから、あえて答弁は要求いたしませんけれども、私どもはそういうように遺憾ながら今度の政府原案を見ざるを得ないのであります。
そこで労働大臣にお尋ねをいたしますが、労働基本権を保障するということはどういうことでございましょう。
大
大橋武夫#5
○大橋国務大臣 労働基本権は、憲法二十八条によりまして、勤労者の権利として団結権、団体行動権の保障規定がございます。しかしながらこの憲法上の解釈といたしまして、これらの基本的権利の行使に際しましては、公共の福祉を阻害することのないようにするということが要請されておるわけなのでございます。したがいまして、これらの基本権の保障というものは、公共の福祉を阻害しないという範囲内において保障さるべきものだというのが、基本権の本来の性質であると思うのでございます。さらに、公務員その他公共の業務に従事いたす者につきましては、これらの方々はその職業上の性質といたしまして、当然職務に専念する義務があるのでございまして、このことは全国民の奉仕者たる立場において要請されておるのでございますから、この根本的な性格から考えましても、当然基本権の制限というものは伴わざるを得ない、かように私どもとしては考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →野
野原覺#6
○野原(覺)委員 基本権の制限が伴わなければならぬということは、おそらく争議権をさしておるのじゃないかと私は思う。これは団結権、団体交渉権、団体行動権と三つに分けて考えた場合に、なるほど争議権というものは、これは大臣が御承知のように、公労法でも公務員法でも今日制限をされておる。これが制限をされておる理由は、申し上げるまでもなく、全体の奉仕者とか、あるいは公共の福祉の範囲内といったような憲法上の制限でなされておることも、私はよく知っております。実はそういうことは私は聞いていないのです。ILOが労働基本権保障の方向を目ざしておると私は思いますが、いかがですか。
〔安藤委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕
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大
大橋武夫#7
○大橋国務大臣 もとより公共の福祉の範囲内において、また公務員たる本来の性格と矛盾しない範囲内において、ILOが団結権、団体行動権の拡大に向かいつつあるということは、これはお説のとおりであると存じます。
この発言だけを見る →野
大
大橋武夫#9
○大橋国務大臣 政府といたしましては、勤労者の権利は逐次拡大すべきものであるという基本的な考え方に立っておるのでございまして、この立場に立って団結権の保障を内容とする八十七号条約を批准しようといたしておるのであり、そしてその線に沿いまして、公労法、地公労法等を改正いたしまするとともに、国家公務員法、地方公務員法を改正いたしまして、団結権の範囲、団体交渉権の範囲の拡大並びに擁護という方向を目ざしておる次第でございます。
この発言だけを見る →野
野原覺#10
○野原(覺)委員 労働基本権の保障の方向をILOが目ざしておる、そのことは政府もよく知っておるから、労働基本権が保障されるように、政府としては逐次その基本権が拡大されるような方向をとらなければならないと思う、そのおことばやまことにけっこうです。しかし、今度出された政府原案は何ですか。逐次拡大の方向はとってはありませんね。何もとってない。このことはだんだん明らかにしていきましょう。
八十七号条約は、これは大臣御承知のように、一九四八年にILOで採択されたものである。一九四九年、その翌年には九十八号が採択になった。結社の自由条約が八十七号で、団結権、団交権の条約が九十八号ということになっている。これはILOで、いまから十何年も前に採択したわけです。そしてこの二つの条約は、特に八十七号においては、すべての公務員に適用されるということも、これははっきり条文の中にうたい込んでいる。ところが、この二つだけでは不十分だというので、ILOでは一九五一年に協約締結の勧告を出したのです。幾ら結社の自由が認められ、団結権が保障されても、協約締結がされない限りこれは意味がないじゃないか。力にならないじゃないかということで、協約締結の勧告が五一年、いまから十二年前に出されておる。しかも協約締結だけでもだめだ、もし紛争が起こった場合には、争議権が否認されておるこの事態においては、調停勧告を認めてやらないことには、ほんとうの意味の団結権の保障にはならない。団結権とは、ただかたまるということだけではない。団結権とは言うまでもなく、団結をして権利を行使するということなんです。給与と勤務条件については労働者としての言い分をあくまでも主張できる裏づけをするためには、ただいま申し上げました協約締結だけでは足りないのであって、争議権が禁止されておるのだから、調停に関する勧告が同じく一九五一年に出ておる。ところが労働大臣、いかがですか、今度の政府原案を拝見いたしますと、依然として協約の締結に関することはどこにも出ておりません。それからまた、人事院とかあるいは仲裁委員会というものが公務員なり三公社五現業の諸君にございますけれども、これの強化ということは、今度の改正原案にどこにも出てない。ILOの考えたのは、結社の自由の八十七号、第二は団結権、団交権の九十八号、第三は協約の締結、第四には調停です。協約と調停とは、これは勧告の形で打ち出しておる。この四つのものが打ち出されないことには、労働基本権の保障にならないのです。政府は労働基本権保障のために逐次拡大の方向をたどるというならば、政府原案の中に八十七号の形式的な批准だけ要求しないで、なぜ国内法の整備の中に協約の締結なり、あるいは人事委員会の強化あるいは仲裁委員会に実力を持たせるというような措置をとらないのか、いかがですか。
この発言だけを見る →八十七号条約は、これは大臣御承知のように、一九四八年にILOで採択されたものである。一九四九年、その翌年には九十八号が採択になった。結社の自由条約が八十七号で、団結権、団交権の条約が九十八号ということになっている。これはILOで、いまから十何年も前に採択したわけです。そしてこの二つの条約は、特に八十七号においては、すべての公務員に適用されるということも、これははっきり条文の中にうたい込んでいる。ところが、この二つだけでは不十分だというので、ILOでは一九五一年に協約締結の勧告を出したのです。幾ら結社の自由が認められ、団結権が保障されても、協約締結がされない限りこれは意味がないじゃないか。力にならないじゃないかということで、協約締結の勧告が五一年、いまから十二年前に出されておる。しかも協約締結だけでもだめだ、もし紛争が起こった場合には、争議権が否認されておるこの事態においては、調停勧告を認めてやらないことには、ほんとうの意味の団結権の保障にはならない。団結権とは、ただかたまるということだけではない。団結権とは言うまでもなく、団結をして権利を行使するということなんです。給与と勤務条件については労働者としての言い分をあくまでも主張できる裏づけをするためには、ただいま申し上げました協約締結だけでは足りないのであって、争議権が禁止されておるのだから、調停に関する勧告が同じく一九五一年に出ておる。ところが労働大臣、いかがですか、今度の政府原案を拝見いたしますと、依然として協約の締結に関することはどこにも出ておりません。それからまた、人事院とかあるいは仲裁委員会というものが公務員なり三公社五現業の諸君にございますけれども、これの強化ということは、今度の改正原案にどこにも出てない。ILOの考えたのは、結社の自由の八十七号、第二は団結権、団交権の九十八号、第三は協約の締結、第四には調停です。協約と調停とは、これは勧告の形で打ち出しておる。この四つのものが打ち出されないことには、労働基本権の保障にならないのです。政府は労働基本権保障のために逐次拡大の方向をたどるというならば、政府原案の中に八十七号の形式的な批准だけ要求しないで、なぜ国内法の整備の中に協約の締結なり、あるいは人事委員会の強化あるいは仲裁委員会に実力を持たせるというような措置をとらないのか、いかがですか。
大
野
野原覺#12
○野原(覺)委員 一体どこが実質的拡大でしょうね。ただいま申し上げたように、労働基本権の保障は四つだ。協約締結がどこにありますか。それから調停機関の強化といいますか、代償措置にもっと強い権限を持たせるという配慮が公務員法のどこにあるのか教えてください。
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大橋武夫#13
○大橋国務大臣 まず協約の問題でございまするが、協約につきましては、たびたび申し上げておりまするとおり、公務員の勤労条件につきましては、おおむね法律に規定いたしておる事柄でございまするので、これを協約によりまして改正するというわけには参りません。したがいまして、公務員と政府との間に締結される団体協約には、これに通常の法律上の効力を与えるべき事柄ではないと考えまして、従来のたてまえを踏襲いたし、法律上の効果を与えないというたてまえをとっておるわけなのでございます。しかしながら、同時に政府原案におきましては、従来国家公務員全体の交渉に際しまして、政府の窓口となるべき機構が用意されておらなかったのでございまするが、このたびは人事局を新たに設けることによりまして、公務員全体を単位といたしました団体交渉においては、これが実質的の窓口として公務員の団体行動を実質上拡大、擁護する効果をねらっておる次第でございます。
この発言だけを見る →野
野原覺#14
○野原(覺)委員 そういたしますと、つまり政府が考えておるように人事局が設置される、今度の改正原案が通ると。こういうことになれば国家公務員には、これは私どもの党の田口君が質問しておりましたが、協約締結権は与えますね。いまのあなたの御答弁によると、当然与えなければなりませんよ。しかもILOは協約締結を強く勧告しておる。あなたは労働基本権の保障の方向を歩くんだ、こう言っておるのですから、三つ総合いたしますと、これは与えなくちゃなりませんね。与えることを期待していいですね。
この発言だけを見る →大
大橋武夫#15
○大橋国務大臣 現在の政府案におきましては、人事局を設置いたし、そして公務員に対する交渉の道を事実上開くということが規定されてあるわけであります。協約締結につきましては、従来からのたてまえ、すなわち団体協約に対しては法律上の効力を認めないというたてまえをとっておるのでございまして、将来団体協約を認めるかどうかということ、すなわち法律上有効なる団体協約の締結を認めるかどうかという問題は、将来の問題であると考えます。
この発言だけを見る →野
野原覺#16
○野原(覺)委員 そういたしますと、人事局をつくることがどうして基本権の保障になりますか。私は、基本権の保障でいまお尋ねをしておるんだ。そうしたらあなたは、人事局をつくる、こういう御答弁をなされたのです。なるほど、人事局ができたら基本権の保障になるんだろうかな。そこで私の頭に浮かんだことは、協約締結ということを考えて人事局をつくる。それならば基本権の保障にこれはなる。しかし協約締結はだめだ。人事局だけつくるんだ。こんなものが基本権の保障になりますか。窓口を一本化して、専門家を置いて組合を押えつけるだけじゃありませんか。つまり組合を締めつけるだけじゃありませんか、人事局をつくるというのは。人事局をつくる場合には、その裏打ちとしては協約の締結、ILOが一九五一年に勧告している、いまから十三年前に。日本は常任理事国なんですね、労働大臣。あなたのおことばによると、逐次拡大の方向をとるんだ。それなら協約締結をなぜ認めないかという主張は、決してむちゃじゃないでしょう。それならば私どもは、人事局については再考できます。そうして、人事局をつくるという政府の趣旨もうなずけます。局はつくるわ、協約は依然として締結させぬのだ、こういうことになるとお話にならぬのです。それからまた、同じく一九五一年の調停に関する勧告でもそうなんです。とにかくいずれにしても、今度の政府原案というものは、私はこういう議論をいまさら繰り返す時点じゃないから申し上げませんけれども、なっていません。はっきり言って、いま出されておる政府の原案はなっていない。なぜなっていないか、労働基本権の保障と逆をいっておる。これは労働大臣御不満でしたら、大いにひとつ反駁をしてもらいたい。
そこで次にお尋ねいたしますが、これは簡単なことですが、一ぺん御見解を承っておきたいと思うのです。
八十七号条約とは、結社の自由と団結権の保障に関する条約と書いておるのです。結社の自由ということと団結権の保障という。この二つの概念はどういうように違うのでしょうか。どういうように理解したらよいのでしょうか。これが一つ。
第二点は、九十八号条約を見ると、これは団結権と団体交渉権に関する条約、この九十八号の団結権と八十七号の団結権とはどう違うのでしょうか。
この発言だけを見る →そこで次にお尋ねいたしますが、これは簡単なことですが、一ぺん御見解を承っておきたいと思うのです。
八十七号条約とは、結社の自由と団結権の保障に関する条約と書いておるのです。結社の自由ということと団結権の保障という。この二つの概念はどういうように違うのでしょうか。どういうように理解したらよいのでしょうか。これが一つ。
第二点は、九十八号条約を見ると、これは団結権と団体交渉権に関する条約、この九十八号の団結権と八十七号の団結権とはどう違うのでしょうか。
大
大橋武夫#17
○大橋国務大臣 まず先ほどの、今度の政府案は、団結権並びに団体行動権を締めつけていこうという規定ではないかというお説でございますが、これは政府の意図するところと全く反する御意見であるということを重ねて申し上げる次第であります。
次に、結社の自由ということと団結権の保障ということの意味のお尋ねでございます。また、団体交渉に関する条約における団結権の意味でございまするが、政府委員から申し上げるようにいたします。
この発言だけを見る →次に、結社の自由ということと団結権の保障ということの意味のお尋ねでございます。また、団体交渉に関する条約における団結権の意味でございまするが、政府委員から申し上げるようにいたします。
三
三治重信#18
○三治政府委員 結社の自由は政府、公権力を持っているところからの結社の自由でございまして、たとえば法律、命令ということによって結社の自由を保障する。すなわち役員選出の自由を制限するような法律はつくらない。そういう意味において結社の自由というふうにいわれております。団結権の自由は労使双方の、使用者対労働者という関係、国の公権力が支配しない労使の関係における相互の不介入とか、そういう相手を互いに片方の力で制限をするというようなことをしないという意味における団結権の保護というふうに使い分けております。したがって八十七号条約にいう団結権、九十八号条約にいう団結権、これは団結権は同じ意味において労使双方に、お互いに相手を力でもって制限するというようなことがないような措置ということでございます。
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野原覺#19
○野原(覺)委員 政府原案がなっていないという問題は、これは労働大臣、御意見がありましたが、私は納得できません。これは逐次明らかにいたしていきます。
それから、ただいまの政府委員の御答弁でありますが、結社の自由というのは政府に対する関係での労使の団結権だ、それからここで団結権と条約でうたっておるのは、ただ労使相互間の労働者の団結権だ、こういう御答弁です。そうなってきますと、これはよくわかりますが、つまり結社の自由ということは、労働者と政府の関係、被用者と政府の関係、つまり公権力者との関係における団結権だ、政府に対する関係での労働者の団結権であり、政府に対する関係での被用者の団結権、政府を対象にしておる、公権力というものを対象にしておる、それが結社の自由という表現でなされておる、使用者と労働者の関係が団結権だ、こういう御答弁のように私は理解をいたしました。
そこで、その理解の上に立ってお尋ねをいたしますが、先ほど申し上げたように、ILOは四つの規範を打ち出しておるりです。結社の自由といっても、これは団結権だ。それから団結権という場合は、言うまでもなくこれは団結権なんです。だから労働者の団結権を保障するという場合には、これは広い意味では八十七号と九十八号を一体にして考えなくちゃならぬわけですね。そこでその団結権の保障とは何かという裏打ちに、ILOが四つ打ち出したのでしょう。一つが八十七号、二つ目が九十八号、三つ目が協約締結の勧告、四つ目が調停機関を強化せよという調停の勧告、調停制度をぜひつくれ、この四つの規範が充足されない限り、真の意味の労働者の団結権の保障にはならぬと私は思うのです。この点いかがですか、労働大臣。
この発言だけを見る →それから、ただいまの政府委員の御答弁でありますが、結社の自由というのは政府に対する関係での労使の団結権だ、それからここで団結権と条約でうたっておるのは、ただ労使相互間の労働者の団結権だ、こういう御答弁です。そうなってきますと、これはよくわかりますが、つまり結社の自由ということは、労働者と政府の関係、被用者と政府の関係、つまり公権力者との関係における団結権だ、政府に対する関係での労働者の団結権であり、政府に対する関係での被用者の団結権、政府を対象にしておる、公権力というものを対象にしておる、それが結社の自由という表現でなされておる、使用者と労働者の関係が団結権だ、こういう御答弁のように私は理解をいたしました。
そこで、その理解の上に立ってお尋ねをいたしますが、先ほど申し上げたように、ILOは四つの規範を打ち出しておるりです。結社の自由といっても、これは団結権だ。それから団結権という場合は、言うまでもなくこれは団結権なんです。だから労働者の団結権を保障するという場合には、これは広い意味では八十七号と九十八号を一体にして考えなくちゃならぬわけですね。そこでその団結権の保障とは何かという裏打ちに、ILOが四つ打ち出したのでしょう。一つが八十七号、二つ目が九十八号、三つ目が協約締結の勧告、四つ目が調停機関を強化せよという調停の勧告、調停制度をぜひつくれ、この四つの規範が充足されない限り、真の意味の労働者の団結権の保障にはならぬと私は思うのです。この点いかがですか、労働大臣。
大
三
三治重信#21
○三治政府委員 先生の言われます四つの問題点は同格ではございませんので、八十七号、九十八号は条約になっております。この条約は加盟国が、批准した場合に拘束力を受けるわけでございます。したがって条約を批准しなければ、その国は拘束力を受けないわけであります。勧告はそういう拘束力の関係がなくて、非常に一般的にそれが一つの到達目標になる。条約は批准しますと、それが最低保障として、その条約を批准した国は、それだけの条約を最低基準として、法律その他の措置で保障しなければならない。こういうふうな差があるわけでございます。ただ八十七号条約につきましては、大臣もたびたび申されておりますように、一番重要だといわれておりますのは、ILO憲章の結社の自由というものが非常に強くうたわれているから、加盟国としてはことに八十七号条約を批准するという姿勢が必要だ、こういうことでございます。したがって勧告は条約に至らない、したがって各国それぞれ、そのきめられたことを各国の状況に応じてよきをとり、またさらに、その進歩した段階でそれをとっていくということでございまして、一応尊重のたてまえはとるのは当然でございますけれども、直ちに勧告というものを完全実施しなければならない、または、その趣旨に反することがあるのを直ちに廃止しなければならないというような性質のものではないと心得ております。
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野原覺#22
○野原(覺)委員 私はそういうことを聞いていないのです。労働大臣、今度はあなたにお尋ねします。いまの政府委員の御答弁は不満だ。私がお尋ねをしておることは、労働者の団結権の保障という場合には団結権、団体交渉、協約締結、調停勧告、この四つの機能が考えられるわけです。つまり労働者が団結をして、その団結をしたところの具体的な発動が、要求を出して団体交渉の形をとるわけでしょう。ただ団体交渉をやったって、これはだめなんです。そこでその裏打ちをどこでつけるかといえば、協約締結ということになる。ところが労働者、使用者の双方が協約の履行を相手がしないじゃないかという場合に、協約に違反しているじゃないかという場合に、調停勧告の問題が出てくる。だから争議権は一応たな上げにしてでも、この団結権と団体行動権と協約締結と調停勧告、この四つのものを考えないと、ほんとうの団結権の保障にならぬじゃないかと聞いておるのですよ。この四つの規範を取り入れたところのものがほんとうの意味の団結権の保障ではないか、そう聞いておるのですよ。私は条約と勧告の概念上の違いを聞いたりなんかしておりません。この点はいかがですか。
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大橋武夫#23
○大橋国務大臣 お趣旨のとおりの考え方でよろしいと思います。ただお断わりしなければならぬ点は、現在のわが国の制度におきましては、公務員及びこれに準ずる人々につきましては、団結権、団体行動権の完全なる保障ということはできていないわけでございまして、それというのは公共の福祉並びに公務員の性格に基づく当然の制限があるからでございます。かような意味におきまして、このたびの政府原案におきましても、いま野原委員のお述べになりましたような四つの事項を、公務員に完全に認めるということにはなっておらないことを御承知いただきたいと思います。
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野原覺#24
○野原(覺)委員 そういう御答弁では、大橋さんらしくもありませんね。では、あなたにお尋ねしますよ。協約の締結を考えて、どうしてこれが公共の福祉に関係があるのですか。お互いの約束を締結する協約締結ということが、公共の福祉とどこで一体関係するのですか。それから調停勧告、調停機関を充実する、仲裁機関を充実する、実力を持たせるということが、公共の福祉のどこに関係があるのですか、御説明願いたい。
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大橋武夫#25
○大橋国務大臣 先ほど来申し上げましたごとく、公務員の勤務条件につきましては、給与を含めましておおむね法律によって直接の規定を見ておる次第でございます。したがいまして法律という、国の最高機関であります国会の意思によって制定された事項につきましては、団体協約の締結を認めない、すなわち、法律上有効なる協約締結権を認めないということが、法制上適当であると考える次第であります。
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野原覺#26
○野原(覺)委員 なかなかお苦しい答弁のようですね。法律があるから協約の締結をさせぬ、そういう論理は私は初めて承る。法律で規定されておるからなぜ協約の締結ができないのか。法律で規定されておることは、法律で解決しましょう。しかし労使間の問題というものは、法律規定外のことが起こるじゃありませんか。私は一々例は申し上げません、御賢明な労働大臣はおわかりだろうと思う。話し合ったことはまとめようじゃありませんか、それが法律に抵触したら、それは法律に委任しようじゃありませんか。それは法律にあるからということで、労働者だって納得いたしますよ。それならば、どうして協約締結が公共の福祉に関係ありますか、いかがですか。
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大橋武夫#27
○大橋国務大臣 協約の締結につきましては、事案上約束をするということはあるでございましょう。しかしながら、この協約について法律上の拘束力を認めないというたてまえをとっておるわけなのでございます。実際上労働組合の代表者と政府の代表者が話し合ってある了解に達したという場合におきましては政府というものの立場から考えまして、当然それは実行されるであろうということが予測できる次第でございまして、あえてこれに法律上の拘束力を認め、裁判上の問題にして強制をするという何らの必要はない、こう思うのでございます。いわゆる紳士協約で十分である、これが現在の公務員法の趣旨であろうと考えます。
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野原覺#28
○野原(覺)委員 紳士協約で十分ならばILOは勧告しないですよ。お互いが話し合ったことをお互いが精神的にこれをかたく、まあ道義的にかたくこれを信頼し合い、信頼の上につながって守れるような単純なものならば何も労働問題というのは起こる余地はないですよ。そうじゃない。だからして私は、これは労働大臣何と言われても、あなたの御答弁には矛盾がある。労働基本権の保障を政府は目的としておるのだと言いながら、協約の締結は困ると、こう言う。労働基本権の保障を目的とするなら協約の締結を考えるべきだ、こう質問いたしましたら、いや日本は法治国家で法律があるから要らぬと、こう言う。法律があったって法律の規定しないところのさまつなたくさんな問題があるじゃないか、それが労使間の問題になるんじゃないかと言ったら、いやそれは紳士協約でいけばいいんだ。ところが紳士協約でいけばいいならILOは勧告しないですよ。そんなものはいまから二千年前にも行なわれたことなんですよ、紳士協約なんというものは。人間の世界にはそれは紳士協約というものは何も法律の裏づけなしにこれはできることなんだ。そういう簡単にいかないから、やはり協約締結というものをILOが一九五一年に勧告したゆえんのものは、ここの裏づけをしないことには事はうまく運ばないぞ——運ばないぞじゃなしに、ほんとうの意味の労働者の要求というものはこれは実現できないじゃないか、依然として労働者は奴隷状態、低賃金、つまりILOの存立の方向と逆の状態に置かれるじゃないかというので設けたのでございましょう。これはぜひお考え願いたいのです。まあ政府原案を出されておるお手前上、なかなかお苦しいかと思いまするけれども、私はこの点は考えてもらわなければいかぬと思いますよ。
それからもう一点、事のついでに、調停勧告、調停に対する勧告をお考えにならないというのはこれはどういうわけですか。調停勧告の、調停機関の強化を考えたう公共の福祉に反しますか。いかがですか。
この発言だけを見る →それからもう一点、事のついでに、調停勧告、調停に対する勧告をお考えにならないというのはこれはどういうわけですか。調停勧告の、調停機関の強化を考えたう公共の福祉に反しますか。いかがですか。
大
大橋武夫#29
○大橋国務大臣 法令にあることだから協約締結を認めない理由にはなるまいと、そこで私は紳士協約でよかろうと言ったのに対して、紳士協約でいいことならILOが勧告するはずはない、こういうふうにおっしゃいましたが、確かに紳士協約でいい事柄についてILOは勧告する必要はないのでございまして、また事実勧告もいたしておりません。というのは公務員に対しましてはこの九十八号条約というものは適用ないわけでございまして、私どもはILOといえども公務員についてはわれわれと同じ見解をとっておると確信をいたしておる次第でございます。
それからもう一つの調停機関の点でございますが、公務員と政府間の諸問題につきましては従来から調停機関という役割りを人事院が持っておるのでございまして、この人事院は引き続きその役割りを担当いたすことになっておりまするが、私どもはこの際その点に特に手を加える必要はない、こう考えた次第であります。
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