野原覺の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)
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○野原(覺)委員 紳士協約で十分ならばILOは勧告しないですよ。お互いが話し合ったことをお互いが精神的にこれをかたく、まあ道義的にかたくこれを信頼し合い、信頼の上につながって守れるような単純なものならば何も労働問題というのは起こる余地はないですよ。そうじゃない。だからして私は、これは労働大臣何と言われても、あなたの御答弁には矛盾がある。労働基本権の保障を政府は目的としておるのだと言いながら、協約の締結は困ると、こう言う。労働基本権の保障を目的とするなら協約の締結を考えるべきだ、こう質問いたしましたら、いや日本は法治国家で法律があるから要らぬと、こう言う。法律があったって法律の規定しないところのさまつなたくさんな問題があるじゃないか、それが労使間の問題になるんじゃないかと言ったら、いやそれは紳士協約でいけばいいんだ。ところが紳士協約でいけばいいならILOは勧告しないですよ。そんなものはいまから二千年前にも行なわれたことなんですよ、紳士協約なんというものは。人間の世界にはそれは紳士協約というものは何も法律の裏づけなしにこれはできることなんだ。そういう簡単にいかないから、やはり協約締結というものをILOが一九五一年に勧告したゆえんのものは、ここの裏づけをしないことには事はうまく運ばないぞ——運ばないぞじゃなしに、ほんとうの意味の労働者の要求というものはこれは実現できないじゃないか、依然として労働者は奴隷状態、低賃金、つまりILOの存立の方向と逆の状態に置かれるじゃないかというので設けたのでございましょう。これはぜひお考え願いたいのです。まあ政府原案を出されておるお手前上、なかなかお苦しいかと思いまするけれども、私はこの点は考えてもらわなければいかぬと思いますよ。
それからもう一点、事のついでに、調停勧告、調停に対する勧告をお考えにならないというのはこれはどういうわけですか。調停勧告の、調停機関の強化を考えたう公共の福祉に反しますか。いかがですか。