長谷川保の発言 (社会労働委員会)

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○長谷川(保)委員 社会保障研究所というようなものがあって、おくれておりまする日本の社会保障——なるほど日本の社会保障制度は長い間の私ども社会党の奮闘、それに対しまする与党諸君のまた時代の進展に対する歩調を合わせていくというような御理解、そういうところから、なるほど社会保障の各種の種類の芽は一応できてきたのでありますけれども、その内容がきわめて貧弱であるということは、御承知のとおりであります。たとえば、私は五年前にアメリカの社会保障を研究に二カ月ばかりまいったのでありますけれども、そのときに私は、アメリカの社会保障というものはそんなに進んでおらぬと考えておったのが、実に意外だったのは、六十五歳以上の老人やあるいは身体障害者であれば、たとえば盲人の全部あるいは母子世帯、その他いかなる理由にもせよ、労働によって収入を得ることができない人々、いわゆる労働不能ということばで呼んでおりますけれども、この労働不能の人々にはことごとく一人について月百ドル、三万六千円を支給しているという制度を見てびっくりしたのであります。なるほど物価は日本よりもずっと高いのでありますけれども、住宅政策その他あらゆる政策がうしろにございまして、それに合わせてそういうような所得を補償する、生存費を補償するということが行なわれておりますために、親子心中しなければならぬというようなことはないのであります。それに対しまして日本の、たとえば福祉年金が千百円である、しかも七十歳以上であるというようなことでありますことは、いかにわが国の社会保障が実質的にまだまだほんとうの芽を出しただけであるかということを明らかにしているわけであります。したがいまして、世界の社会保障制度、欧米の社会保障制度をここで十分研究し、日本の社会保障制度をいかなる水準にまで持っていくべきであるかということを客観的に十分研究するという研究所ができますことは、私どものまことに待望しておったところであります。
 しかし、本法案を見ますと、私どもは初め、この社会保障研究所法案というものが提出されるということを知ったときに、ようやく社会保障制度審議会の勧告や答申が実を結んだなということで非常に喜んだのでありましたけれども、残念ながら、私が直ちに予算書を調べてみましたところ、予算書の中にその項目がないのであります。一体どこでするのかと思って本委員会で審議を聞いておりましたら、結局補助金でするというのであります。一体私がこの研究所をつくりますについて非常な期待をかけますものは、相当大きな機関を整備いたしまして、そして日本の社会保障制度、これは今日私は政治の中心であると思うのであります。私どもは、厚生省というような名前よりも、むしろ社会保障省というような大きな省をつくるべきであると考えておりますように、本来社会保障制度というものは民主社会におきまする政治の中心的な部門であると考えておるのでありますけれども、また、民主社会を推進いたしまするための最も大きなとりでであると考えておるのであります。ところが予算書を見ますと、わずかの金で補助金でやるということにいかい失望を禁ぜざるを得なかったのであります。ただ、まずここで芽を出していくということであれば、私どもが今日の各種の日本の社会保障制度というものに芽を出すということで、将来それが大きな木になるという期待をかけて今日まで賛成をし進めてまいりましたように、これにもまた賛成をするという考え方を持つのであります。しかし、いかにもその予算が少な過ぎる、いかにも規模が小さ過ぎる、政治の中心的な部門を果たすところのその推進力となる足場となるものでありますから、もっと予算的な大きな配慮をし、大きな構想を持ってこれを進めるべきであると思うのであります。このことについては、同僚諸君もすでにお聞きをいたしましたし、また同僚諸君の質問と私の質問せんといたしておりましたことは多くの点ですでに重複をいたします。会期末、延長国会とはいいながら、期間も短いのでありますから、私重複したような質問をいましようとは思いません。ただ二、三の点において私の懸念いたしまするところをさらに伺っておきたいのであります。
 まず第一は、厚生省の機関とせず、補助金によるところの機関、特殊法人といたしましたその理由は一体いずこにあったのであるか、伺いたいのであります。

発言情報

speech_id: 104604410X04619640526_002

発言者: 長谷川保

speaker_id: 15990

日付: 1964-05-26

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会