社会労働委員会

1964-05-26 衆議院 全96発言

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会議録情報#0
昭和三十九年五月二十六日(火曜日)
   午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 田口長治郎君
   理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君
   理事 亀山 孝一君 理事 澁谷 直藏君
   理事 田中 正巳君 理事 河野  正君
   理事 小林  進君 理事 長谷川 保君
      伊東 正義君    浦野 幸男君
      大坪 保雄君    熊谷 義雄君
     小宮山重四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    橋本龍太郎君
      松浦周太郎君    松山千惠子君
      粟山  秀君    渡邊 良夫君
      亘  四郎君    伊藤よし子君
      大原  亨君    滝井 義高君
      八木 一男君    八木  昇君
      山口シヅエ君    本島百合子君
      吉川 兼光君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小林 武治君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
 出席政府委員
        厚生政務次官  砂原  格君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 梅本 純正君
        厚生事務官
        (保険局長)  小山進次郎君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      村上 茂利君
        労働基準監督官
        (労働基準局労
        災補償部長)  石黒 拓爾君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主税局税制第
        一課長)    山下 元利君
        厚生事務官
        (大臣官房審議
        官)      伊部 英男君
        専  門  員 安中 忠雄君
    —————————————
五月二十二日
 委員橋本龍太郎君辞任につき、その補欠として
 南條徳男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員南條徳男君辞任につき、その補欠として橋
 本龍太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 社会保障研究所法案(内閣提出第一〇七号)
 労働災害の防止に関する法律案(内閣提出第六
 号)
     ————◇—————
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田口長治郎#1
○田口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の社会保障研究所法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。長谷川保君。
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長谷川保#2
○長谷川(保)委員 社会保障研究所というようなものがあって、おくれておりまする日本の社会保障——なるほど日本の社会保障制度は長い間の私ども社会党の奮闘、それに対しまする与党諸君のまた時代の進展に対する歩調を合わせていくというような御理解、そういうところから、なるほど社会保障の各種の種類の芽は一応できてきたのでありますけれども、その内容がきわめて貧弱であるということは、御承知のとおりであります。たとえば、私は五年前にアメリカの社会保障を研究に二カ月ばかりまいったのでありますけれども、そのときに私は、アメリカの社会保障というものはそんなに進んでおらぬと考えておったのが、実に意外だったのは、六十五歳以上の老人やあるいは身体障害者であれば、たとえば盲人の全部あるいは母子世帯、その他いかなる理由にもせよ、労働によって収入を得ることができない人々、いわゆる労働不能ということばで呼んでおりますけれども、この労働不能の人々にはことごとく一人について月百ドル、三万六千円を支給しているという制度を見てびっくりしたのであります。なるほど物価は日本よりもずっと高いのでありますけれども、住宅政策その他あらゆる政策がうしろにございまして、それに合わせてそういうような所得を補償する、生存費を補償するということが行なわれておりますために、親子心中しなければならぬというようなことはないのであります。それに対しまして日本の、たとえば福祉年金が千百円である、しかも七十歳以上であるというようなことでありますことは、いかにわが国の社会保障が実質的にまだまだほんとうの芽を出しただけであるかということを明らかにしているわけであります。したがいまして、世界の社会保障制度、欧米の社会保障制度をここで十分研究し、日本の社会保障制度をいかなる水準にまで持っていくべきであるかということを客観的に十分研究するという研究所ができますことは、私どものまことに待望しておったところであります。
 しかし、本法案を見ますと、私どもは初め、この社会保障研究所法案というものが提出されるということを知ったときに、ようやく社会保障制度審議会の勧告や答申が実を結んだなということで非常に喜んだのでありましたけれども、残念ながら、私が直ちに予算書を調べてみましたところ、予算書の中にその項目がないのであります。一体どこでするのかと思って本委員会で審議を聞いておりましたら、結局補助金でするというのであります。一体私がこの研究所をつくりますについて非常な期待をかけますものは、相当大きな機関を整備いたしまして、そして日本の社会保障制度、これは今日私は政治の中心であると思うのであります。私どもは、厚生省というような名前よりも、むしろ社会保障省というような大きな省をつくるべきであると考えておりますように、本来社会保障制度というものは民主社会におきまする政治の中心的な部門であると考えておるのでありますけれども、また、民主社会を推進いたしまするための最も大きなとりでであると考えておるのであります。ところが予算書を見ますと、わずかの金で補助金でやるということにいかい失望を禁ぜざるを得なかったのであります。ただ、まずここで芽を出していくということであれば、私どもが今日の各種の日本の社会保障制度というものに芽を出すということで、将来それが大きな木になるという期待をかけて今日まで賛成をし進めてまいりましたように、これにもまた賛成をするという考え方を持つのであります。しかし、いかにもその予算が少な過ぎる、いかにも規模が小さ過ぎる、政治の中心的な部門を果たすところのその推進力となる足場となるものでありますから、もっと予算的な大きな配慮をし、大きな構想を持ってこれを進めるべきであると思うのであります。このことについては、同僚諸君もすでにお聞きをいたしましたし、また同僚諸君の質問と私の質問せんといたしておりましたことは多くの点ですでに重複をいたします。会期末、延長国会とはいいながら、期間も短いのでありますから、私重複したような質問をいましようとは思いません。ただ二、三の点において私の懸念いたしまするところをさらに伺っておきたいのであります。
 まず第一は、厚生省の機関とせず、補助金によるところの機関、特殊法人といたしましたその理由は一体いずこにあったのであるか、伺いたいのであります。
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梅本純正#3
○梅本政府委員 ただいまの御質問のこの研究所を厚生省の他の試験研究機関と同じように付属機関とするか、あるいは特殊法人とするかということにつきまして、この研究所の構想をまとめます段階におきまして、厚生省といたしましては相当研究いたしました。まず本研究所が従来あります研究所に比べまして、もっと基礎的な調査研究を行なう学問的な性格の強いものであるというふうに性格を考えまして、そういう学問的性格の強いという観点に着目いたしまして、やはり独立性の強いということと、できるだけ中立性を保つという点に重点を置いたのであります。そういう意味におきまして、付属機関といいますと御承知のように全部国家公務員ということで、試験研究機関である付属機関とはいいながら、やはり国家公務員的な上司、下僚という関係の指揮命令系統という形で運営されていきますので、そういう点からいきまして特殊法人のほうがいいのではないかという点、それからまた、特殊法人にしました場合には、給与その他の事業運用面でいわゆる付属機関よりも弾力的な活動を行ないやすいのではないかというふうな点、それからまた、今後国連その他国際機関からの援助がありました場合に、それを受け入れるということもわれわれは望んでおります。あるいは民間資金を受け入れて活動するというふうなことを考えました場合には、役所であってはむずかしいということで、こういう点からも特殊法人とすることが得策ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
 ついでに、先ほど申しました独立性、中立性という観点から申しました場合には、一つの議論として、民法の法人でいいじゃないかという議論も考えたわけでございますが、ただ完全に民間団体までにしてしまいますと、この研究所におきまして優秀な学者を得るという意味で、われわれは国立大学のいわゆる教育公務員である大学の教授連中との人事交流も必要ではなかろうかというふうに考えまして、国家公務員がそういう民間へ移ります場合に、例の恩給通算でありますとかそういうふうな関係がありまして、公務員の資格の継続をしておかないと、こういう人事交流がうまくいかない、すぐれた人物を得られないというふうな観点から、結局特殊法人が一番いいという考え方に到達して、特殊法人として研究所を発案した次第であります。
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長谷川保#4
○長谷川(保)委員 私はいま官房長からお答えのありました独立性と中立性を持たしていくということについて全く賛成であります。大きな目的としてそれがなされなければならぬと思うのであります。また必要によって民間資金や国連の援助等も受けるとか、国連との関係をつけていくとかということもまことによい構想だと思います。それにつきましては全く賛成であります。ただ、従来もあったことでありますけれども、私ども野党側からきびしい目で見ておりますと、どうも日本の社会保障学者で相当有名な方でも、社会保障制度審議会等におきます発言等を見ておりまして、残念ながら必ずしも学者的良心によって権威を持って発言をしておると思えないような場合が時にはあるのであります。つまり御用学者という、学者といたしましてはきわめて恥ずかしい態度ではないかと疑われる発言がしばしば目につくのであります。学者にいろいろ御尽力いただきますことは、これはいわゆる御用学者になっていただくためのものではないのであります。あくまでも国民の真実の福祉のために、正しい十分な学問的な裏づけのあります御意見を承りたいということでありますし、その上で御奉仕をお願いいたしておるわけであります。しかし、従来どうも見ておりますと、厚生省のほうの研究費の補助というようなところと学者諸君が結びつきまして、ともすれば厚生省の言いわけをするような御用学者的な発言ではないかと疑われるようなことが時になきにしもあらずであったわけであります。私は、今回の機関におきましても、いま官房長のおっしゃいましたそのところを貫いてもらいたいと思う。それは政府側でいろいろ発案なさいましても、あるいはどこが発案なさいましても、われわれ野党側が国民の立場に立ってきびしい批判をいたしますときには、しばしばそれが間違っておると思われることもなきにしもあらずであります。したがいまして、この研究所ができますならば、この研究所を真に権威あるものとするために、独立性を持たせ、中立性を持たせるということはこれはきわめて必要なことであります。いずれにいたしましても、補助金というような形でまいりますと、今日の官僚機構というものの弊害がしばしばそういうところにあらわれて、どうも厚生省の役人の言うことを聞かない、逆に都合の悪いことを言うというようなことであれば、補助金を必ずしも出さぬ。政府の悪口を言うようなことになりますれば、大蔵省は金を出すことを上のほうでとめるというようなこともあるのではないかと思うのであります。これは先年の厚生白書で、日本の社会保障制度を批判いたしましたような記事が載りました。これに対しまして閣議で問題にしたということを私どもは耳にし、新聞で見たのであります。しかし、なるほど内閣というもの、政府というものは統一されておらなければなりませんから、そういう立場もわからぬではありませんけれども、しかしながら、やはりあるがまま、に客観的に事実をえぐっていくところにそれが満たされてまいる、言いかえれば、直ちにそれが国民の福祉となっていくということができるのでありまして、やはり政府官公機関でありましても、えぐるところはえぐるべきである。それに対してくさいものにふたをするような態度は政治家としてはなすべきではない。みずからのやった政治でも、悪いところは悪いでえぐってもらう、そしてみずからの欠陥をそこで補っていくという態度をとらなければならぬわけであります。したがいまして、私はこの法案を見ておりまして、第十二条で国会議員が役員に就任することを禁止しております。これは確かに一面においてはなるほどとうなずけるのである。同時に、一面におきましては、こういうことによって野党的な発言を封ずる、研究所の政府の政策に対しまして、野党的な厳粛な、きびしくその欠陥を批判し、えぐっていくことを封ずるというようなこともまた起こってくるのである。でありますから、この第十二条の国会議員の役員就任を禁止するということも、一面にはよくわかりますが、同時にまた、その半面の欠陥である御用学者の巣になるというおそれもないではないと思うのであります。そこらの点を一体どういうようにお考えになっているか、これはまず根本的な大方針の問題でありますから、大臣のお気持ちを伺いたいのであります。
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小林武治#5
○小林国務大臣 これはお話のとおりでございまして、さような趣旨で運営もしなければならぬと思うし、またただいまの御意見は今後の組織ある運営の面において十分反省の資料になる、かように考えております。
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長谷川保#6
○長谷川(保)委員 もう一つ、私がこの法案を読んでまいりまして、奇異に感じまするものがあります。それは第三十一条の罰則であります。「研究所の役員又は職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の徴役に処する。」以下なかなかきびしいことが一項、二項三項と書いてございます。さらに三十二条、贈わいした者に対するきびしい刑罰、三十三条等々のものがございます。一体この研究所でわいろを取り、わいろを贈るというようなことがどういう場面で予想されるのであるか。普通のことであれば、刑法で済むではないか。それなのに特にこの研究所においてわいろを収受する、あるいは贈わいをすることについてこれほどきびしい規定をここに置かれたのはいかなる理由であるか、そういう危険性があるものを研究所で予想をしているのであるかどうか。普通の場合であれば、贈収わいの刑法の規定で済むのではないかというように思うのであります。どういうことであるか、私に理解できないので、御説明をいただきたいのであります。
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伊部英男#7
○伊部説明員 お答え申し上げます。
 実際の適用といたしましては、ほとんど予想することができないと思いますが、かりにそういうケースを考えるといたしますと、国庫の補助金が少額といえども出ておるわけでございますので、その使用に際して、たとえば器具を買うという際に、リベートを取るというようなケースがあり得るわけでございます。そこで、たとえば特殊法人につきましては、法律で適用規定がない限り、刑法はそのまま適用にはならないのでありまして、そこで他の研究所においては刑法その他の罰則の適用については公務員と見なすという規定を設けておるわけでございます。これはいささか広い点もあるということで、この研究所では範囲を制限いたしまして、この三十一条の関係、金銭の使用につきましての不正の場合だけを公務員と同じように取り扱う、こういうことにしたわけであります。
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長谷川保#8
○長谷川(保)委員 もしこの社会保障研究所というものを真に権威あるものとしていこうといたしますならば、やはり権威のある学者を所長なり理事なり研究員なりに置かなければならないと思います。その日本の権威ある学者をここにお招きいたしますのに、こういうようなわいろの罰則規定をここに置くことは、どうも私は不適当ではないか、権威ある学者の自尊心を傷つけはしないかということを思うのであります。もちろん国の財産を使うことでありますし、すべてにおいて綱紀はきわめて粛正されなければならないことは当然であります。しかし同時に権威ある学者の自尊心に対して、これほどのことを書いておる場合に悪い影響があるのではなかろうかというようにも思われるのであります。あくまでも綱紀を粛正した立場においてやっていただくことは当然であります。そのような考えがするので伺ったのでありますが、むしろ私個人の考え方を申しますれば、国会議員として考えますれば、こういうようなきびしいものは要らないのではないかというように思います。
 それでは時間もないことでありますし、滝井委員もおいでになっておりますので、私は先ほども申しましたように、同僚諸君とともに、このような予算ではだめだ、このような予算は芽としては承認するけれども、このような予算ではいけないのである。もっと大きな予算と大きな機構、そしていま官房長がお話しになりましたような、この研究所を日本の社会保障推進の最も堅固なる足場とするために、これを権威あるものとして今後発展さしていかれることを希望し、ことに所長の任命その他につきまして厚生大臣がこれをするようになっておりますから、厚生省が要らざる差し出がましきことをしないで、真に日本の権威ある学者の研究の成果が客観的にここにおいて出され、そして日本の社会保障制度が発展し、すみやかに欧米的な水準にまで達し、日本の全国民の福祉のために役立たんことを心から念願をして、私の質問を終わります。
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田口長治郎#9
○田口委員長 滝井君。
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滝井義高#10
○滝井委員 先日小山さんの名答弁が行なわれている最中に、小沢君のアインワントが入ったために、頭の回転がどうもうまくいかなかったので、中断をいたしたわけですが、社会保障研究所の基礎的な研究課題と医療費基本問題研究員制度の関係について質問中だったわけです。同時にそのことは同じく三千三百九十万円の金を三十九年度に投じております厚生科学研究費との関連にも交錯を及ぼしてまいりますので、もう一回ごめんどうでしょうけれども、小山さんの意見を、少し重複するところが出てきてもやむを得ませんが、問題の質疑の進行をうまくやるために御説明願いたいと思うのです。
 まず医療費基本問題研究員というのは、われわれの聞いたところでは、当初七人任命されることになっておったわけです。ところが先日の御説明では、これが最後に任命をされた慶応大学の外山氏を加えて六人のようにあるわけです。これは昨年の夏に発足をしてからやがて夏も参ろうとしているので、一年になんなんとするわけですが、これはこのままもう六人でずっといくわけですか。
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小山進次郎#11
○小山政府委員 その点はまだ断定的に申し上げることのできない問題が若干残っておりますが、結論を申し上げれば、おそらくそうなるだろうと思います。
 いきさつを申し上げると、こういうことでございます。当初私ども七人を予定しておったわけでありますが、主として医学方面の知識を持って参加をしていただくという人の人選について、なかなか適当な結論に達せず、結果的には外山教授だけがとりあえず御参加を願った、こういうことになったのであります。そういうことで、発足をいたしましたときに研究員全員とお話をいたしました結果、こういうふうなことになったのであります。われわれが研究を続けていく上において、あるいはもう少し人をふやしてほしいということを言わなくてはならぬというような場合があるかもしれないけれども、それについては当局側としては応ずる用意があるかという話があったのであります。これについては、われわれは一応七人という予定でスタートをしておるけれども、もし研究を進めていく過程においてふやす必要があるということであれば、十分御要望を考えて努力をいたします、こういうお話し合いになっておったのであります。それで、その当時から研究員の方々は、必要があればさらにふやすのだ、こういう前提でいろいろと研究を進めていかれたわけであります。いろいろ研究を進めておりますうちに、どうもこういうふうにいろいろ研究に取りかかってみると、にわかにほかの人の参加ということもむずかしいかもしらぬ、こういうようなことになりまして、ことしの二月末ごろの六人の人々の一応のお話し合いとしては、スタートするときに考えておった増員の必要があるかもしらぬという考慮の中には、社会科学方面でふやす必要があるということになるかもしらぬというお考えと、医学方面についてふやす必要があるかもしらぬというお考えと、両方あったけれども、どうやら社会科学の方面においてはもうふやす必要はないと考えていいだろう、これは大体高橋教授を中心にした、ほかの五人の方も結論は大体そうついております。そこで問題は主として外山教授にまかされて、外山教授が、これからの研究をまとめていく上においてさらにふやす必要があるという判断をしたならば、それを申し出て、当局に考慮をさせるようにしよう、もし外山教授がいまのところはこれでよろしいというのであるならば、このままでいこうじゃないか、大体こういう事情になっております。
 長々と事情を申し上げましたが、どうやらいまのところ外山教授の気持ちも、できるだけこれは自分一人でやってみたい、こういうふうにお考えになっているようでございますので、先生のおっしゃったことについては、大体これでいくという結論になるだろうと思います。
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滝井義高#12
○滝井委員 そうしますと、結局医療費基本問題研究員のほうは六人でいく、その中で医学の知識のある人は一人である、こういう結論になったわけです。そうしますと、この社会保障研究所の、常勤が十二人と非常勤十人、二十二人の研究員の色分けというのは一体どういうようになるのですか。
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梅本純正#13
○梅本政府委員 今後の問題としまして、実際にどういう色分けにしますかにつきまして、またいろいろ御議論も出るかと思いますが、一応研究所を構想いたしますに際して、われわれのほうで考えました案といたしましては、経済学、財政学、社会学、統計学、法制といいますか、法律関係、この辺のところを大体二名くらい、あるいは場合によっては、いま申し上げたどれかを一名ふやすという形で、あとは政治、心理、経営、公衆衛生、精神衛生、社会福祉、教育、労働、農村、中小企業、そういうところに配分をしたいというふうに考えております。
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滝井義高#14
○滝井委員 そうすると、技術者らしいのは公衆衛生くらいで、あとはないですね。いわゆる自然科学を専攻した人は入らぬわけですね。実はこういうものの考え方から日本の社会保障が非科学的になりいわゆる経済重点になるのです。これは、池田内閣の高度経済成長政策は明らかに人間の面で失敗しておるでしょう。だから、人つくりを言い出しておるのだから、その人つくりに応ずるために、これからやろうという社会保障研究所が社会科学の研究の人たちだけではぐあいが悪いのですよ。現在日本の厚生省の中で一つの大きな欠陥が出ておるのはどういうところかというと、技術者が厚生省の内部で虐待されておるということですよ。そこでは技術官が尊重されていないということですよ。そういう形が、厚生行政がいわば浮き上がって、大衆に根をおろさないところなんです。実力大臣ができないところになるのです。建設省を見てごらんなさい。建設省は河野さんという実力大臣が来るが、同時にそれをささえる役所というものは技術官と社会科学をやっておる人たちがこん然一体となってやっておるでしょう。厚生省はそれがないのです。そうして自然科学の人を必要とするところの局長に、たとえば薬務局長に、かつて戦争中は御存じのとおり薬剤師がなっておった、ところがいまは法科出がなっておる、こういう形になっておるでしょう。そうして医務局長なりあるいは公衆衛生局長が、どこか年金局長をやるかというと、絶対にやらせないでしょう。こういうところに問題があるのですね。この頭の入れかえを、洗脳をやらなければだめなんです。これをやらないと、ほんとうに大衆の中に根をおろした科学的な社会保障制度の確立というものはできないのですよ。こういうところに問題があるのです。医療費基本問題にそれがあらわれておる。そしてまた社会保障研究所にそれがあらわれてこようとしておるのです。だからこれは、私はいまから言質をもらいたいのです。少なくとも自然科学をやる人を三人くらいは入れなければいかぬでしょう。それは常勤十二人なら少なくともそのうち四人やそこらは自然科学をした人を入れなければならぬ。非常勤だって同じです。十人の中には二人や三人入れなければいかぬですよ。ところがいま言ったように、公衆衛生と、まあ幾分ニュアンスがあるとすれば心理学くらいで、あとはみんな経済、財政という、日本の社会保障をそういうふうに経済的にばかり見ていくから問題があるのです。経済企画庁をごらんなさい。優秀な人はみんな工科出なんです。前の経済企画庁の大來君あたりにしても、それから大來君の前の、何と言ったか、死んだ人がおりますが、優秀な人で、そういう点では、たとえば総評を見てごらんなさい。太田議長なんというのはこれは法科出ではないでしょう。やはりそういう人を何人か加えておくことは必要なんですよ。こういう配慮があなた方にはまったく欠けておるのです。だから、技術料の問題を論議するときに、有澤さんの出した答申を見ると、ちっとも技術のことは出さないで抽象的なことしか出さないでしょう。現実を知らないから抽象的なことしか出し切らぬのですよ、失礼な言い分だけれども。具体的な答申を出してくださいと頼んでおるのに、抽象的なものしか出さない。抽象的なものを出したときには、今度一体だれがやるかというと、あなたたちがかってなことをやってしまうのです。いわばこういうところから出てくる研究の成果なり答申というものは隠れみのなんです。こういうところに諮問をいたしましたということで、いわゆるビューロークラシーが支配しておる、政党政治というものが影もないという形になっておるじゃないですか。そういうところが問題なんです。だからきょうは私は、この十二人と十人の中に何人自然科学の人を入れるかということです。これをひとつはっきりしてもらいたい。
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梅本純正#15
○梅本政府委員 自然科学と社会科学の系統の問題でございますが、現在の経済学におきましても、計量経済学その他近代経済学のようにほとんど数理計算によって検討していただくという経済学もございます。その意味におきまして、われわれのほうで考えておりますのは、こういう根本の問題につきまして御研究願う場合に、いろいろな問題を計量化するという問題につきまして、特別な方程式による技術も要りますので、たとえば経済学におきましても、近代経済学の専門家を予定するというふうな形で、心理学あるいは社会学、そういうふうなウエート、それから先ほどの公衆衛生、それから教育専門家、そういうふうなことで、できるだけ総合的な、いわゆる広い分野の学者の御参加を願って、総合的に検討していただきたいということでございますので、先生のおっしゃいました御趣旨も十分含めまして、今後検討してまいりたいと思います。
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滝井義高#16
○滝井委員 二十二人の中に常勤が十二人と非常勤が十人おりますが、何人入れますかと言っておる。これは何人入れますと言ったからといって、そのとおりにやれというようなやぼなことを私は言うつもりはないのです。しかし、こういう研究所をつくるからには、初めからおおよその構成くらいはここで説明できぬようなことでは困るわけです。いま言ったように、七人置くといっておって、小山さんのところではたった一人公衆衛生学者を入れていて、医学の実践家を入れていないのです。医療費の基本問題を研究するのに、現実の医学の臨床家を入れずして、財政学者、経済学者、それでできるのですか。できないじゃないですか。できないからこそ、昭和三十三年以来もめ続けているでしょう。まだおさまらぬじゃないですか。だからおよそ何人入れますかと言っておるのです。それをひとつ御答弁願いたい。
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梅本純正#17
○梅本政府委員 今後任命されます所長その他とのいろいろな御相談もあろうと思いますが、われわれの案としましては、三分一程度自然科学系統の学者がお入りになることと考えております。
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滝井義高#18
○滝井委員 そういうふうにはっきり言ったらわかるわけです。そうすると、二十二人ですから、七人か八人程度入れることになるわけですね。
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梅本純正#19
○梅本政府委員 ただいまの御質問が常勤十二者のうちというふうにおっしゃいましたので、常勤だけで御答弁申し上げたのですが……。
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滝井義高#20
○滝井委員 そうすると、非常勤は入らぬということなんですか。
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梅本純正#21
○梅本政府委員 非常勤関係につきましては、われわれのほうといたしましても、非常勤という制度を設けました趣旨からしまして、あまり固定的に考えておりません。やはりそのときのテーマによりまして、弾力的にそれぞれの学者に来ていただくということを予想しておりますので、いま恒久的に非常勤何名のうち何名、あるいは三分の一は必ず自然科学者というふうに固定するのはどうかと思います。その点御了承願いたいと思います。
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滝井義高#22
○滝井委員 とにかく非常勤の中にも入るわけでしょう。一人も入らぬなんというばかなことはないわけでしょう。だからそういう点がもう少し——非常勤なんですから、二年くらいやってもらったら、また交代をしてもらってもいいわけなんですから、いつもここにも三分の一くらいおらなければ話にならないですよ。あなた方のそういう法科的なもの、法制的にものを見る考え方がだめなんです。だから日本人は法匪だと言われておるでしょう。だからもう少し太っ腹で、弾力的に人を使ったらいいですよ。近代経済学は数学が必要なんです。自然科学者だって勉強させたらできるのです。滝井義高があなた方と対等に質疑できるのと同じですよ。医学をやってもできるのです。勉強さえしてもらえばできるのです。医学を出たから、工科を出たから、あるいは文学部を出たからといって、そんなに役所で差別待遇をしてはいかぬ。研究所でも同じですよ。優秀な人で適当な人がいたら入ってもらったらいい。そのためには、やはり三分の一くらいはそういうものをとりますよということで——さがしてみていなかったら四分の一でも、五分の一でもけっこうです。しかしまずそのくらいの腹がまえでやらなければ、こういうところには入らぬということです。これは非常勤もそのくらいとれますね。
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梅本純正#23
○梅本政府委員 先ほど申し上げましたように、この研究所は、われわれといたしまして、先ほど長谷川先生も申されましたように、今後予算を増額し、規模を大きくして、恒久的なものにしていきたいという意気込みでおりますので、やはり最初からテーマがきまっているわけではございません。テーマは大きな問題とはいいながら、年金の問題とかあるいは医療保障の問題というふうに大きく動いてくるだろうと思いますので、その辺弾力的に運営をしていくという趣旨から申しまして、おおむね三分の一程度ということで、やはりそのときのテーマに応じて、おっしゃるように弾力的に非常勤の制度その他を活用してまいりたいと考えております。
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滝井義高#24
○滝井委員 非常勤も三分の一程度だというから、それでけっこうです。そうしますと、小山さんのほうにある医療費基本問題研究員というのは、大体この前の御説明では、非常に長期の医療の需要供給の関係の調整等をおやりになる。同時にいままで研究されていない医療費のマネーフロー、経済全体の循環の中における医療費、被保険者の負担が一体どういうふうに流れているかというような研究もやる。これは非常に基礎的な長期の研究です。そうしますと、先日小山さんの御答弁では、医療費基本問題研究員制度というのは、来年の三月ごろになったら、一応自分としては打ち切りたい、その後どうするかということは、将来の問題として考えるけれども、いまのところ長期的にやることは一応困難だろうという御答弁があったわけです。そうしますと、来年の三月までの間にあわててちゃちな結論を出してもらっても、かえって御迷惑になるわけです。そこであなたのほうにこれをいまから吸収して——本来西村さんのおつくりになったものは、臨時医療報酬の調査会の肩がわりとしてできたということが言われているわけです。そうすると、これは保険局の所管でなくて、本来は内閣の所管に置くべきものであった。それをとりあえずいま小山さんの所管にたぶんなっていると思いますが、そこでこれを吸収して、あなたのほうに持っていって、そうして御存じのとおり社会保障の基礎的な研究をやるのですが、しかも長期の観点でおやりになるのだから、来年は一億くらい予算を取ると、こう大臣も言ってくれているわけですから、そこでこれをやはり一本に吸収して、ゆっくりりっぱな成果を出すようにしてもらう、そしてできれば欠陥なきを期す、全きなものにしていくという趣旨で一本にすべきだと思う。同じようなことがあちらこちらで、厚生省内部で研究されるということでは、出た結論がいろいろまちまちだと、あなた方も困るし、われわれも幻惑され、迷わされて困るわけです。これをひとつ一本にして、研究はおやりになってけっこうですから、やるのですから、そこで小山さんのほうからあなたのほうに移してやっていただけるかどうか。これは小山さんでなくて、こちらのほうの意見を求めているのです。いわゆる悍馬みたいにばかに張り切っておりますけれども、こっちに聞く必要はないわけです。
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梅本純正#25
○梅本政府委員 再三申し上げましたように、この研究所におきましては、基礎的な、総合的な学問的研究をやるということが中心でございまして、これが行政に生かされあるいは制度化されるということにつきましては、社会保障制度審議会もございますし、おのおの厚生省内の各局に持っております審議会もございます。審議会で御検討願って、そしてわれわれのほうでそれをどう予算化し法律化するかということにつきましては、また別の観点で検討するという手続で、この研究所を構想いたしております。そういう意味からいきまして、この基本問題研究員の設置との関係でございますけれども、一応理論的には、これは制度としあるいは行政として生かす場合の観点からいろいろ検討をなされるという制度でございますので、この研究所とは必ずしも業務はオーバーラップしないというふうに考えておりますが、ただ、この基本問題研究員は、先ほど保険局長も答えましたように、三月で大体めどがつきますので、それ以後はどうするかという問題につきましては、よく検討し、大臣の御指示も受けまして、はっきりいたしたいというふうに考えております。
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滝井義高#26
○滝井委員 あなたは認識不足だ。基礎的な研究をやることは、医療費基本問題研究員制度と書いてあるように、基本問題を研究するのですよ。しかも基本問題研究員の出た結論は、何もこれはすぐ行政に直結するものではないのです。当然その結論は社会保障制度審議会なり、医療協議会なり、社会保険審議会なりに、これはかけなければならぬわけです。それがそのまま行政に直結するものではない。それは明らかに高橋長太郎さんもそういうことを言っているのです。それを間違えぬようにしておかぬと、これは出た歴史的な経過をわれわれは知っているのだから、それはそのまますぐにイコール保険局の行政なり医務局の行政になるものではない、基本問題を研究するのです。いま言ったように、まだ日本に研究のない医療費のマネーフローについて研究する。マネーフローというのは一体何だという人がおった。そういうわれわれの知らないようなことを研究するのですから、これは基本問題なんですよ。そういうことがいままでどこでも研究されていないのですから、あなたのところがじっくり研究してちっとも差しつかえない。いまわざわざ小山さんのところに置いておく必要はないわけです。あなたのところに移してけっこうなんです。だから、こういう制度ができるのですから、厚生省のもろもろのものを集めてこれを強化していくということは必要なんです。そうばらばらで、あっちこっちでちゃちな研究をやらせる必要はない。こういう特殊法人ができるのですから、ここでひとつやったらいいのです。
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梅本純正#27
○梅本政府委員 先ほどお話の中に出ました医療費のマネーフローの問題につきまして、先日保険局長からお答え申し上げましたのは、われわれこの医療費基本問題研究員でいろいろ研究をお願いする際に、もう少しグルントの問題として医療費のマネーフローのようなものの研究があれば非常によかったのではないか、今後研究所というものができた場合には、医療費研究の立場からいえば、できるだけ早くこの研究所において基礎的な問題であるマネーフローの問題を研究していただけば非常に研究しやすいということを申し上げましたので、この研究員がマネーフローを研究するということではございませんで、そういう研究が欠けておるので、研究所ができれば第一に医療費の観点から取り上げてもらいたいのはマネーフロー、そういうグルントの問題がほしい、こういうことでございまして、そういう観点から、研究所では、そういう医療費の問題で御要望があれば、マネーフローという問題がおそらく第一のテーマになるだろうというふうに考えます。
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滝井義高#28
○滝井委員 そのほしいマネーフローの問題を第一の研究のテーマにするのですから、したがってそれがわからなければ医療の需給の長期の調整というものはなかなかうまくいかないわけです。したがって、その需給の調整の研究をする人もあなたのところに持ってきて、マネーフローの研究と一緒にやれば、多々ますます弁ずで、一そういいわけです。それを何も遠くのほうに離しておく必要はない。しかも、そういう結論が出たときに、保険局では療養担当者の団体その他とけんかをやっているところから、なかなかぐあいの悪いところもある。それはあなた親の心子知らずだ。そこで、あなた方の官房というところは比較的中立のところです。そこでおやりになったほうがいいですよということを加味して、——そんなことを言わせなくても、また言いたくなかったのだけれども、それを考えて言っているわけです。それのほうがもっと研究の成果がうまくいきますよということを言っているわけです。どうして私はそういうことを言うかというと、小山さんにお尋ねしますが、医療費の基本問題研究連絡会議というのが厚生省にありますか。
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小山進次郎#29
○小山政府委員 事務次官を中心にしてそういうものをつくっております。
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