加賀田進の発言 (商工委員会)
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○加賀田委員 ただいま議題となっております電気事業法案につきまして、日本社会党を代表して、修正案に賛成し、修正部分を除く原案に反対の意見を表明するものであります。
まず、修正案についてでありますが、電気事業の公益性並びに保安体制の確立という見地に立って、電気事業審議会並びに電気主任技術者資格審査会を本文に明記し、電気事業に関する重要事項等を民主的に審議せしめようとするもので、われわれとしても、当然の修正であると思いますので、賛成するものであります。
次に、修正部分を除く原案についてでありますが、現行の電気に関する臨時措置に関する法律は、御承知のとおり、昭和二十七年十二月に制定され、すでにそのときより、恒久的基本法が早急に制定されるよう望まれていたのであります。自来今日まで実に十余年を経過しておりまして、その間いろいろな問題があってなかなか成案を得るに至らなかったことは、私も承知しております。
去る昭和三十七年の五月、電気事業審議会が発足し、鋭意検討を続け、昨年十月、その結論を得、これに基づいて本案が提出されたのでありますが、まさに正直に申し上げまして、私はこの法案に非常な期待を抱いていたのであります。これだけ長年月を費やし、権威ある審議会まで設けて検討されたのでありますから、電気事業に関する抜本的な規制が盛り込まれ、新たなる観点に立脚した法案となるであろうと思っておったのであります。
しかるに、本法案はその期待を全く裏切ってしまいました。内容的にほとんど旧公益事業令以下のものでありまして、企業体制はあくまでも現在の九電力体制を維持し、わずかに広域運営によって当面の諸矛盾を解決しようとして立案されているのみでありまして、わが国の現状に即した電気企業の社会化、一社化の方向は無視されているということであります。実に国民とともに嘆かざるを得ません。池田さんの言う寛容と忍耐も、ここまでくればもはや近代政治の限界を越えた保守政策のあらわれであり、前進を少しも見ないいざり法案と言わざるを得ません。発送電技術の長足の進歩、発電方法の変化、電力会社間の企業格差等々を勘案いたしますと、現行体制では無理があると考えるのであります。電気事業者みずからがこの矛盾を自覚し、電力の経済性を追求するため、広域運営をすでに実施しているのであります。
本案においても、広域運営の必要性を強く主張し、現行体制の不備を何とかカバーしようとしており、審議会の答申においても、もし広域運営が円滑に実施されないならば、合併もしくは一本化に踏み切るべきであると指摘しているところであります。本案の立案にあたっては、まずこの点を強調すべきではなかったかと思うのであります。
質問の過程において、一社化の功罪については、通産大臣の所見を伺ったのでありますけれども、一社化に反対する論拠は、無用の摩擦を生じ、電気事業が混乱する、サービス及び経営能率が低下する等の理由でありまして、あまりにも消極的な反対論ではなかったかと存じます。サービス及び経営能率の低下は、はたして致命的な原因と言えるでしょうか。現在の電力会社は地域独占という特権を持っており、補償の解決、電力供給契約、燃料入手方法等、また末端のサービス面におきましても、きわめて官僚的であるやにも聞いているのであります。一社化することによって、国家的見地に立って、電源開発、一次エネルギーの調整、企業格差の是正等がスムーズに行なわれ、電気料金についても、最も所得の少ないといわれております鹿児島県、宮崎県の住民が、日本一高い電力料金を支払うというようなことは避けられると存ずるのであります。
以上、企業形態の面より見ましても、本案には賛成しがたく、その他具体的な広域運営規定の不備、用地等の補償規定の欠除等々を大きく考え合わせますと、わが党としては、本案に対して反対する次第でございます。(拍手)