商工委員会

1964-06-09 衆議院 全317発言

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会議録情報#0
昭和三十九年六月九日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 二階堂 進君
   理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君
   理事 始関 伊平君 理事 中川 俊思君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 板川 正吾君
   理事 久保田 豊君 理事 中村 重光君
      内田 常雄君    浦野 幸男君
      遠藤 三郎君    小笠 公韶君
      小沢 辰男君    大石 八治君
      岡崎 英城君    神田  博君
     小宮山重四郎君    小山 省二君
      佐々木秀世君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    竹内 黎一君
      中村 幸八君    野呂 恭一君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      三原 朝雄君    南  好雄君
      村上  勇君    大村 邦夫君
      加賀田 進君    桜井 茂尚君
      島口重次郎君    楯 兼次郎君
      泊谷 裕夫君    藤田 高敏君
      森  義視君    麻生 良方君
      佐々木良作君    加藤  進君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  福田  一君
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        内閣法制局参事
        官
        (第三部長)  荒井  勇君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合計画局長)  向坂 正男君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 川出 千速君
        通商産業事務官
        (大臣官房参事
        官)      宮澤 鉄藏君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      宮本  惇君
        建設事務官
        (住宅局長)  前田 光嘉君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (公益事業局公
        益事業課長)  有馬 駿二君
        通商産業事務官
        (公益事業局業
        務課長)    井上  保君
        通商産業事務官
        (公益事業局需
        給課長)    山中 正夫君
        専  門  員 渡邊 一俊君
    ―――――――――――――
六月九日
 委員佐々木秀世君、田中正巳君、南好雄君及び
 米内山義一郎君辞任につき、その補欠として橋
 本龍太郎君、小山省二君、竹内黎一君及び泊谷
 裕夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員小山省二君、竹内黎一君、橋本龍太郎君及
 び泊谷裕夫君辞任につき、その補欠として田中
 正巳君、南好雄君、佐々木秀世君及び米内山義
 一郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月六日
 鉱業政策の強化拡充に関する陳情書(第五七一号)
 中国地方総合開発の促進に関する陳情書(第六六八号)
 公衆浴場業に対する特別融資並びに電灯、電力の料金軽減に関する陳情書(第七三一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会設置に関する件
 電気事業法案(内閣提出第一三六号)
     ――――◇―――――
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二階堂進#1
○二階堂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の電気事業法案を議題として審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。板川正吾君。
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板川正吾#2
○板川委員 総理を呼んで電気事業のあり方について伺いたいと思ったのですが、多忙のようでありますから、担当の経済企画庁長官に、まずこの電気事業の企業の体制のあり方という点をひとつお尋ねをいたしたいと思います。
 宮澤長官は三十七年八月、東北電力の料金値上げの際に、これは値上げしてもやはり東北電力は一時的なものであって、いまの体制でいけばまた再値上げをせざるを得なくなるんじゃないか、したがって電力企業の一社化とは言わないまでも、とにかく東北電力の矛盾を解消するためには、東京電力と合併することが望ましいんじゃないか、合併はのがれ得ないだろう、こういう趣旨の発言をされておるのであります。また、池田総理は参議院において、三十七年八月二十七日社会党の委員の質問に答えて、私は九電力の分割、再編成当時の責任者である、当時の情勢としては電力再編成はやむを得なかった、しかしここ数年間、三、四年前からどうも九分割のままでいいのかという疑問を持っておるんだ、そこで今後慎重にこの問題について研究、検討してみたい、こういう社会党羽生議員の質問に対して答弁をしております。
 それで、こういった点から見ますると、池田総理も宮澤企画庁長官も、従来の九分割の企業体制というもののあり方に対して若干の質問を持たれておる、そういう趣旨がうかがわれるのであります。したがって、今度の法律は御承知のように九電力再編成当時のままで、若干の矛盾はいわゆる広域運営によって解消するというたえまえをとっておりますが、企業体制について宮澤長官及び池田総理がその後検討した——検討する場合には当然経済企画庁長官には相談もあると思うのであります。総理なりあるいは長官なり、企業体制のあり方についてどういう御意見を持たれておるか、伺いたいのであります。
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宮澤喜一#3
○宮澤国務大臣 三十七年の八月に委員会で田中武夫議員からそのようなお尋ねがございました際に、東北電力の料金値上げを検討いたしてまいりましたが、東京、東北の関係、なかんずく只見川の電力のもっと合理的な利用のしかたがあるのではないかということを感じました、私企業のあり方に直接もの申すつもりはございませんけれども、ほんとうの意味での広域運営ということがもっと行なわれなければならないので、それが別々の会社で可能でないということであるならば、おのずから企業形態についても関係者が考慮をされることが望ましいのではないかと思います、そういう趣旨の答弁を申し上げた記憶がございます。その後、しかし幸いなことにこの只見川の電力の利用をめぐりまして東京、東北両者の関係が非常に円滑になりまして、世論あるいは人事の異動などもございましたことも関係があるかもしれませんが、只見川の利用の問題について東京電力、東北電力並びに電源開発、三社の協議がきわめて円滑に行なわれることになりまして、当時私の申しました問題は、そういう形でその後に合理的に解決されて今日に至っておるように考えるわけでございます。したがって今日の状態では、東北電力について再び値上げをしなければならないというような事情は解消いたしたように思いますし、また東京電力につきましても、当時考えておりました幾つかの水系開発もその必要がなくなって開発資金の合理化もできるようになったというのか今日の現状であるというふうに考えるわけでございます。したがって、そういう面から見ました東京、東北の関係は、きわめて合理的な、いわゆる真の意味での広域運営がその後今日までなされておるというふうに考えますので、当時、あるいはと申し上げましたような理由は、両社に関する限り解消しておるように思うわけでございます。その他の全国の各社について、私も詳しいことをただいま存じませんけれども、そういったような形で解決をしなければならない問題はない、全般的に広域運営というものがかなり実質的にうまく動き出すよりになった、このように見ております。
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板川正吾#4
○板川委員 そうしますると、当時経済企画庁長官の心配されたように、東北電力は一時値上げしても、やがてこのままでいくと再値上げしなくちゃならない、こういう予想があるから合併をすべきだという議論であったが、しかしその後広域運営によってそういう心配はなくなったから、まあ現状でいいのじゃないか、こういうことだと思うのです。そうしますと当分、とにかく東北電力はこれから、ほかが一般に上がるときは別としまして、料金値上げはないものと、こういったふうに見てよろしいのですか、そういうふうに見ておられるのですか、現在。
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宮澤喜一#5
○宮澤国務大臣 私はさように承知をいたしております。
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板川正吾#6
○板川委員 それでは、それはその後の情勢を事実によって見るほかはないのですが、もう一度今度は別の角度から伺いたいのです。電気事業、これは運輸事業などよりも完全な地域独占の形態です。こういう事業は、われわれのほうはいわゆる一社化したほうがいいんじゃないかというたてまえをとっておるわけです。そのほうが広域的運営が完全に行なわれる。また、九電力分割されたままお互いに広域運営といっても、それは私企業の中における広域運営であって、限界があります。したがってわれわれのほうは、一社化したほうが合理的かつ総合的な経済性が発揮できるんじゃなかろうかというたてまえをとっておるわけであります。一社化なりという企業形態が悪いという考え方について、大臣はどうお考えですか。一社化が悪いというが、一社化になるとどういう点が悪いというお考えですか。経済企画庁長官としての見解を伺いたい。
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宮澤喜一#7
○宮澤国務大臣 それは、やはり基本的には経済と申しますか、思想に関係があるのではないかと思います。私どもは、一般にものを考えます場合に、現にある現状というものは何かの理由があってそうなったのであって、これを変更するという場合には、それがそのことばかりでなく、全体にどういう影響を及ぼすかという、そのプラス・マイナスを考えて変更するなら変更する、しかし一般的に現状が現状であることは、過去からの蓄積、いろいろな理由によるものであるから、これを変えるということにはよほど慎重でなければならない、本来そういう考え方を持っておるわけでございます。これが保守主義というものの考え方の本質ではないかと思うわけでございます。したがっていまの九電力のあり方につきましても、本来特に弊害がない限りはこれを変更する必要はないであろうという、基本的にはそういう思想を一般論として持っておりますし、また経済のあり方については、できる限り私企業に近い形で運営されることが望ましい。公益事業でありましても、なるべく私企業に近い形で運営されることが望ましいのであって、全国一社というようなものの考え方はできるならば避けたい、これも一般論としてそういうふうに考えるわけでございます。したがって、そういう両方の理由から現状を特に変更する必要はないであろう、こういう考え方をいたしておるわけでございます。板川委員の言われますように、しかし全然別の思想的な観点に立って、それならば一社で何が悪いかというお尋ねであれば、それは理想的に運営される限り、想像の問題として必ずこういう弊害が起こりますというようなことは、これは申し上げにくい。やってみなければわからぬのでございますけれども、私どもはやはり現状を変えなければならない理由は特にないではないかというような考え方をいたすわけでございます。
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板川正吾#8
○板川委員 現状を変える理由がないじゃないか、こういう点のようであります。しかし総理の意見といい、かつて宮澤さんが疑問を持たれた点からいいましても、現状に疑問を持たれておったんじゃないですか。総理も、九分割当時はやむを得なかったが、しかし三、四年前からこれはこれでいいのかという疑問を持っておったのだ、こう言っておられる。だからその疑問をどういうふうにその後検討をし整理をされたかということが実は聞きたいのであります。なるほど現状を変える必要がないという、あるいはそういう強い要求なり声がないというのですが、それが保守主義だというのですが、しかし政府はいま保守党でありながら資本主義政党でありますから、経済性というのを強く考えておるわけであります。これも保守的な経済性というよりも、国民経済的な立場というのを重要視しているのが政府の立場だと思うのです。ですから国民経済の立場からいえば、私は一社化のほうがより合理的であり経済的であり総合的じゃないか、こう考えておる。ただ、一社化するとサービスが落ちるとか運営がうまくないとかいう不安がある、心配があるということを言っておるのです。なるほどサービスの面が——それは国鉄と私鉄とどっちがサービスがいいか、私は私鉄出身ですが、そう大差はないと思うのです。経済性という立場から見れば、こういう基幹産業の場合、サービス業じゃないのですから、基幹産業の立場からいえば、サービスの面というよりも、より安い電力というものを供給することが最大のサービスになる、こう思うのです。だから私はそういう意味で、末梢的なサービスの、面よりも、経済性を追求して、そういう企業形態をとって安い電力を提供することが最大のサービスになるだろう、なぜ政府はそういうような方向を打たないのか、こう思うのです。たとえば九電力、これは配当も全部制限されておりますから同じであります。それから供給規程も、それは九社とも業務の内容は同じようであります。それから賃金においても同じ水準であります。違うのは、地域的に料金が違うだけです。だから、料金を一本化する、一律化する、平準化する、こういう必要もある。東北と東京電力と問題があったんですが、違うのは料金だけだ、だから、私は一社化することのほうがより経済的であって、本質的には国民サービスになるんだ、こう思うのです。それと、電気事業の場合には、安いということと同時に、供給の安定性という問題が重要だと思うのです。私は、これはエネルギーに関する原則だと思うのです。安いエネルギーを供給すると同時に、それが安定するという条件の中で調和されなくてはならないと思うのです。いまの九分割のままですと、産炭地から——実際とういう数字になっているか別としまして、九州から東京まで石炭を持ってきて発電をする。また、安定供給のたてまえからいって、石炭の利用というのは当然してもらわなくてはならないものです。それから、いまや水力も開発が高くなってまいりました。高くなったけれども、では一切輸入の石油でまかなうということ、それも問題がありますから、水力も開発をして、安定的な供給のベースをつくらなくてはならぬと思うのです。それから原子力も将来安定的なエネルギー供給の分野を担当すると思うのですが、こういう安定供給という立場から石炭の利用があり、水力のコストが高くついてもさらに水力を開発しなくてはならない。さらに原子力も開発をしていかなくてはならない、こういうたてまえ。石炭を使う場合に、いま言ったように、九州から東京まで持ってきて石炭をたく。それより九州なり四国なり、近い地方で主として石炭を使って、東京で主として重油をやる。しかも、それをもって総合的な配電関係を調整するということであれば、そのほうが国家経済の立場からいってもより合理的だと思うのです。そういうたてまえをとろうとすれば、どうしても九電力がいまのままでは、いかに広域運営をやるといっても、それは不可能だ。そこまではできない。だから、そうした矛盾しているところの、北海道の石炭、九州の石炭を東京へ持ってきてたいておるというようなこと、また、九州で石炭をたかずに——石炭もたきますが、原油をもって発電するということも行なわれておる。それが全国一社化であれば、そういう調整が可能になると思う。そういうことによって、より安いエネルギーを安定的に供給する立場が立つんじゃないか、そういう考え方に立ちますと、私は一社化のほうが国民サービスの上から、国家経済の上からいっていいんじゃないか。一体一社化のどこが悪いんだか、われわれは具体的に理由がわからないんです。経済企画庁長官として当然、こういった国家経済の基本的な体制の問題でありますから、御見解を持っておることと思いますので、ひとつその点についての御見解を承りたいと思います。
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宮澤喜一#9
○宮澤国務大臣 国民経済全体にロスのあるようなことがあってはならないということは、私どもも板川委員と全く同様に考えておるわけでございます。したがって、昭和三十七年の八月ごろに申し上げましたような、たとえば東京、東北間の、だれが見ても明らかなロスだと思われるようなことは、何かの形で改められることが望ましい、こう考えておりました。そうしてそのことは、幸いにして広域運営の形において改められておりますので、現在国民経済的なロスがその間にあるとは思わない、その問題は解消をいたしたというふうに考えるわけでございます。
 さて、しかし、板川委員の仰せられますように、一般論として全国一社になることがどこが悪いか。一般論として御提起になりますと、それを反駁するということは、私はなかなか簡単な問題ではなかろうと思います。そのほうが能率的ではないかというお尋ねに対して、ことに超高圧送電というようなことが可能になったりしてまいりますと、いや、それは絶対にそうではございませんと申し上げることは、抽象的には私は困難であろうと思います。けれども、私どもの経験及びよその国でやっておりますようなことを見ておりますと、いわゆる全国を一社にする、一つの企業体にするといったようなことは、現実に企業体として動きました場合に、いろいろな弊害を呼ぶ場合が多い。これは運営のいかんでございますから、必ずそうだということは申しかねますけれども、そういう場合が多いというふうに私どもは考えます。しかし、他方で、たとえば最も独占を厳密な意味できらっております米国においても、私企業で明らかに独占をいたしておりますものにたとえば電話会社がございます。ベル・システムは私企業でありながら、常に独占形態をとっておるわけでございます。これなどは、おそらくやってみて、それのほうが国民経済に奉仕するからという考え方でございましょうから、一般論として何が悪いかと仰せられますと、これはなかなか簡単に、かくかくでございますからと申しかねることであって、やはり経験法則に照らしますとどうもうまくいかない公算が多いのではないかと思いますと、かように申し上げる以外に方法はないかと思います。
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板川正吾#10
○板川委員 どうもそれでは、私どもは一社化について、一社化が国民経済的な立場からいってどこが不合理だかわからない。経験的にいっても、一社化でやった戦争中の時代が御承知のようにあるのです。ただ、戦争中、一社化になるとサービスが悪いというのがイコールといふうに思われていた。確かに戦争中一社化を強行し、戦争中は電気事業ばかりでなくて、すべての企業においてサービスが低下した時代ですから、やろうとしてもできなかった時代ですから、一社になるとサービスが悪くなるんじゃないか、官僚化して悪くなるんじゃないか、こういうようなイメージが浮かぶのですが、しかし、それは時代が違います。さっき言いましたように、国鉄が特別にサービスが悪いわけじゃないでしょう。私鉄だってもっと悪いところもあるでしょう。また、部分的にいえば私鉄がよくて国鉄が悪いところもあるし、一社だから悪いとかいいとかいう議論じゃない、こう思うのです。過去においても一社化をやった経験がある。最近においてはイタリアにおいて、六二年に一社化の法律を通して、いまや一社化が着着行なわれておる。イギリスやフランスにおいても国営的な運営がされておる。そういう資本主義国におきましても、電気事業のような場合には、これは競争して、サービスがいいからそっちを買うというものじゃないのだし、また自家発電をしたほうが安いというわけじゃないんですから、だから、私は一社化することが一体どこの姿が悪いんだろうか。池田さんも、とにかくいまの体制に疑問を持っておると言うんだから、そのブレーンである企画庁長官が池田さんのあれを受けて、一社化の方向にいま少し突っ込んだ検討がなされていいと思う。一社化が悪いというが、それでは現状にそういう不合理な点があるなら、その辺で経済企画庁長官としてもっと突っ込んだ検討をされてみる必要があるのじゃないか、私はそういう感じがいたします。これはどうも大臣の説明だけではわれわれ納得できないし、実際的には一社化のほうに反対できないのじゃないかと思うのであります。ひとつ今後の御検討を要請して終わりましょう。
 それでは次に、順序が狂うけれども、局長にお伺いいたしましょう。
 電気事業法の五十八条以下に「土地等の使用」という節があります。ここで、土地の一時使用とか、公用地の使用という点には規定があるのですが、公共用地を使用した場合のもの、一時的に土地を使用した場合の補償のしかた——なぜ恒久的な土地使用をしておる問題についてこの条項の中にそれがないのかふしぎでならぬ。附則的なものが載っておって、一番大事なもとのほうに触れてない。これはどういう理由ですか。
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宮本惇#11
○宮本政府委員 御指摘のように、非常に大きな部分が抜けておるという点は、全くそのとおりでございます。ただ御承知のように、現在土地収用法という法律もございますし、またその特例法というものもございまして、多くの場合はそちらでやっておるのでございますが、実は立法の当初のころは、われわれ自身といたしましてはいろいろなことを考えた次第でございます。たとえばこの間も新聞に出ておりましたように、まぼろし部落と申しますか、ダムの予定地へ新しく家が建つ、こういうものを何とか追い払うと申しますか、方法がないだろうかということもいろいろ検討いたしまして、これはものになりませんでしたが、たとえば電源開発予定地域制度というようなものを考えまして、あらかじめ予定地域になったところはその補償対象にならないというような制度も考えたわけでございますが、結局これは何も電気だけの問題ではございませんで、たとえばオリンピックその他のためにいろいろ収用とか使用という問題がございます。そういう共通の問題であるというようなことから、法制局段階におきまして、これは別途共通問題として議論しようじゃないか、また電気事業法だけでやっておりますと時間がかかるというようなことから、一応この法律ではおりまして、また次の検討に待つということになったわけでございます。したがいまして、この法律自体といたし、またもう一つは線下補償の問題等もございますが、これも実は初めは、われわれといたしましては、具体的に個々の土地その他につきまして協議で話し合いの上に補償していくという考えをとったのですが、これも法律的に言いますと、いわゆる対価主義ということで全国一律の基準がなければいかぬというようなことから、その全国一律の基準をつくることが非常にむずかしいというようなことで、今回これもおりてしまったというような形で、御指摘のように、この法律にありますこと自体は、はなはだお粗末と申しますか、わずかのものしか載っていない。しかしわれわれといたしましては決してあきらめたわけではなくて、今後関係省、特に土地収用法あるいは臨時措置法その他将来の場合は電源開発促進法というようなもので、電源開発の場合にそういった問題についてできるだけよい解決をするための研究というものは今後も続けていきたい、こう考えておる次第であります。
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板川正吾#12
○板川委員 この補償問題で、これから開発しようという電源開発地域の補償問題がございますし、それから現に使用しておる高圧線下の線下補償の問題あるいは電柱、鉄塔といったものの補償問題もありますが、これに対して何ら基準がないのはおかしいと思っておるのです。しかし電力とやや似ておりまする電話線の冠注等の使用料、こういう問題については公衆電気通信法に一つの基準がありますね。だからそういった基準をこの法律の中にうたえなければ、政令で定めるなり省令で定めるなりやってやれないことはないじゃないか。大事なことを逃げておるのじゃないか。しかし電源開発地域を大きく網を張って、そこにうちをつくった場合には一切電源開発関係のところに届け出なくてはならぬということになると私権の制約になりますが、こういう点は権利と権利の競合になりますから、なかなかむずかしいと思います。むずかしいと思いますが、現に行なわれておる電柱なり鉄塔なりあるいは繰下補償といった問題は、避けて避け切れるものではないですね。だからこういう法律の中で取り組んで、そうして法律の上で一つの基準を明示したほうが両方にいいのではないか。基準というのははっきりしたほうがいいではないですか。電力会社でも、はっきりしてもらうなら法律ではっきりしてもらったほうが、その法定されたものを払えばいいのですから、そういう意味では無用な紛争がなくなるのではないか。支払われる側からいえば、もしそれが低ければ法律を変えて上げてもらうなりすることになるでしょう。だから私は、重要な問題を避けて、しかもそれに一言も触れてないというのはかえっておかしいじゃないか、こう思うのですが、この点いかがですか。
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宮本惇#13
○宮本政府委員 御指摘のとおりでございますが、われわれとしてはこれは立法の問題で、その辺の、たとえば一律の基準というものをある程度成案を得た上でないとなかなか御提案ができないという事由から、とりあえずこの程度にいたした次第でございますが、先生御指摘のように、たとえば送電線の建設の初めにはいわば不毛の地であったのが最近はだんだん宅地化してくるということになれば、電力会社として、客観的条件の変更のあった場合にはその土地相応のものを支払うのは当然でありますし、またその場合に一定の基準があったほうがよろしいということも全く御指摘のとおりでございます。ただ、その基準ということになりますと、たとえば全国一律に宅地幾ら、山林幾らというような具体的な基準をつくりますためにはなかなか時間もかかるということで、今回は法律の提案に間に合わないというおそれもありましたので、とりあえずこの形にしておきまして、将来は先生御指摘の方向でわれわれも十分に検討いたしたい、こう考えておる次第でございます。
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泊谷裕夫#14
○泊谷委員 関連してお尋ねしたいと思うのですが、電気事業法が提案されまして——数多い変遷をたどってきましたこの法律が一たん廃案になった。それはGHQの勧告もありまして、公権力の強いのを何とかしなさい、こういうことだったが、憲法上の規制もありまして、公共事業に用いる場合は適当な補償が条件になっています。いま板川先生が触れられたように、監督官庁として当然その対策が明らかにされていなければならぬと思うのですが、その議論は先輩議員の皆さんに譲りまして、特に問題があると思います北海道の問題について二、三お尋ねしたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
 北海道は、実態論で申し上げますと、米一俵五百円当時に、農民の皆さんが何とか農村にも電灯をつけていただきたいということで、当時としては一万から五万程度の負担金を持ちまして、その施設費の全額は農民負担でしたものであります。なお、その施設を無償で、しかも電力会社の資産として、さらに補てん金まで渡した、こういう実情でまいっております。しかもその支柱物である電柱使用料も無償のものがいまだ数多く、残っておるのです。しかし施設当時と現在では電気の供給事情は大きく変わっておりますし、農村における電気量も増大しております。これらの事情から、従来無償扱いの電柱について、当然有償に考えられなければならぬ時期に至ったと思うのでありますが、監督官庁の皆さんとしてどうお考えであるか、そのお考えを明らかにしていただきたい。
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宮本惇#15
○宮本政府委員 先ほど板川先生にお答え申し上げましたとおり、確かに、その当時はたとえ無償でおっても、現在の諸般の経済情勢あるいは客観情勢の変化というようなことから、その土地あるいはその地帯が非常に開けてくる、そういう場合には当然有償でなければならぬということは私も全く同感でございまして、そういった線で今後指導していきたい。ただ具体的問題といたしまして幾らがいいかとか、その辺の問題はいろいろお話し合いもございます。ただ、北海道電力の管内の線下補償をいま一挙に全部やるということになりますと、またこれはいろいろな問題がありますが、方向といたしましては、それはある程度お話し合いでございますが、それぞれお話し合いによって適当な対価を支払うということは当然であり、また今後そういうふうに指導していきたいと私は考えております。
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泊谷裕夫#16
○泊谷委員 ただいまの答弁でそのくだりはわかりました。
 その次の問題として、北海道では農山村地帯に建設されている電線の関係施設の補償について、十数年いさかいを起こしておるわけでありますが、北海道の実態を見ますと、電柱敷地料の基準料金は、木柱で田の場合三十円、畑の場合二十円、山林その他十円ということになっておりまして、これは九電力会社の中でも最下位にあるわけです。ほかの電力会社と対比してみますと、二分の一ないし三分の一という料金になっております。先ほども板川先生からちょっと触れられましたけれども、日本国有鉄道の場合は昭和二十六年から五回にわたりまして、それから日本電信電話公社は二十八年から三回にわたって、この料金改定を行なっております。一昨年には電電公社の場合、田で八十円、畑五十円と改定されておるわけです。北海道電力は、これに比べてみましても、田の場合で三七・五%にしかなりませんし、畑も四〇%という少額の支払いになっておるわけです。電電公社の八十円の算出基礎を見ますと、これはすでに御承知でありましょうが、借地料相当分、労力損失の二本の柱で組み立てられておるわけでありますが、その中の労力損失だけ取り上げてみましても、農民の一日平均の労働賃金を三百八十三円三十銭、こういうことにしておりまして、一時間当たり五十一円ということに算出しておる。労働省の労働統計調査、これは都市製造工業五人規模以上の男女込みの平均賃金でありますけれども、昨年三月からことしの二月までの一時間当たりは百四十三円十二銭となっております。実際に今日では援農の日雇いを一日頼んでも千三百円ないし千五百円というのが昨年の実態であります。かく考えて電電公社並みの算式でこれを除してみますと、一時間当たりは百八十六円六十七銭ないし二百円ということになるのです。かりに田の場合に例をとりまして、借地料相当分を電電公社並みに押えたとしてみましても、この労働省で発表しました労働損分百四十三円を足しますと最低で百七十五円以上ということになりまして、百八十円は下らないことになると思うのです。そこで数多いデータは別にして、電電の料金でさえ一応改定されなければならぬ客観的なデータがそろっておると思うのでありますが、それよりも低く、同企業内の九電力会社の中で最も低いということでは、どう説明しようとも数多い農民が納得しないのは無理ないことでないかと思うのであります。こういう実情に立って、監督官庁であります皆さんのほうで、この料金の改定についてもすみやかに作業を進めなければならぬ時期だと思うのでありますが、いかがお考えであるか、考え方を明らかにしてほしいと思います。
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宮本惇#17
○宮本政府委員 われわれのほうの調べでも、北電が安いということはおっしゃるとおりでございます。国鉄なり電電は御指摘のように確かに全国一律でございますが、地域の地価の差その他もございますので、全国一律がいいかどうかということはしばらく検討させていただくことといたしまして、北海道電力でも、実はわれわれも申しまして、現在検討中でございます。十分御相談の上、横並びと申しますか、あるいはまた電電公社のいろいろな料金その他も考えまして前向きに至急解決したい、こう考えておる次第でございます。
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泊谷裕夫#18
○泊谷委員 いまのお答えで大体了解いたしましたが、通俗的に土地の話が北海道と本州の関係で出されるのであります。これも正確なデータを調査いただくと大差ないと思いますけれども、先ほど申し上げました算出基礎は土地の部分に触れずに申し上げたので、その点お含みおきいただいて御検討いただき、適切な御指導をいただきたいと思います。
 次に、これも先ほど板川先生が触れられましたが、高圧送電線下の農地使用料の問題、俗にいっております線下補償の問題でありますが、これは昭和三十四年に全国農民連盟、農民の団体でありますが、その被害実態調査を入手したのですが、それによりますと、農作業に与えられる被害として、大雨時に恐怖心で作業を中止したものが全体の六五・六%を占めております。それから線下作業中に、もし切断したらという恐怖心を持っている人々は五〇・六%という数字を示しました。農作物に与える被害として、雨降りのときの大粒しずくが落ちて収穫が減るもの、これが三五・九%、雨のしずくで種がはじき出される、これが二四%、それからスズメが他の地域より多く集まりまして、収穫量に対する被害は三二・八%に当たると発表しておるのです。家屋建築及び農地売買に与える被害として、宅地にできなかったものが二一・二%ある、線下のために不利になったもの一五・四%、こういう実態調査が出ておるのであります。北海道でもカラマツは通常二十五年が好ましいのですけれども、線下空間確保のために十五年で伐採しておる。こういう実情にありまして、植林についての規制、建造物の施設が現実に規制されておる。さらには農地売買に際し、高圧線路下の農地は減額されておりまして、宅地売買では近隣の売買実例価格と比べてみますと、五〇%相当減額されておるというのが実態であります。建設省の公共用地審議会補償基準小委員会の報告書によりますと、昭和三十五年十月十四日、これは大阪府の収用委員会の裁決例でありますけれども、土地収用法の規定の精神及び正当な損失補償の算定の可能な期間の限度として、十年間を使用期間の限界としております。損失補償はまず電線路(空間)となっておりますけれども、使用については、土地価格に年六分を除して得た額の三分の一とし、そして補償金の一時支払いをするために年六分による使用期間の複利年金減価率(七・六三倍)を乗じて土地の使用量を算定するのを相当とする、こういうふうに裁定をされております。そのほかに、監督官庁の指導もあったと思われますが、昭和三十五年の東京電力の中之条県営発電所から高崎までの補償、それから昭和二十九年の四国電力の西条市の補償など、こういうものを具体的に見てまいりますと、北海道電力管内におきます繰下補償の問題につきましても、かりに価格が違ったとしても、繰下補償について具体的にその懸案の処理に当たる時期にきていると思うのですが、先ほど板川先生からお話がありましたように、関係官庁の具体的な調査に基づいて十分討議をして設定をしなければならぬものとは理解しますけれども、当面の措置として、十年以上目をつぶっております問題に何らかの措置をとることが望ましいと思うのでありますが、これについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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宮本惇#19
○宮本政府委員 線下補償というのは、確かに御指摘のように最近はいろいろ問題がございます。全国的に申し上げますと、送配電線の下にある土地が現在一億五千万坪ということで、かりに一坪四十円といたしましても六十億円ということで、なかなか容易な額でございません。しかし、これをほうっておくわけにはまいりませんので、政府といたしましても、実は三十七年の六月閣議決定で公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というのをきめまして、空間の使用にかかわります補償、つまり線下補償はこれに該当するということが規定されておるわけです。内容といたしましては、正常な地代または借り賃による土地の利用が妨げられる程度に応じて、適正に定めた割合を乗じて得た額をもって補償する、そういうことで、要するに妨げられる程度に応じて地代に幾らかの割合をかけたものを補償額とする、というふうな抽象的な一応文句となっております。また、空間の使用が非常に長期にわたるときには土地の正常な取引価格に相当する額に、土地の利用が妨げられる程度に応じて適正に定めた割合を乗じて得た額ということを一時払いとする、というような抽象的な基準はつくったわけでございます。ただやはり方々の地方によりまして土地の値段その他が変わりますにしても、今後の方向としてはやはり一定額の線下補償というものを払うべきであるということは、損失補償基準にも出ておるわけでございまして、今後そういった方向で具体的に、全国一律と申しますか、そういうものの基準ができるかどうかは別として、至急に何らかの結論を得るように措置したい、各電力会社とも相談をいたしまして、目下作業を進めておるところでございます。
 ただ、電線の下の農作物がどういう被害を受けたか、いろいろな実例も伺っておりますが、その辺もなかなか具体的にきまりません。また、最近では送電線の下に家を、八万ボルト以下の送電線の下ではたとえば碍子を整備するとか、そういうことで家が建てられるようにだんだんなってきております。その辺はいわゆる電力側の技術の進歩と相まって、特にこれからますます土地が少なくなってくるということから、電力側もそういう努力でなるべく御迷惑のかからぬような技術的研究も一方に進めまして、そして補償すべきものはするという方向で具体的に進みたい、こう考えておる次第でございます。
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泊谷裕夫#20
○泊谷委員 質問は以上で終わりますが、最後に一つ要請をしておきたいと思うのです。
 全国的な趨勢だとは思うのでありますが、特に北海道の場合、北海道第二期総合開発計画に伴いまして、この法案とはちょっと関連が薄れると思いますが、実態としてお聞き取りいただきたいのですけれども、従来勤労者の所得が当面三十二万のものを昭和四十二年には年間五十二万ないし六十万にしようというキャッチフレーズで作業が進められておるのであります。しかしその数多い農民、約四分の一の農民の人々は、わずか年収十五万というのが実態であります。農民の皆さんは開発計画の犠牲にされて、しかも電気を引いてもらうのも恩恵的なもので、自分たちが負担金を持たなければならぬのになぜ私どもが税金を納めなければならぬのだろう、こういうささやきが出てまいりました。しかし、往年は、農民の皆さんは、すべてのものは、都心部から離れますと電気一つつけるにしてもそれを見合わせられるという体制をとられましたので、全国的な電力会社の趨勢はわかりませんけれども、北電の場合には農民から具体的な要請がない限り、こういう全国的な趨勢というか客観情勢の変化に伴いまして質的な変化をなしておっても、要請がない限り放任をしておくというのが実態でありますから、監督官庁の皆さん方のほうとして、この問題については従前と態様も変わっておるということを十分御承知おきいただきまして、その業者であります北海道電力について適切な御指導をいただきたいということを要請いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
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久保田豊#21
○久保田(豊)委員 ちょっと関連をして。
 線下補償の問題は、私どもが長年農民運動の一環としてやっておるのでありますが、特にほかのほうは、いまお話がありましたように、三十七年六月二十九日の閣議の決定を大体土台にして、郵政省のほうはすでにその政令が出ておるわけであります。それから運輸省のほうも出ておるわけであります。ところが、これは電力のほうは経費が非常に重いということもあって、いまお話のあったように、私どもの調査したところでも、これは三十七年当時の調査ですが、大体線下幅を四メートルと見て、これが全国で大体一億五千万坪あるだろう、こういう推定です。電柱にいたしましても膨大な数、それがおそらく今日では二億坪以上になっているんじゃないかと思う。それにもってきて御承知のとおり大容量化してまいりましたから、非常にあれが上がったわけですね。したがって非常に障害がよけいになってきた。同時に、特に山の中の事情も変わってきましたし、純粋な農村地帯、それからさらに都市近郊の地帯、それから都市、こういうふうに事情が変わってきた。いままでのように線下の土地が農業上多少支障があるという程度の問題じゃなくなってきた。そういうところはもう土地も売れないんです。価格も押えられちゃう。これは線下土地だけじゃない。それに関連する地域では同じような被害を受けてきた、こういうことです。ですからあなたのほうでも三十八年のたしか四月かに、一応新しい通達を出していますね。あれはごちゃごちゃとごまかせという通達でしたね。これじゃしょうがない。そこで非常にむずかしい問題ですが、これはあなたのほうでも何回か手をつけかけようとしたができない。これは電力会社にすれば、電灯料まである程度変えなければ、根本的な解決がつかないかもしれない。しかしこれ以上ほっとくというわけにいかない。そういう経済事情が全般に変わってきたのと、これに関係をする人たちの、要するに権利意識というものが変わってきている。私ども調査したときは、線下土地の九四%はざっくばらんに言って無補償です。そういう状態をこれ以上放置することはできない。不満足であっても、私は、閣議決定のこれがはたしていいかどうか疑問です、疑問ですが、そういう状況の変化を考えて、これは早急にあなたのところで政令をつくる必要がある。通達じゃなかなかだめです。政令を早急に、少なくとも線下補償についての政令くらいのものをつくらなければ問題の解決がつかない。そのために毎年各地でいわゆる線下補償闘争というのをわれわれはやっておる。実際はどうかというと、強く当たればよけい出す。だまっていれば出さない。ボス連中が会社といいかげんな交渉をすればそこだけは出す。あと善意の連中は、何とかいまに解決するだろうとだまっている連中のところには一つも出さない。電力会社のそのほうの係に聞いても、実際問題として四苦八苦です。ここらで何とかはっきりした基準を出すことがぜひ私は必要だと思う。ぜひこれはひとつ思い切って、むずかしい問題ではあるけれども、しかし、この際政令等をはっきり整備する必要があると思う。これはひとつ大臣に、この点についてのお考えをはっきり聞かしておいてもらいたい。これは非常に大きな問題です。
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福田一#22
○福田(一)国務大臣 私は、ごもっともな御趣旨であると思いますので、何とか実現をいたしたいと思っております。ただ法律の条文等々の問題もございまして、条文にあれがないとなかなかむずかしいこともあるわけです。これは電源開発促進法などを改正いたしますときには、ぜひあなたのおっしゃる趣旨を取り入れて善処いたしたいと思います。
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久保田豊#23
○久保田(豊)委員 もう一点だけ。これの六十二条に損失補償の規定があるんですね。これは一時使用その他についてのやつです。これには線下補償は入ってないのでしょう、解釈として。ここに逃げ道がある。本来なら私はこれを議員修正をしたいのです。したいけれども、もうこう追い込まれたんじゃちょっとだめだと思う。だからとにかく政令の制定をするくらいでないと、いままでの通達程度ではなかなかこれは実行できません。このままおけば、だんだん全国的にこういう線下補償闘争というものが大きくなって、われわれはずっといままで十年間指導してきたのですけれども、ますます解決がむずかしくなり、不均衡になって、結局は、最後は、どんなにやっても電力会社の経理に相当大きな影響を及ぼすことになろうと思う。いろいろ電力については、土地その他の補償問題はむずかしい問題が非常に多い。しかし、これが何と言っても一番大きな問題ですから、ぜひ早急に、あなたのほうで何回か手をつけておることは知っておる。知っておるが、途中でみんな腰が砕けて、結局、電力資本の問題があって、腰が砕けてごまかしてしまう。そうして今日までごまかしてきたが、とにかく、ほかの官庁ではすでにやっておるわけですから、あなたのほうだけできないということはないでしょう。この際ぜひこれらは本気に考えてやってください。
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福田一#24
○福田(一)国務大臣 御趣旨に従って、行政面においても一そう強力に推進いたしたいと思います。
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板川正吾#25
○板川委員 補償問題は確かにそういった条項がないのです。ほかの法律では、公衆電気通信法及びその施行令ですね。これで料金の基準というのがある。これは電力と電信との、弱電と強電との差もありますから、それはイコールというわけにはまいりません。しかし、そういう一つの基準があり、また、全国的に調査をしてみますと、やはり一応の基準は出ておるのです。九電力について補償問題の全部が出ておるとは申しませんが、たとえば電柱の敷地料等については全国的に一つの基準らしきものがすでにできておる。あとは線下補償の問題等が加味される。それから発電の場合に、一般の公共用地の補償等についてはいま政府も考えておる、こういう形だと思うのですが、いま、久保田、泊谷両委員も申されたように、この補償問題をいつまでこのままほおかぶりしておくわけにいきませんし、早急に法を整備してもらいたい、こう要請をいたします。
 そこで、補償の問題はそのくらいにしまして、この補償の関係の法律の中で一つだけ疑問点を伺いたいのです。
 この六十四条では原状回復してやるのを原則にしておる。しかし、回復しないときは、通常生ずる損失を補償して、その土地を返還すると、こうあります。原状回復できない場合がある。物理的に不可能な場合がある。その場合、通常生ずる損失を補償する。しかし、その通常生ずる損失について意見が食い違った場合にはどうなりますか。ここで意見一致しない場合、六十三条は、六十二条のことにひっかかっておるのです。六十二条の場合は、通常生ずる損失を補償しなければいけない。六十三条で、前条の規定による損失について意見が一致しない場合には、都道府県知事の裁定を申請することができる、こういっておって、六十四条の原状回復の義務のところで、物理的に原状回復が不可能な場合、山をくずして何かに使った場合に、もとのとおりにするわけにいかないという場合に、補償をしなければいけない。この補償する場合に意見が一致しない場合には、六十三条の手続がとれないのじゃないですか。それは六十三条で、前条の規定による損失の補償については都道府県知事、この場合、どうなりますか、六十四条の場合に。
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宮本惇#26
○宮本政府委員 この六十四条の場合には、もしその損失補償問題でトラブルが起きた場合には普通の一般訴訟という、民事上の損害賠償請求という形をとるということになるわけでございます。
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板川正吾#27
○板川委員 六十四条を六十三条に持ってきて、六十三条を六十四条にするというようなことではおかしいのですか。同じ土地の一時使用のところでしょう。本質的に違っていないじゃないですか。
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宮本惇#28
○宮本政府委員 何と申しますか、理屈を申し上げますと、使うまでのことで済んでしまったものは、つまり六十三条までですね、一時使用とか伐採とかあるいは立ち入り、通行ということで、一応それが終わりましたので、こういう原状回復という場合には、それからあとへ持ってきて、一般の訴訟にするという法律体系と解釈するわけです。
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板川正吾#29
○板川委員 土地の一時使用が終わったときは原状に回復をして、回復できないときは通常生ずる損失を補償して土地を返還しなければならない、これが一般の訴訟によるとかえってめんどうな場合があって、まあ省略的かもしらぬが、六十三条で知事の裁定のほうが簡略じゃないかな、そんなふうに思うものだから……。ではその点はそれでいいといたします。
 時間の関係で大臣に伺います。いま経済企画庁長官に来てもらって、電力事業の企業体制のあり方について意見を承りました。私どもが理解に苦しんでおるのは、一体、一社化というのが、どこが悪いので一社化がいけないのか、これがはっきりしないのです。まあ大臣は、いままでの答弁によると、一社化してごたごたすると二、三年は企業もごたごたして調子が出ない、あるいはサービスが低下するとか、いろいろなことを言われました。しかしそれは、電力事業の国家経済における影響ということからいえば末梢的な一時的な問題です。国家経済の立場からこれのほうが合理的で経済的でいいというなら、私は、一時的なそういう多少の混乱があるとしても、それをやるのが当然の任務じゃないか、こう思うのですが、一社化でどこが悪いのか、大臣にひとつその理由が伺いたい。
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