田中武夫の発言 (大蔵委員会)
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○田中国務大臣 ただいま議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案外三法案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げたいと存じます。
最初に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
国民金融公庫は、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な専業資金を供給することを目的として昭和二十四年六月に設立されて以来、国民大衆の旺盛な資金需要に対処して、その業務の推進をはかってまいったのでありまして、昭和三十七年度末において、その設立以来の融資総額は八千十九億円、その融資残高は一千六百十四億円に達しておるのであります。
昭和三十八年度におきましても、普通貸し付け一千五百七十億円、恩給担保貸し付け百七十億円、その他の諸貸し付けを含めて総額一千七荷六十二億円の貸し付けを予定しているのでありますが、その他の諸貸し付けのうち、農地被買収者で銀行その他一般の金融機関から生業資金の融通を受けることを困難とする者に対し、二十億円の貸し付けを行なうことといたしております。
以上申し述べましたような計画に対応し、必要な資金として三十八年度内に政府資金六百七十五億円を新たに供給することとしておりますが、公庫の経営基盤の一そうの強化に資するため、政府資金のうち二十億円は一般会計からの出資金を予定しておりますので、これに伴い、公庫の資本金二百億円を二十億円増額して二百二十億円とする必要があります。
次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。
日本開発銀行が、設立以来、長期設備資金の融通により、わが国経済の再建及び産業の開発に寄与してまいりましたことは、御承知のとおりでありまして、今後とも同行の業務活動に期待するところはきわめて大きいものがあると考えます。
次に、今回提案いたしました改正法案の概要を申し上げたいと存じます。
第一は、同行の業務として土地造成資金の貸し付け業務を追加することであります。近年、地域間の均衡ある発展をはかるため地域開発がますます重要なものとなっておりますが、この地域開発には企業の進出等に対処するため用地の造成が必要でございます。現行の日本開発銀行法におきましては、自己の事業の用に供する土地の取得につきましては融資を行なうことができることとなっておりますが、このたびこれに加えまして、経済の再建及び産業の開発に寄与する事業の用に供する土地にあっては、譲渡を目的とする土地の造成についても融資の道を開こうとするものであります。
第二は、理事及び参与の増員であります。同行の業務は、設立当初においては基幹産業に対する融資を中心に運営されておりましたが、その後地域開発融資等が加わるなど逐年多様化いたしておりますとともに、その融資残高も昨年十二月末においては八千二百五十九億円の巨額にのぼっております。このような同行の業務の推移にかんがみ、同行の業務の円滑な運営をはかるために理事及び参与の定数をそれぞれ一名増加しようとするものであります。
次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。日本輸出入銀行が、設立以来、プラント輸出金融を中心として輸出入及び海外投資に関する金融を行ない、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたしてまいりましたことは、御承知のとおりでありまして、今後とも同行の業務活動に期待するところはきわめて大きいものがあると考えるのであります。
次に、今回提案いたしました改正法案の概要を申し上げたいと存じます。
第一は、同行の業務として外国政府等に対し貸し付けられた民間資金にかかる債務の保証業務を追加することであります。東南アジア諸国等に対する経済協力の推進はわが国貿易の振興上きわめて重要な課題となっており、すでにインド、パキスタン等の諸国に対して数次にわたり借款を供与いたしておりますが、その供与にあたっては、民間資金の活用をはかるため市中銀行の協調融資を求めるのが例となっております。今回の改正は、市中銀行が日本輸出入銀行とともに外国政府等に対し、わが国からの設備等の輸入に必要な資金を貸し付けた場合、その協調融資分にかかる債務について日本輸出入銀行が保証することにより、市中銀行の融資を容易にしようとするものであります。
第二は、同行の業務としてわが国からの設備等の輸入による債務の履行に必要な資金を外国政府等に対して貸し付ける業務を追加することであります。わが国からの輸入代命等の支払いが、その国の国際収支上の理由から著しく困難な場合に、その国の要請に応じて主要な債権国において債務の履行の繰り延べ等が行なわれることが確実と認められる場合には、日本輸出入銀行が当該債務国の政府等に対し、その債務の履行に必要な資金を貸し付けることができるようにするものであります。
第三は、政府が予算で定める金額の範囲内において日本輸出入銀行に追加して出資できることとし、この場合において同行はその出資額により資本金を増加するものとしようとするものであります。輸出の振興をはかるためには、日本輸出入銀行の資金の充実が緊要であります。このため刑に御審議願っております昭和三十八年度補正予算におきましては、産業投資特別会計から日本輸出入銀行に対し六十億円を、昭和三十九年度予算におきましては同じく二百二十五億円をそれぞれ追加出資することといたしておるのであります。
第四は、同行の業務範囲の拡大と業務量の増大に対処し、同行の業務の円滑な運営をはかるため、理事の定数を一名増加しようとするものであります。
最後に、昭和三十八年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げたいと存じます。
この法律案は、昭和三十八年産の米穀につき、事前売り渡し申し込み制度の円滑な実施に資するため、米穀の生産者が、同年産の米穀を政府に対し事前売り渡し申し込みに基づいて売り渡した場合においては、同年分の所得税について、売り渡しの時期に応じ、玄米換算百五十キログラム当たり千七百五十円ないし千百五十円を非課税とする措置を講じようとするものであります。
以上が国民金融公庫法の一部を改正する法律案外三法律案の提案の理由及びその概要であります。
何とぞ御聴講の上すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。