早川崇の発言 (地方行政委員会)
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○早川国務大臣 警察官の処遇の問題で一番心をいためるのは、住宅の問題でございます。大体平均二号敷きくらいの居住に甘んじている人が、昭和三十七年六月一日現在で一八・二%でございます。そのために私たちのよく聞くのは、せっかく婚約ができておっても、犬小屋みたいなところへ来たために、親がこれはどうにもならぬというので、結婚ができないという残酷物語もよく耳にするのであります。私は昨年末警視庁管下の警官諸君の住宅事情を視察いたしました。総理大臣の護衛に当たっているあの裏の独身寮を見ましたけれども、四畳半に四、五人ごろ寝をしておるという姿を見まして、私は非常に心を打たれました。また一般の警察官が焼けビルのあとの、ちょうど戦争直後のバラック建てのようなところに四人、五人の家族の人たちが入っておる。しかも私が心を打たれたのは、警官の誇りを持っておるので非常に清掃がよく行き届いておる。私はふしぎに思ったのですが、奥さんもみんな美人です。美人というのは、いわゆるきれいなんですな。そうして夫が六十二時間の勤務で帰ってくる、何とか心づくしをしてやりたいという奥さんの心づもりで、六畳くらいのところに五人家族ですけれども、必ず金魚ばちと鳥かごをつってある姿を見まして、私は非常に目がしらが熱くなりました。こういうことをほっておいて、治安の確保はできない。そこで何としてもひとつ住宅だけは早急に整備したいと考えまして、来年度予算におきまして従来の待機宿舎に対しまして三倍の予算をつけることにいたしました。待機精舎の三倍増強。そして私は二年間で住宅不足を解消したいと思っておりましたけれども、まあ三年で最小限度の住宅不足を解消するという措置をとって目下予算に計上しておるわけであります。これと同時に待機宿舎に入らない一般の警察官に対しましては、共済組合の資金、起債を通じまして、一般警官も大体待機宿舎とほぼ同じ程度の宿舎をつくりたいと思っておりますので、三カ年間には二割の警官がいまどうにも困っておる最低の住宅難は、解消できるものと確信をいたしております。
もう一つの問題は、少年犯罪の問題ですけれども、御指摘のように刑法犯の三割をこえる、特に凶悪犯罪の四割が二十歳以下の青少年によって犯されておるという事態は、ほんとうに憂慮すべき段階であります。しかしこれは警察だけでは片づかない問題、政治全般の問題でございまして、まず学校教育の面あるいは社会環境の浄化の面、マスコミの御協力、それにも増して人生の価値は何ぞやという人生観の問題、すべてがからむ問題でございまするが、警察当局としては自分の持ち場でできるベストを尽くしたい、かく考えまして、不良環境である、不良化の温床である深夜喫茶なんかも廃止することにきめました。また少年担当の警察官もふやしまして、少年係は警察官であるとともに、非行少年に対しては町の教育者として接してもらいたいと訓示いたしております。われわれの主張によりまして、青少年の非行化を未然に防止するための補導センターを、学校の先生と警察官、民間人、全部が相談して補導していく補導センターを全国で九十二カ所来年度につくりまして、それからこれまた私の提案でありましたが、学校に非行少年を補導することを専門に考えていく専門の補導教官、これはコンサルタントとか、カウンセラーというものですが、これを新たに国の定員として来年度やることになりまして、すでに各府県で自主的にやっている県がたくさんあります。そうして非行化を未然に防止するために家庭にも行く。いまは英語とか国語とか、専門の教員ですから、子供の不良化なんかに対してはあまり情熱を持たない方が多い。そうではなくて、一生を台なしにする青少年の非行化という問題について補導を専門にするカウンセラーを中学校、高等学校に置くことになりまして、これを全国的に全部というわけにはいきませんが、暴力的な非行化の多い学校、東京でもずいぶん成績を上げておるようであります。まあそういったことをやりながら、青少年犯罪を未然に防止していくということに対しまして全力をあげていこう、それから各府県で青少年保護条例というものをつくりつつあるところもございます。神奈川県しかり、警察としてやり得る力がこの問題については限られておりますので、それによって非行青少年が減るとは思いませんが、学校当局、家庭、社会環境、マスコミ、あらゆる政治の総力をあげまして、幸い総理府に青少年局というものができますので現在の日本政治の大きい悩みであり課題である非行青少年問題に真剣に取り組んでまいりたい、かような念願でおるわけであります。