川村継義の発言 (地方行政委員会)
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○川村委員 ただいまお手元に配付いたしました奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案に対する日本社会党提案にかかる修正案につきまして、私から提案の理由を御説明申し上げます。案文はお手元に配付いたしておりますので、朗読は省略させていただきます。
御承知のように、本案は、奄美群島の特殊性にかんがみまして、復興十カ年計画に引き続き、新たに振興五カ年計画を策定して、復興計画を補完するとともに、主要産業の振興を中心とする事業の推進をはかることを目的として提出されたものでありますが、今日まで当委員会で慎重かつ熱心に審査を重ねてまいりました結果、本改正案中、奄美群島振興信用基金の融資業務に要する資金に充てるため、国は予算で定める金額の範囲内で出資することができる旨の改正規定につきましては、これを削除して、現行法の規定を存置する必要があるものと認めた次第であります。
すなわち、本改正案によりますと、基金の融資業務に要する資金として国の出資額を増加するときは、今後は当然に資本金が増加することとなるように一般的規定を設けております。
つまり、これまでは立法事項として奄美群島復興信用基金への出資額についてはもとより、われわれが多大の関心を寄せております奄美群島の復興事業の実態、その進捗状況等につきましても当委員会において不十分ながら論議を行なうことができたのでありますけれども、今後は、本改正案によりまして、国会における審議の場ははなはだしく狭められ、ほとんどシャット・アウトされたも同様の結果となるわけであります。この点につきまして早川自治大臣は、法律上は公営企業金融公庫等、他のこの種法案と同一歩調をとり、政府の統一的見解としてかかる措置をとったと申されるのでありますが、そもそも奄美群島振興信用基金への出資の事例と、他のこの種法案とを同一に、そして機械的に取り扱うこと自体に根本的な誤りがあるのではないかと考えまして、きわめて遺憾な事態であると断ぜざるを得ないのであります。
すなわち本改正案審議の段階でも明らかになっておりますように、奄美群島の復興につきましては、今回は復興計画を振興計画と改めてはおりますけれども、今日なおきわめて多くの問題点を蔵しているのでありまして、この点は政府当局も十分認めているところであり、かつ本改正案で示されている奄美群島振興五カ年計画もいまようやく緒につこうとする段階であり、計画そのものが現在のところ未確定であります。奄美群島が今後はたして本改正案により所期の目的どおり着々と振興していくかいなか、それはわが国経済の将来とも関連いたしまして、全く未知数といわざるを得ません。加えてこの融資業務の資金は、公営企業金融公庫等の資金とは異なり、奄美群島の個々の住民を対象とするものでありまして、その性質を異にしておりますばかりでなく、奄美群島の振興にも直接つながる重大な要素を持つものであります。しかるがゆえに私どもは、このような重要な事項は当然法律上明らかにすべきであり、立法手続を経ることによって、今後とも従来どおりに奄美群島振興の諸問題につきまして、着実にその実態を把握し、その振興の動向を見きわめたいと存ずるのであります。
以上がこの修正案の趣旨及びその概要であります。何とぞ皆さま方の御賛成をお願いいたします。
私はこの際、ただいまの修正案に皆さま方の御賛同をいただけるものとは存じますけれども、この修正案が否決にもしもなるということになりますと、たいへん残念ながら、心ならずもわれわれは反対を表明せざるを符なくなるわけでありますから、この修正案提案に敷衍して私たちの立場をいま一応申し上げておきたいと存ずるのでございます。
私たちは、この法案の本質的なもの、あるいはその内容そのものに反対しているのではございませんで、政府のほうから提案されましたこの法案が、いま修正案に申し上げましたとおりに、国会審議の軽視に、そういう態度に抗議して反対せざるを得なくなるわけであります。この点明らかにいたしまして、以下、二、三の所見を申し上げておきたいと存じます。
公庫や基金に対する出資額を法律事項から除く政府の考え方は、私たちに覆わせますと、国会の審議を逃避しようとたくらんでいるのではないかということが感知されるのであります。すなわち第一に看過できない問題は次のことであります。予算事項であるから何も審議権を剥奪しているのではない、予算委員会で十分審議が尽くされるのではないか、あるいは当該委員会で審議することができるのではないか、こういうような議論も成り立つかもしれません。しかしその予算の範囲内でということは、当初予算で、あるいは補正予算で、必要に応じて必要な出資額を計上することができるという、そういう幻想を持ってはいけないと私たちは考えるものであります。今日のこの奄美復興の基金の出資にいたしましても、わずかに五千万円の増額を当初予算に組んでおる、公営企業公庫の出資もわずかに一億を見ているだけでありまして、政府が当初予算においてさえもこのような少額の出資しか考えないような状態において、予算の範囲内でというようなことで思うように補正予算等で増額ができると幻想することは誤りであると思うわけであります。したがってわれわれは、われわれが期待するところの出資額を政府に増額させるためにも、そのつど十分なる審議をして、その必要性を認めさせていくことが大事ではないか、そういう意味で国会の審議の場に乗せるということを大前提としなければならない、こう強く考えるものであります。委員会の審議の場があるではないかという議論も成り立つかもしれませんけれども、予算委員会でこの出資に基づいて、あるいは奄美振興の計画それ自体について微に入り細に入り審議するということは、おそらく時間的にも物理的にも不可能であります。この地方行政委員会の立場を考えても、もしもさきの地方公営企業金融公庫が、予算の範囲内でということでありまして出てまいりませんならば、この審議の場に乗せられるということがなかったならば、今日重大化しておるところの地方公営企業そのものに対しての各委員の皆さま方の十分なる御審議は、おそらくできなかったと思います。奄美群島の振興の問題にいたしましても同様なことでありまして、これがこのまま通過いたしますならば、五カ年間は、いうならばそのままであります。もちろん委員会で取り上げることは、それは不可能ではありませんけれども、委員会は提案されるところの法律案そのものに追いまくられて、次から次に審議を進めておりますから、奄美群島振興の問題をあらゆる角度から取り上げて審議するという機会はなかなか得られないのであります。そういう点からいたしましても、特にこの奄美群島の振興の重大性に考えてまいりますと、やはり法律事項としておいて、そうして、審議の場に乗せて、あらゆる角度から審議をしていくということは当然でありまして、そうすることが、そのような手続を経ることが、私は政府の責任でもあろうと思うのであります。そういう点から考えてまいりますと、ぜがひでもひとつこのわれわれの修正案を、全員一致をもって御採択くださることを心から念願いたしております。そのことが奄美振興の根本的態度であり、また必要な最大の措置である、このように痛感するものであります。
どうぞひとつ皆さん方の御賛成をお願いすると同時に、われわれの所見を申し上げておきたいと存ずるのであります。