与謝野秀の発言 (オリンピック準備促進特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(与謝野秀君) オリンピック記録映画の製作に関する今日までの経過につきまして概略の御説明を申し上げます。
この記録映画は、ローマオリンピック大会が行なわれます前から監督の黒沢明氏をお願いするという方針が立てられておりました関係上、この制作も、東宝及び日映新社という両社に制作を委託されるということに大体内定しておったのでありますが、一方、黒沢監督が種々の都合から監督を引き受けることがむずかしくなったという事情がございました。また、他方、他のニュース映画六社から、日映新社一社に委託するのはおかしいではないか、国家的事業であるから全部で共同してやるべきだという声が上がりまして、東宝も、それではというので、みずから辞退されたわけでございます。
そこで、ニュース映画七社、日映新社を加えました七社に委託して制作を行ない、また配給に関しては、映画の五大会社の社長で構成している映画連盟というものがございまして、そこで研究していただく、こういう方針できまりまして、いよいよ東京オリンピック映画協会というものを七社で設立することになりましたが、これも、こういう重要なものを扱うわけでございますので、社団法人として認可を求めておりまして、ことしの一月に、この社団法人東京オリンピック映画協会は文部省から認可されたわけでございます。この間にも、すでに七社の報道、ニュース・カメラの人たちが東京オリンピックに備えまして、昨年十月行なわれた東京スポーツ大会でいろいろと撮影を行ないまして、研究をし、実験を進めてまいったわけでございます。
その後、映画協会が設立された後に、黒沢監督にかわる、どなたかいい監督はないかというので、いろいろ物色されたのでありますが、結局、大映の市川監督が総監督としてこれをお引き受けくださり、また同時に、技術監督として、日本のカラー映画の権威である碧川道夫氏が技術監督に就任されることにきまりました。また、当時映画協会の協会長であった田口助太郎さんが、他の職をすべてなげうって、これに専念してくださることになりました。プロデューサーということをお引き受けくださったわけでございます。その後、ことしになりまして、各競技場の室内の照明であるとか、その他いろいろ映画作製に必要な調査等を行なって今日までまいったのでありまして、また、シナリオライターに和田夏十氏以下のスタッフがきまりまして、大体シナリオの原本もでき上がったわけでございます。
また同時に、この映画関係を、撮影を担当する人たちと協議するために、組織委員会の中に記録映画委員会をつくりまして、各方面の権威者に入っていただきまして、また、各競技場と非常に密接な関係があるものでありますから、記録映画制作連絡協議会というものを、各競技団体の代表一名ずつと、この映画協会のスタッフ及び組織委員会のスタッフでつくりまして、打ち合わせを行なっております。
すでに、撮影はいろいろな点で始まっておるのでありますが、今般ギリシャへ聖火を受け取りに行きました一行にも記録映画の人たちが同行しておりまして、すでにギリシャから途中の映画を撮影している、こういう状況でございます。
また、今月に入りましてから、田口プロデューサーの補佐として東宝の谷口千吉監督が就任され、また、音楽の担当に黛敏郎氏が就任され、いろいろ陣容を整えて遺憾なきを期しているわけでございます。
ただ、まだ未定になっておりまする部分は、その配給の問題で、五大映画会社の社長同士の話し合いで大体話がついておるのでありますが、まだこまかい点で最後の打ち合わせというところまでいっておらない。こういうのが現状でございます。
以上、簡単でございますが、概括的に御報告いたします。