与謝野秀の発言 (オリンピック準備促進特別委員会)
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○参考人(与謝野秀君) 河野委員の御質問にお答え申し上げます。
ただいまおっしゃいましたとおりの経過と申してよろしいかと思うのであります。昨年ガネホの大会が開かれましたときに、国際陸連は、ガネホの大会に参加した選手は東京オリンピック大会に参加できないぞという予告を、警告を発したわけでありますが、しかし、ガネホの競技大会は多数の参加選手をもって開催されたわけであります。これで、われわれとしては、この問題がオリンピック間近になって、予告どおり大会には出られないのだぞということになっては、なかなかうるさい問題である、先ほどおっしゃたようなアジアでの大会にアジア人が何とか参加できるよう特に優秀な選手もその中に含まれているというようなことで、日本の陸連のほうから打診が行なわれた。また、日本の陸連の代表が外国に参りまして、国際陸連の首脳部と話したときに、やはりこの問題が出て、日本側の気持ちというものは向こうに伝わっているのであります。が、組織委員会としては、直接国際陸連と交渉する立場になく、これは日本陸連を通じてやるべきものでございますが、たびたびブランデージ会長が来られたときも、この問題について話し、またそればかりか、当時来ておりました北鮮の代表とブランデージ会長が会うのをあっせんいたしましたこともあります。また、この七月には、特にこの問題について国際陸連の意向を打診し、日本側の気持ちを伝えるために組織委員会の渉外部長をロンドンに派遣したということもあるのでありますが、国際陸連の立場というものは、そういう考慮にはどうも動かされない、既定方針は堅持していくというふうに、ずっと進められてきたのであります。そこで先ほどお話しのような、国際陸連に肩書きを持っておる浅野陸連の副会長から、また何とか妥協案はないかというようなことで、国際陸連の会長のほうに私案を出されたようでありますが、それはいけないのだというような、結局否定的の回答が参っておる。
結局、われわれが判断いたしまして、国際陸連の態度は相当かたい、もう最終的の決定というものではないにしても、これに対して誤解している向きもあって、日本でやるのだから日本の組織委員会が許せばどんな選手でも参加できるというような誤解があって、あとで紛糾の種になっては困る、非常にむずかしくなった状態で、しかも国際陸連の決定にまつべきものである、せっかく参加したいというアジアの選手、人情論として迎えたいのでありますが、その人情論も組織委員会はどうするわけにもいかないで、やはりルールを守っていかなければならないという立場を宣明するために、私は一応談話を発表したのでありますが、この談話を発表するのは、同時に国際水連というものも同じ立場でガネホに参加した選手の資格を停止しているのでありますが、国際水連は案外甘いのじゃないかと、非常に寛大な措置をとるのじゃないか、国際水連がとったら、陸連一つになるから、国際水連でさえこういう寛大な措置をとったんだから、陸連のほうも考え面してくれと、こういうことになるという希望も多少持っていたのでありますが、国際水連の会長のほうから、やはり国際水連の理事をしている日本側の委員に、これはやはりだめなんだという非常に強い意向が伝えられたのでありまして、両方の国際連盟がこう強い態度で出ては、ガネホの参加選手というものは、ほとんど不可能に近い状態になったんではないかと、こう認められましたので、誤解を避けるために事態を明らかにし、同時に——たとえば北朝鮮の場合は国際水連とは関係なく参加できるのであります。なぜかと申しますと、ガネホに参加したときには、北朝鮮はまだ国際水連に参加してなかったんであります。参加前の問題をとやかく言うことはない。したがいまして、北朝鮮に対しては陸上競技だけが問題になる。また、インドネシアその他の国に関しては陸上及び水上でありますが、インドネシアはみずから水上連盟からさきに脱退していますから、自分のほうから先に出ないようにしていると、こういう状態にあります。しかしながら、オリンピックは二十種目ありまして、この一つないし二つ出られないにしても、他の競技では堂々と参加できる、こういうことでありますから、ぜひそういう種目に参加していただきたい、こういう意味で談話を発表したわけであります。
また、北朝鮮の選手がオリンピックに参加するのには、昨年来いろいろな問題がありまして、国交のない国の選手、その国の旗がどうなるというようなこともあったんでありますが、すべてを一つ一つ解決して、北鮮の選手が参加できるようにいたしてまいって、この点は北鮮側で非常に努力を買ってくれているのであります。きょう、代々木の選手村で開村式がございました。北鮮の国旗が堂々と上がったのは、きょうが始めてと、そのくらいの措置をとっているのでありますが、何ぶんにも、国際陸連の決定には従わなくてはならない、こういうことでございまして、まあ、事態は非常に北鮮側にとって気の毒でありますが、こういうことになっているわけであります。また今日、新聞でも、さらに国際陸連の強い態度を再確認するような声明を国際陸連の会長が出されたという報道がございまして、おそらくこれも事実だろうと、こう思われている次第でございます。
以上が今日までの経過でございます。