高橋幹夫の発言 (オリンピック準備促進特別委員会)

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○政府委員(高橋幹夫君) オリンピック東京大会におきますところの警察活動の概要について御報告申し上げますと、表題には保安防犯等の準備対策とございますが、警察の活動は、交通警備、保安、防犯等の対策でございますので、概要について御説明を申し上げます。
 その前提といたしまして、オリンピック開催時におきますところの一般的な情勢というものがどういうふうになるかという点について、簡単に情勢見通しというようなものについて御説明を申し上げます。
 オリンピック開催時におきますところの人口というのは、昼間人口がどのくらいになるかということ、これは大会時に他方から上京する者あるいは外国の観光客等を含めまして、昼間人口は私ども約一千二百五十万から千三百万と推定をいたしております。
 その次に、自動車交通の関係でございますが、自動車の台数はおそらくオリンピック開催時におきましては、自動車は九十六万から百万台に達するであろう、こういうふうに考えておりまして、これらの自動車がいろいろ都内を動くということ、いわゆる自動車のトリップと申しますか、こういうものを計算いたしますると、都心部において平均六%の伸び率、山手周辺部において平均一〇%、外周部におきまして平均一二%の増加をしているということで、おそらくこういうような伸び率でいくであろうということを予想いたしております。ただこの際、オリンピック関連道路がそれぞれの時点におきまして完成をいたしますので、部分的には道路の交通処理能力というものは相当増大をするであろう、特に御承知の青山通りとか、あるいは玉川通り、あるいは環状七号線というものは平均三五%から三六%の余裕を生ずるであろうというふうに思っております。なお、高速道路四号線もでき上がりますので、これと並行いたしますところの道路についても余裕が生ずる。ただ問題は、後楽園の周辺、あるいは早稲田の周辺等におきましては、必ずしも道路が改良されておりませんので、交通処理能力を交通量が約二五%上回るであろうというふうに考えております。したがって、一般的にオリンピックが行なわれますところの主競技場並びに選手村その他の周辺におきますところの道路交通事情というものは、大幅に改良されますけれども、道路事情の改良されないところの後楽園周辺等におきましては、相当交通事情が悪いということがいわれると思います。
 なお、犯罪の発生というものがどういうふうになるかという点で、これはまあいろいろ私どもが過去の統計、現在の統計を考えまして、オリンピック開催時の三十九年には約二十四万一千件の犯罪が、これは年間でございますが発生をする。特に予想される犯罪としては、入場券の獲得をめぐるところの通称ダフ屋、あるいはショパ屋、あるいは行列割り込み等の小暴力事犯、あるいは雑踏時におけるところのスリ、あるいは暴行傷害の事犯、自動車盗とか、車上ねらい、あるいは外国人選手、外国人観光客、国内の観覧客に対しますところの不当な客引き、あるいは売春、わいせつ事犯等の暴力事犯、あるいはその他いろいろな外国人を対象とするところの犯罪が起こるというふうに一応予想いたしております。特に私どもが一般情勢の中で、特別な情勢見積もりとして重要視いたしておりますのは、開会式と閉会式当日、どういうような雑踏の交通事情になるであろうかということが一つの私どもの関心事でございます。開会式当日には、国立競技場内外に約二十万と一応私どもは推定をいたしております。まあ場内十万、場外十万。場外十万の推定については、いろいろな考え方があるかと思いますが、そういう意味で多数の観衆が予想されるということと、約八千台のオリンピックの関係の自動車交通の発生が予想されるという点でございます。これらの交通雑踏現象に対しましては、開会式終了後の国鉄信濃町、あるいは千駄ケ谷駅の混雑は異常なものが予想されるというふうに判断をいたしております。したがいまして後ほど申し上げますが、これらに対する警備交通の対策というものに一つの重点を置いております。
 さらにマラソン及び五十キロ競歩の当日でございますが、これにらつきましては、甲州街道の交通量をいかに削減をするかというのが問題でございます。この点につきましては、過去二回毎日マラソンと朝日マラソンの貴重な経験を私どもは持っておりますので、私どもは甲州街道の交通制限と交通量の削減につきましては、相当な確信を持っておりますけれども、おそらく本番になった場合に、沿道に百万の観覧者が集まるという場合に対するところの雑踏警備の問題が一番大きな問題である。特に外国の一流選手が甲州街道をマラソンする。特にただで見られるということが非常に大きな問題でありまして、競技が非常に白熱をした場合におきましては、いわゆる観衆の興奮というようなものと関連をして、におけるところの百万の観衆の雑踏警備というものが非常に大きな問題であると判断をいたしております。
 その他の競技当日の情勢は、たとえば明治オリンピックパーク内は、国立競技場約八万、東京体育館の六千、同プールの三千、秩父宮ラクビー場の二万、約合計十一万余の観衆が連日集まる。あるいは八王子を中心としたロード・レースとか、あるいは駒沢公園におけるところのいろいろな問題というふうに、いろいろその他の会場におけるところの問題はございますが、これは私どもとしてはそうたいした問題ではない。しかし、もとより万全の警備交通対策はいたしたいと考えております。
 次に、交通警察の活動の重点でございますが、これは選手並びに大会関係者をいかに一般交通の中で円滑に輸送を確保するかという問題であります。したがいまして、輸送道路の確保という点につきましては、私どもは交通規制あるいは駐車禁止とか、右左折禁止とか、一般交通乗り入れ制限というような交通規制を実施いたしまして、選手団の輸送、大会関係役員の輸送というものについては万全を期したいというふうに考えております。特に国立競技場と選手村、国立競技場とその他のいろいろな各種競技場との問題でございます。それから競技場周辺の活動でございますが、これは一般の交通とオリンピックにおいて特別に生じた自動車交通との関係、あるいは人が集中するという関係をいかに円滑にさばくかということが問題でありますが、このためには一般交通の交通削減、あるいはオリンピック関係交通の集中化の分散対策、交通規制あるいは信号機改良による道路交通、特に玉川−青山通りにつきましては、いま現在試験実施をいたしておりますところの、第一京浜につけておりますところの系統式自動感応信号機を備えつけたいというふうに考えております。特に国立競技場周辺におきましては、内周遮断線というものと、外周制限線というようなものを設けまして、路上の駐車の禁止とか、あるいは一般車両の乗り入れ禁止というような交通の制限をいたしたいというふうに考えております。外周制限線は原則としていま申し上げたような開会式、閉会式の当日、あるいは特に人が集中するであろうと思われるような当日でございます。それから国立競技場以外の競技場に対しましては、いろいろな交通対策を考えまして、それぞれ実情に即応した対策を立てたいというふうに考えております。
 マラソン競技に伴う交通警察につきましては、毎日マラソン、朝日マラソンと全く同様のやり方をとりまして、事前における強力広範囲な広報活動によりまして、一般交通量を削減いたします。この際にいわゆる山梨、神奈川その他の近県の交通量を振りかえる、あるいは削減をするというような措置をとらなければならないというように考えております。しかし、いま申し上げたように、過去二回におけるところの経験もございますので、マラソンの交通規制というものについては確信を持っておりますが、ただ雑踏警備につきましては、万全の対策を講じたいというふうに思っております。五十キロ競歩及び自転車ロード・レースにおきましても、マラソン競技と全く同様の交通対策をとりたい。もう一つは聖火リレーの問題でありますが、これも東京都内における聖火リレーのコースが決定をいたしましたので、この聖火リレーのコースの交通規制、あるいは警備活動というようなものもひとつ重要な問題であります。
 ただ問題は、ここでマラソンの問題に関連して、一番私どもが頭を悩ましているのは、マラソンの選手が一体平素どういうふうな方法で練習をするかということが大きな問題であります。練習のためにいつも甲州街道を交通制限するということは非常にむずかしい問題でありますが、そこで、いろいろの一般交通に支障を及ぼさないという観点から、片側をどういうふうに使うか、あるいは三分の一車道をどういうふうに使うかというようなことで、今から競技団体の皆さん方といろいろ連絡をして頭をいためている問題は、路上競技の練習地におけるところの交通警察活動というものが一番大きな問題でございます。
 次に、駐車対策は、これはオリンピック組織委員会が主体となりまして、今まで関係者が集まりまして、大体のいわゆるオリンピック憲章に定められておりますところの駐車場を確保すべき車両に対する対策はできております。一般観客につきましては、なお検討中でありますが、これは相当むずかしい問題でございます。なお、外人が使うハイヤー、タクシーの問題とか、バスの問題、あるいは国内の団体の用いますバスの問題につきまして、いわゆるタクシーウエイあるいはバスウェイというようなものにつきましては、それぞれ運輸省なり関係者と連絡いたしまして、それぞれの場所にタクシーウエイ、ハイヤーウエイ、バスウェイというものも考えておりますが、一般交通に支障を及ぼさないという前提に立ちながら、いかに調整するかということで、それぞれこまかく現在つめている段階でございます。
 次に、警備の問題でございますが、警備は警視庁に最高警備本部を設置いたしまして、総監が直接これを統括いたします。関係機関と十分な連絡をはかり、国民に対する事前広報を活発にする。国民の支持と協力を得るように努める。警察官はいろいろなパイプ製の馬とか、その他の資材を使いまして、観衆を整理誘導する、これらの資材につきましては、オリンピック組織委員会において予算が獲得されておりますし、また私どもとしましても、平素使っております警備資材を十分に活用いたしたいと考えております。なお、天皇、皇后、皇太子、妃両殿下、あるいは政府その他の国内要路者、あるいは外国の元首、要人等の警衛、警護の問題につきましても、関係者と十分連絡いたしまして、身辺の安全というものについて、十分安全をはかるということに配慮をいたしたいと考えております。
 先ほど申し上げましたように、式、閉会式当日の交通活動と同じように警備警察活動も非常に重要でございます。特に閉会式、開会式終了後におけるところの国鉄、地下鉄のもより駅、あるいは先ほど申し上げた信濃町、あるいは千駄ケ谷というような所に対していかに観衆を整理誘導するかということは、警備の最もポイントでございます。これらに対しまして十分な警察力を使って考えていく、あるいはマラソン及び五十キロ競歩の警備活動、これらのために警察官を動員いたします数は、少ない日で六千人、多い日で二万四千人ということに私どもは現在計算をいたしております。なお必要に応じまして、警視庁で足りないと思われる人間に対しましては、現在警察庁で約二千人から三千への間の警察官を地方から東京に招集をいたしまして、警視庁に協力させるという脅え方で進んでおります。
 その他の警察活動といたしましては、先ほど申し上げました防犯、保安の問題でございますが、この大会中においていわゆる犯罪の防止に当たる、特に選手、役員、外人観光客、あるいは地方からの上京者というような国内の観衆の安全と警護をはかるということ、特に犯罪の防止に当たるということが非常に大事でございます。相当多くの警察力をこれに割愛をいたしますために、背後の関係の防犯あるいは犯罪防止の関係がおらそかになってはならないというので、関係の団体の御協力を得ていわゆる警察力の手薄になったところの防犯対策、犯罪の予防というようなものに十分配慮をいたしまして、首都の治安維持の万全を期したい、こういうふうに考えております。防犯活動といたしましては、競技場及び選手村施設等に対するところの防犯診断及び指導、ホテル、旅館等に対する防犯指導、暴力的不良行為等の取り締まりの強化、風俗的有害環境に対する浄化活動の徹底、少年補導活動の強化、あるいは防犯燈の増設及び整備の促進、特に選手村周辺におきまするところの防犯燈なり街路燈の増設及び整備につきましては、東京都その他の関係者の御努力によって、大体めどができております。地域層位者等によりますところの防犯組織の自主的活動の促進、あるいは首都美化推進運動への積極的な協力というようなことにつきまして私どもは重点を置いて、防犯保安対策というものを考えておるわけでございます。特に選手村周辺には、渋谷という盛り場を控えておりますので、渋谷周辺の盛り場の浄化というような点、その他一般的に外人観光客に対するいろいろな問題につきましては、十分関係者との連絡を密にいたしまして、オリンピック期間滞在中、不愉快な思いをしていただかないというような点について十分配慮をして、警察のやり得る努力をいたしたいというふうに考えております。
 私どもといたしましては、いま申し上げたような点について、警察活動の全般を、そういうふうな方面について重点を置いてやっておりますが、なお、東京ばかりでなく、神奈川、長野、埼玉、千葉にそれぞれ施設がございますので、それぞれの県におきまして、それぞれ警視庁と同じような警備、交通、防犯その他の対策を練っております。近く関係者を私のところに招集いたしまして、それぞれの計画の内容について、さらに細部の精緻を期し、綿密な計画をつくって実行に移したいというふうに考えております。特に問題になりますのは、神奈川のバレーボールの会場と、それから埼玉のボートの漕艇場、この二つが近県としては観衆が集まり、いろいろな点で問題があるかと思いますが、いま申し上げたような点で各県を指導いたしまして、それぞれの警察活動の対策を十分立案して御期待に沿いたいというふうに考えております。
 以上簡単でございますが、オリンピック東京大会時におきますところの警察の考えております警察活動の概要とその対策について御報告申し上げます。

発言情報

speech_id: 104613811X00319640213_002

発言者: 高橋幹夫

speaker_id: 27411

日付: 1964-02-13

院: 参議院

会議名: オリンピック準備促進特別委員会