海原治の発言 (内閣委員会)

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○説明員(海原治君) ただいま、いわゆるアンチ・ミサイル・ミサイルの研究開発の実態についての見積もりのお尋ねでございましたが、これにつきましては、私どもの中の専門家の研究の、と申しましても、いろいろと関係のいわゆる文書につきましての研究と、理論的な面での推論と、この二つから出ることでございますので、当然推論の域を出ないものでございますけれども、その結果は、理論的には現在米ソ双方ともにこの可能性についての原理は完全に握っている。しかし、それを現実のものにしますときにはまだ三、四の解明すべき点があるのでございます。そのためには、なお数年かかるであろう、簡単に申しますと、こういう見積もりを持っております。そういうことは、あらかじめ軌道のわかっておりますICBMを撃ち落とすことはできますけれども、現実の場合を想定しましたときには、そのとおりと本物との見分けが大切でございます。このおとりと本物との見分けをする実は時期が非常に問題でございます。当然おとりというものは、本物にそっくりのものがおとりになるわけでございますから、おとりと本物とを見分けて、しかも、見分けたあとで、要撃のためのミサイルを放って、これが味方のところに落ちる前に破壊する、この時間というものは非常に短こうございます。その辺に、実際理論上の問題がある。実際理論上は解明していくと、こういうように私どもは承知しているわけでございます。
 次は、情勢判断の問題でございますが、先般、衆議院の内閣委員会におきましても、この問題が出まして、将来の日本の安全のためには、私どもといたしましては、核兵器による抑止力というものは、あくまでアメリカの力にたよる。そのアメリカの報復力のもとで、私どもは地域的な、地方的な抑止力の役目を果たす、こういうことを申し上げたいと思います。
 核兵器力だけで、絶対に戦争あるいは紛争というものが防止できませんことは、朝鮮事変においても明らかですし、また、仏印戦争でも、あるいは現に南ベトナムにおきましても紛争が起きております。核兵器だけで、世界じゅうの紛争が防止できるものでない。さらに、地域的な紛争というものに対処するには、当然に従来の、いわゆる在来型の武器というものがその主要兵器になる。これも一般に考えられておりますので、この核兵器による抑止力と、一般の在来型兵器を用いましての抑止力あるいは報復力というものが巧みに調整されまして、初めて平和、安全というものが確保されるのではないか、こういう考え方については、今後相当な間にわたって変化はないものと考えております。
 この点につきまして、たとえば、アメリカの国防長官の演説あるいはことしの一月に出されましたステートメントを読みましても、最も困難な問題というのは、世界の多くの地域で中規模な挑戦に対処することである。いわゆる核の撃ち合いによる第三次戦争というものはまずあり得ないということであるが、この中規模な挑戦というものは、至るところに存在する。これに有効に対処するということが非常にむずかしいことであるのみならず、そのことが関係の国にとって最も大事なことである。こういうことを繰り返して述べておられます。
 私どもも、そのような考えを持っておりますので、当然に三次防の前提といたしましては、われわれの置かれました地位を考えますと、万一の事態に対処するために必要な力というものを整備していきたい、こういうことを考えておる次第でございます。

発言情報

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発言者: 海原治

speaker_id: 4884

日付: 1964-07-13

院: 参議院

会議名: 内閣委員会