大平正芳の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(大平正芳君) 基本方針につきましては、総理大臣から御答弁があると思いますが、私どもが超党派外交につきまして考えておりまする問題点につきまして御報告いたします。
 超党派外交は、外交政策に対する国民的な基盤をより広く確立する意味におきましても、外交政策の継続性を保障する上から申しましても、また、外交折衝にあたりまして、わがほうの立場を強くする意味から申しましても、また、外交政策が過激にわたらぬように保障する上から申しましても望ましいことでございますが、他面、機密の保持とかあるいは責任の所在でございまするとかいうような点において若干のデメリットを伴うものだと思います。英国、ドイツ、フランス、米国等、各先進国の実情を調べてみますと、超党派外交の特に機関と申しますか、マシナリーと申しますか、そういうものはないようでございまするが、与野党の党首、あるいは外交責任者と野党の首脳との間の個人的な接触で、情報の提供、協議というような形において行なわれておることは御承知のとおりでございます。もとよりイギリス、米国等におきましては、外交の基本的な基調におきまして与野党の間に大きな差異がございません事情もございまするし、また、野党も政権を担当した経験もございまするし、したがって外交政策の差異というものは、自然狭いものに相なっておる事情にも助けられまして、こういったことがきわめて自然な形で行なわれておるわけでございます。ドイツにおきましては、たとえばドイツの統一問題、あるいはヨーロッパ、特に対米協調問題あるいは独仏協定を通じての独仏協力問題、そういった基本的な問題につきましては、与野党の間に外交政策上差異がないということは、党の綱領の上にはっきりいたして、政策の上にはっきりうたわれておりますが、いずれの国も制度的に特に機関を設けているところはございません。ただ、アメリカの場合は、憲法上、外交権に対して立法府が非常に強い権限を持っておる。立法府と行政府がさい然と分かれておるというような事情もありまして、どうしても超党派外交をやらなければ国の外交を推進できないような仕組みも手伝いまして、現実にはいろいろな形における協議が行なわれておるわけでございます。わが国の場合は、不幸にいたしまして、そういう事情、そういう条件がまだ成熟いたしていないわけでございまするが、いま御指摘のように、与野党の間に、西尾さんが御提唱に相なるような方向において信頼を樹立してまいる必要があり、また、それが国民の多くの支持するところであると思います。去年の秋、私どもは国連の総会に与野党の方々の御参加を求めたのもその趣旨でございましたが、これは国連代表に野党の方をお願いするというのでなくて−そういたしますと、政策についてコミットメントを与えたことになるという野党の御心配はもとよりございますので、代表でなくて、代表の顧問団というような形でいかがでしょうと御提案申し上げたことは事実でございまするが、日本社会党の御同調を得られなかった。その段階におきましては得られなかったのでございますが、いまなお、そういうことの必要を、私自身としてもまだ依然として感じておるわけでございまして、今後もそういう方向でできるだけ努力してまいりたいと思います。

発言情報

speech_id: 104615261X00819640306_003

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1964-03-06

院: 参議院

会議名: 予算委員会