予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十九年三月六日(金曜日)
午後二時六分開会
—————————————
委員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
田畑 金光君 天田 勝正君
高山 恒雄君 赤松 常子君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 太田 正孝君
理事
大谷藤之助君
斎藤 昇君
平島 敏夫君
村山 道雄君
藤田 進君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
委員
植垣弥一郎君
江藤 智君
鹿島守之助君
木村篤太郎君
草葉 隆圓君
小山邦太郎君
木暮武太夫君
後藤 義隆君
河野 謙三君
郡 祐一君
佐野 廣君
塩見 俊二君
杉原 荒太君
田中 啓一君
館 哲二君
鳥畠徳次郎君
山本 杉君
吉江 勝保君
阿具根 登君
加瀬 完君
亀田 得治君
木村禧八郎君
瀬谷 英行君
戸叶 武君
羽生 三七君
安田 敏雄君
米田 勲君
小平 芳平君
中尾 辰義君
田畑 金光君
山高しげり君
国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
外 務 大 臣 大平 正芳君
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
厚 生 大 臣 小林 武治君
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
郵 政 大 臣 古池 信三君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
建 設 大 臣 河野 一郎君
自 治 大 臣 早川 崇君
国 務 大 臣 宮澤 喜一君
政府委員
内閣官房長官 黒金 泰美君
内閣法制局長官 林 修三君
行政管理政務次
官 川上 為治君
北海道開発政務
次官 井川 伊平君
科学技術政務次
官 鹿島 俊雄君
法務政務次官 天埜 良吉君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省条約局長 中川 融君
外務省国際連合
局長 齋藤 鎭男君
大蔵大臣官房財
務調査官 松井 直行君
大蔵省主計局長 佐藤 一郎君
農林政務次官 松野 孝一君
農林省農政局長 昌谷 孝君
通商産業政務次
官 竹下 登君
建設省計画局長 町田 充君
自治大臣官房参
事官 宮沢 弘君
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
—————————————
本日の会議に付した案件
○昭和三十九年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十九年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十九年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午後二時六分開会
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委員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
田畑 金光君 天田 勝正君
高山 恒雄君 赤松 常子君
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出席者は左のとおり。
委員長 太田 正孝君
理事
大谷藤之助君
斎藤 昇君
平島 敏夫君
村山 道雄君
藤田 進君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
委員
植垣弥一郎君
江藤 智君
鹿島守之助君
木村篤太郎君
草葉 隆圓君
小山邦太郎君
木暮武太夫君
後藤 義隆君
河野 謙三君
郡 祐一君
佐野 廣君
塩見 俊二君
杉原 荒太君
田中 啓一君
館 哲二君
鳥畠徳次郎君
山本 杉君
吉江 勝保君
阿具根 登君
加瀬 完君
亀田 得治君
木村禧八郎君
瀬谷 英行君
戸叶 武君
羽生 三七君
安田 敏雄君
米田 勲君
小平 芳平君
中尾 辰義君
田畑 金光君
山高しげり君
国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
外 務 大 臣 大平 正芳君
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
厚 生 大 臣 小林 武治君
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
郵 政 大 臣 古池 信三君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
建 設 大 臣 河野 一郎君
自 治 大 臣 早川 崇君
国 務 大 臣 宮澤 喜一君
政府委員
内閣官房長官 黒金 泰美君
内閣法制局長官 林 修三君
行政管理政務次
官 川上 為治君
北海道開発政務
次官 井川 伊平君
科学技術政務次
官 鹿島 俊雄君
法務政務次官 天埜 良吉君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省条約局長 中川 融君
外務省国際連合
局長 齋藤 鎭男君
大蔵大臣官房財
務調査官 松井 直行君
大蔵省主計局長 佐藤 一郎君
農林政務次官 松野 孝一君
農林省農政局長 昌谷 孝君
通商産業政務次
官 竹下 登君
建設省計画局長 町田 充君
自治大臣官房参
事官 宮沢 弘君
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
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本日の会議に付した案件
○昭和三十九年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十九年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十九年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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太
太田正孝#1
○委員長(太田正孝君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、三案を一括して議題とし、引き続き質疑を行ないます。
鹿島守之助君。
この発言だけを見る →昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、三案を一括して議題とし、引き続き質疑を行ないます。
鹿島守之助君。
鹿
鹿島守之助#2
○鹿島守之助君 当面の重要な政治、外交問題につきまして、総理大臣、または外務大臣に若干の質疑を行ないたいと存じます。
まず、超党派外交についてお伺いいたしたいと存じます。超党派外交については、衆参両院においてしばしば論議された問題でありますが、最近民社党西尾委員長が「外交の争いは水ぎわまで」とのスローガンのもとに、超党派外交を強く主張され、去る一月二十五日の第六回民社党全国大会においても、この点が強く打ち出されております。西尾氏は超党派外交の手始めとして、「一、外交の重要問題について、各党の党首は時に触れて話し合い、重要な情報について共通の認識を常に得るよう努力を行なうこと。二、儀礼的外交については、野党もこれに参加せしめること。三、国際会議出席に際しては政府の外交権をそこなわない形と限度において野党の参加を求めること。」以上の三つを提案されておりますが、これに対する総理大臣、または外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →まず、超党派外交についてお伺いいたしたいと存じます。超党派外交については、衆参両院においてしばしば論議された問題でありますが、最近民社党西尾委員長が「外交の争いは水ぎわまで」とのスローガンのもとに、超党派外交を強く主張され、去る一月二十五日の第六回民社党全国大会においても、この点が強く打ち出されております。西尾氏は超党派外交の手始めとして、「一、外交の重要問題について、各党の党首は時に触れて話し合い、重要な情報について共通の認識を常に得るよう努力を行なうこと。二、儀礼的外交については、野党もこれに参加せしめること。三、国際会議出席に際しては政府の外交権をそこなわない形と限度において野党の参加を求めること。」以上の三つを提案されておりますが、これに対する総理大臣、または外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
大
大平正芳#3
○国務大臣(大平正芳君) 基本方針につきましては、総理大臣から御答弁があると思いますが、私どもが超党派外交につきまして考えておりまする問題点につきまして御報告いたします。
超党派外交は、外交政策に対する国民的な基盤をより広く確立する意味におきましても、外交政策の継続性を保障する上から申しましても、また、外交折衝にあたりまして、わがほうの立場を強くする意味から申しましても、また、外交政策が過激にわたらぬように保障する上から申しましても望ましいことでございますが、他面、機密の保持とかあるいは責任の所在でございまするとかいうような点において若干のデメリットを伴うものだと思います。英国、ドイツ、フランス、米国等、各先進国の実情を調べてみますと、超党派外交の特に機関と申しますか、マシナリーと申しますか、そういうものはないようでございまするが、与野党の党首、あるいは外交責任者と野党の首脳との間の個人的な接触で、情報の提供、協議というような形において行なわれておることは御承知のとおりでございます。もとよりイギリス、米国等におきましては、外交の基本的な基調におきまして与野党の間に大きな差異がございません事情もございまするし、また、野党も政権を担当した経験もございまするし、したがって外交政策の差異というものは、自然狭いものに相なっておる事情にも助けられまして、こういったことがきわめて自然な形で行なわれておるわけでございます。ドイツにおきましては、たとえばドイツの統一問題、あるいはヨーロッパ、特に対米協調問題あるいは独仏協定を通じての独仏協力問題、そういった基本的な問題につきましては、与野党の間に外交政策上差異がないということは、党の綱領の上にはっきりいたして、政策の上にはっきりうたわれておりますが、いずれの国も制度的に特に機関を設けているところはございません。ただ、アメリカの場合は、憲法上、外交権に対して立法府が非常に強い権限を持っておる。立法府と行政府がさい然と分かれておるというような事情もありまして、どうしても超党派外交をやらなければ国の外交を推進できないような仕組みも手伝いまして、現実にはいろいろな形における協議が行なわれておるわけでございます。わが国の場合は、不幸にいたしまして、そういう事情、そういう条件がまだ成熟いたしていないわけでございまするが、いま御指摘のように、与野党の間に、西尾さんが御提唱に相なるような方向において信頼を樹立してまいる必要があり、また、それが国民の多くの支持するところであると思います。去年の秋、私どもは国連の総会に与野党の方々の御参加を求めたのもその趣旨でございましたが、これは国連代表に野党の方をお願いするというのでなくて−そういたしますと、政策についてコミットメントを与えたことになるという野党の御心配はもとよりございますので、代表でなくて、代表の顧問団というような形でいかがでしょうと御提案申し上げたことは事実でございまするが、日本社会党の御同調を得られなかった。その段階におきましては得られなかったのでございますが、いまなお、そういうことの必要を、私自身としてもまだ依然として感じておるわけでございまして、今後もそういう方向でできるだけ努力してまいりたいと思います。
この発言だけを見る →超党派外交は、外交政策に対する国民的な基盤をより広く確立する意味におきましても、外交政策の継続性を保障する上から申しましても、また、外交折衝にあたりまして、わがほうの立場を強くする意味から申しましても、また、外交政策が過激にわたらぬように保障する上から申しましても望ましいことでございますが、他面、機密の保持とかあるいは責任の所在でございまするとかいうような点において若干のデメリットを伴うものだと思います。英国、ドイツ、フランス、米国等、各先進国の実情を調べてみますと、超党派外交の特に機関と申しますか、マシナリーと申しますか、そういうものはないようでございまするが、与野党の党首、あるいは外交責任者と野党の首脳との間の個人的な接触で、情報の提供、協議というような形において行なわれておることは御承知のとおりでございます。もとよりイギリス、米国等におきましては、外交の基本的な基調におきまして与野党の間に大きな差異がございません事情もございまするし、また、野党も政権を担当した経験もございまするし、したがって外交政策の差異というものは、自然狭いものに相なっておる事情にも助けられまして、こういったことがきわめて自然な形で行なわれておるわけでございます。ドイツにおきましては、たとえばドイツの統一問題、あるいはヨーロッパ、特に対米協調問題あるいは独仏協定を通じての独仏協力問題、そういった基本的な問題につきましては、与野党の間に外交政策上差異がないということは、党の綱領の上にはっきりいたして、政策の上にはっきりうたわれておりますが、いずれの国も制度的に特に機関を設けているところはございません。ただ、アメリカの場合は、憲法上、外交権に対して立法府が非常に強い権限を持っておる。立法府と行政府がさい然と分かれておるというような事情もありまして、どうしても超党派外交をやらなければ国の外交を推進できないような仕組みも手伝いまして、現実にはいろいろな形における協議が行なわれておるわけでございます。わが国の場合は、不幸にいたしまして、そういう事情、そういう条件がまだ成熟いたしていないわけでございまするが、いま御指摘のように、与野党の間に、西尾さんが御提唱に相なるような方向において信頼を樹立してまいる必要があり、また、それが国民の多くの支持するところであると思います。去年の秋、私どもは国連の総会に与野党の方々の御参加を求めたのもその趣旨でございましたが、これは国連代表に野党の方をお願いするというのでなくて−そういたしますと、政策についてコミットメントを与えたことになるという野党の御心配はもとよりございますので、代表でなくて、代表の顧問団というような形でいかがでしょうと御提案申し上げたことは事実でございまするが、日本社会党の御同調を得られなかった。その段階におきましては得られなかったのでございますが、いまなお、そういうことの必要を、私自身としてもまだ依然として感じておるわけでございまして、今後もそういう方向でできるだけ努力してまいりたいと思います。
池
池田勇人#4
○国務大臣(池田勇人君) 外務大臣から詳しく申し上げたとおりでございます。私自身といたしましても、外交は水ぎわまででありたいという気持ちを持っております。私が組閣いたしましたときにも、外交問題懇談会というものを設けまして、民間、学界の有識者をお集まりいただいて、一年余り語り合ったのでございますが、その点におきましても、なかなか意見の初めから違っておる方はお入りにならないという状況です。また、組閣当初におきまして、野党の方々とライスカレーを食べながら話し合ってみよう、こう言ってみたのでありますが、なかなかうまくいかない。ことに外交問題は、御承知のように左か右かというふうに分かれてしまっておるものですから、実現したくても、なかなかいまのところむずかしい。したがって、そういう機運を進めていきたい。いまお述べになりました儀礼的の問題につきましては、これは外国の元首あるいは著名な政治家がお見えになって、私が招待するときには、野党の方にもおいで願うようにして、これは実現いたしている。それから国連の問題につきましては、外務大臣が申し上げたとおり、われわれは代表としてでなくても、やはり御一緒に行っていただくといいという気持ちはまだ持っておるのでございます。今後、秘密の守れる程度におきましては、なるべくそういう方向で進んでいきたいという気持ちは持っておるのでございます。
この発言だけを見る →鹿
鹿島守之助#5
○鹿島守之助君 そうすると、以上三つのうち、「儀礼的外交については、野党も加わる」、それから「国際会議は顧問団として加わる」、これはいいので、最初の「外交の重要問題について、各党の党首は時に触れて話し合い、重要な情報について共通の認識を常に得るよう努力を行なうこと。」この点はいかがでございますか。
この発言だけを見る →大
大平正芳#6
○国務大臣(大平正芳君) これは先ほど冒頭に申しましたように、与野党の間の信頼関係というものを漸次樹立してまいりまして、そういうことが安心してできるような雰囲気になることを、私どもは心から希望いたしております。
この発言だけを見る →鹿
鹿島守之助#7
○鹿島守之助君 次に、新聞の伝うるところによりますと、大平外務大臣は、中国代表権問題が討議される国連総会に超党派国会議員顧問団を送りたいお考えで、近く社会党に再び参加を呼びかけられるそうですが、この構想は、昨年秋の国連総会を前にして、自民、社会、民社、三党に参加要請が行なわれ、自民、民社両党から賛成されたものの、派遣の形式について社会党の反対にあって実現しませんでした。しかし、社会党内でもことしの国連総会の最大の議題が中国代表権問題であることから、超党派で日中国交正常化を現実的に促進する意味で、外務大臣の構想に積極的に賛成している向きがある由でありますから、ぜひともそれが実現を期待するものであります。それに対する外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。最初お話を伺ったようですが、もうちょっとはっきり……。交渉されておられますか。
この発言だけを見る →大
大平正芳#8
○国務大臣(大平正芳君) 第十九国連総会代表団の構成をどうするかというまだ人選にかかっていないのでございまするが、そういう構想を私どもが考えるにあたりまして、去年以来野党参加の問題もまだ実現を見ずにおりますので、その問題も合わせて代表団の構成とともに考えさせていただきたいと思っております。いまのところまだ結論を持っておりません。
この発言だけを見る →鹿
鹿島守之助#9
○鹿島守之助君 アメリカその他ヨーロッパ等の超党派外交について外務大臣から御説明がございましたが、私は私なりにちょっと考えている点がございますので、あとのほうの質問の関係上、ちょっと私の見解を述べさせていただきます。
いまや、国家の安全及び外交の一貫性並びに継続性の見地から、超党派外交はアメリカでもヨーロッパでも一般に行なわれておるのが慣例でございます。米国におきましては、ウィルソン大統領がみずから国際連盟を提案しながら、ベルサイユ講和条約が米国上院で三分の二の多数が得られず否決されて以来、この苦い経験にかんがみ、トルーマンが一九四五年二度目の大統領に当選した際、野党であった共和党の上院外交委員長バンデンバーグと密接なる連携をはかり、重要外交問題については、いわゆる超党派外交を実現したのであります。彼の死後はワイリー上院議員、次いでダレス上院議員と密接な連絡をとり、ダレスのごときはこれを国務長官に起用し、ますます超党派外交の実をあげたことは、とくと御承知のことと思います。その後ケネディはハーター及びジロンを起用し、現ジョンソン大統領もこれを引き継いでおるような事情でございます。米国においては単に党派間の調整のほか、行政府と議会との意見の調整に重点が置かれていて、最近ではこの傾向を非党派外交、ノンパルチザン・フォーリン・ポリシーと呼び、あるいはトータル・ディプロマシーと言われています。この外交によって、アメリカのナショナル・インタレストが確保され、安全が保障され、外交の一貫性並びに継続性が確保されている次第であります。これなくしては、米国が繁栄するどころか、生き残ることすらできないものと認められているのであります。イギリスにおきましても、全く同様に超党派外交が実現されていることは、いまさら申し述べる必要もないことであります。イギリスの著名な政治学者であったラスキは、イギリスの政党はどんなに対立しても、ナショナル・インタレストについては共通の考え方を持ち、そのためには党利党略を押さえて協力する態度があることが、イギリスの議会政治を健全ならしめている根本原因だと言っておりすす。さらに欧州においても、いま外務大臣が申されたように、ドイツ、フランス、イタリア諸国は、極右、極左を除いた中央の諸派がこれまた超党派外交を行ない、NATOや、EECへの参加協力等の重要問題については、一致せる外交政策をとっております。これが欧州の非常な私は強みだと思っております。しかるに、わが国においては国防問題、重要な外交問題、特に安全保障の問題については、わが党と野党たる社会党との間にきわめて大きい意見の相違のあることは、国家国民の重大なる損失であるばかりでなく、あの安保騒動に見られたような事態が、将来も繰り返される可能性があるとすれば、わが安全は致命的な脅威をこうむり、やがては、わが国及び民族が生き残ることができないのではないかと心配するものであります。超党派外交の困難性については、十分承知してはおりますが、これに対して最善を尽くすことが政治家の義務であると思うのであります。総理大臣の御所見をはなはだ恐縮でございますが、もう一度伺いたいのでございます。
この発言だけを見る →いまや、国家の安全及び外交の一貫性並びに継続性の見地から、超党派外交はアメリカでもヨーロッパでも一般に行なわれておるのが慣例でございます。米国におきましては、ウィルソン大統領がみずから国際連盟を提案しながら、ベルサイユ講和条約が米国上院で三分の二の多数が得られず否決されて以来、この苦い経験にかんがみ、トルーマンが一九四五年二度目の大統領に当選した際、野党であった共和党の上院外交委員長バンデンバーグと密接なる連携をはかり、重要外交問題については、いわゆる超党派外交を実現したのであります。彼の死後はワイリー上院議員、次いでダレス上院議員と密接な連絡をとり、ダレスのごときはこれを国務長官に起用し、ますます超党派外交の実をあげたことは、とくと御承知のことと思います。その後ケネディはハーター及びジロンを起用し、現ジョンソン大統領もこれを引き継いでおるような事情でございます。米国においては単に党派間の調整のほか、行政府と議会との意見の調整に重点が置かれていて、最近ではこの傾向を非党派外交、ノンパルチザン・フォーリン・ポリシーと呼び、あるいはトータル・ディプロマシーと言われています。この外交によって、アメリカのナショナル・インタレストが確保され、安全が保障され、外交の一貫性並びに継続性が確保されている次第であります。これなくしては、米国が繁栄するどころか、生き残ることすらできないものと認められているのであります。イギリスにおきましても、全く同様に超党派外交が実現されていることは、いまさら申し述べる必要もないことであります。イギリスの著名な政治学者であったラスキは、イギリスの政党はどんなに対立しても、ナショナル・インタレストについては共通の考え方を持ち、そのためには党利党略を押さえて協力する態度があることが、イギリスの議会政治を健全ならしめている根本原因だと言っておりすす。さらに欧州においても、いま外務大臣が申されたように、ドイツ、フランス、イタリア諸国は、極右、極左を除いた中央の諸派がこれまた超党派外交を行ない、NATOや、EECへの参加協力等の重要問題については、一致せる外交政策をとっております。これが欧州の非常な私は強みだと思っております。しかるに、わが国においては国防問題、重要な外交問題、特に安全保障の問題については、わが党と野党たる社会党との間にきわめて大きい意見の相違のあることは、国家国民の重大なる損失であるばかりでなく、あの安保騒動に見られたような事態が、将来も繰り返される可能性があるとすれば、わが安全は致命的な脅威をこうむり、やがては、わが国及び民族が生き残ることができないのではないかと心配するものであります。超党派外交の困難性については、十分承知してはおりますが、これに対して最善を尽くすことが政治家の義務であると思うのであります。総理大臣の御所見をはなはだ恐縮でございますが、もう一度伺いたいのでございます。
池
池田勇人#10
○国務大臣(池田勇人君) 外国の例を引用されましてのお話は、まことにそのとおりでございます。われわれとしては実にうらやましい限りでございます。したがいまして、お話の超党派外交につきましては、先ほど申し上げましたように、お互いの信頼を深め、そして超党派外交のできるよう努力いたしたいと考えます。戦前においては大体話し合いが相当ついたようでございます。いわゆる外交問題につきまして、党首の会談等々が行なわれた例が多かった。戦後におきまして、全く相対立の状態になっているということは、まことに遺憾であります。しかし、今後におきましては、その方向で自分としても努力していきたいと考えます。
この発言だけを見る →鹿
鹿島守之助#11
○鹿島守之助君 超党派外交が取り上げられるとするならば、いかなる問題がまず検討されるべきであるか。まず重要なことは、わが国論を分裂せしめている国防及び安全に関する諸問題を、長期的視野から取り扱うことが必要と考えられます。すなわち安全保障条約の運用の問題、韓国問題、中国問題等の解決をはかるべきではないかと存じます。もし、わが党と社会党との間に了解が困難とするならば、超党派外交を提唱する民社党との間にだけでも、何らかの了解に達することができれば、現在の緊張緩和に役立つものと思考いたします。総理の御所見を伺います。
この発言だけを見る →池
池田勇人#12
○国務大臣(池田勇人君) お話の点も考えられます。民主社会党の方々のお考えと、われわれとは、社会党さんほど違っているとは思えません。しかしいま、この際、われわれと民社党だけでやりますということになると、そこに意見の相違に感情まで加わってくるようになりましても、これはまた、元も子もなくなることでございます。やはり超党派外交のたてまえだとすれば、全部が一緒になるということに向かっていったほうが、目的が早く達し得られるのじゃないかと、私は考えておるのであります。
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鹿島守之助#13
○鹿島守之助君 超党派外交を実現する上に、西尾氏が言われるごとき党首会談はきわめてけっこうと存じますが、それを行なう準備をするための事務局、あるいはもっとゆるやかなものがよいとするならば、さしあたり懇談会、審議会、調査会というような、どんな名称でもよろしいが、そういう機関を設けることが必要であると思います。かつてわが国には、第一次世界大戦が終末に近づきつつあるころ、講和会議に対処する重要外交案件につき国論を統一するために、大正六年、寺内内閣当時、臨時外交調査会が設立されました。また、近くは昭和三十五年七月、池田内閣成立後、閣議決定により、外務大臣の諮問機関的性格を持つ外交懇談会が設けられました。いずれも当面の問題を処理するための機関たるにとどまり、五年先、十年先、さらに二十年先のわが国家及び国民の安全や、その利益を確保するというような遠大な目的を持つものでなかったために消滅した次第でありますが、前に申しましたような超党派的な外交目的を実現するためには、前申しましたような何らかの機構なり組織が必要でないかと存じますが、総理の御所見を伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →池
池田勇人#14
○国務大臣(池田勇人君) お話のとおりでございまして、私も先ほど来お答え申し上げました方向で努力していますが、私は、国会において各党派でこういうふうなことを御相談なさったら、これは、政府が主宰するよりももっと早道じゃないか。世界議会同盟なんかへみな、各党一緒に行かれまして、いろいろああいうふうになりますと、議会の方々だけのほうが非常に話が早くつくのじゃないか、私はそういうことも考えたことがあるのであります。政府も今後努力していきますが、国会内部においてひとつおやりになっていただければ、非常にスムーズにいくのではないかとも考えておるので、鹿島さんにおかれましてもひとつ御一考を願いたいと思います。
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鹿島守之助#15
○鹿島守之助君 よくわかりました。次に、日韓国交正常化の問題について伺いたいと存じます。賠償問題を初め、終戦後の日本における重要外交案件の大部分は、すでに解決をみた次第でありますが、残された処理案件は日韓並びに日中国交正常化の問題だと思います。国民は日韓国交の正常化を待望しております。最近、日韓の交渉もようやく進展を見せ、近々懸案問題も妥結するように報ぜられておりますが、お差しつかえない限り、総理または外務大臣にその状況と見通しを承りたいと存じます。
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大平正芳#16
○国務大臣(大平正芳君) 日韓の間の正常化の前提としての懸案の処理でございまするが、第一の問題である請求権問題は、一昨年の冬、大筋の合意をみておりますが、ただ、若干の細目につきましてまだ合意をみていないのでございます。すなわち、焦げつき債権の返済方法の問題、有償経済協力の返済期限の問題、二つがまだきまっておりません。その他の問題といたしましては、漁業問題これはこの十日から農林大臣レベルの会談が行なわれますが、専管水域設定の問題、その外における共同規制の問題、日韓双方の漁業技術の格差を緩和するための漁業協力の問題、こういった問題が討議の対象に相なっております。文化財の問題といたしましては、対韓返済文化財の範囲の問題がまだ最終的には合意をみておりません。法的地位の問題といたしましては、永住権をどの範囲において認めるかという、これもだんだん理解は進んできておりますが、最終的な煮詰めにはまだ至っておりません。永住権をかつて認められた者の処遇の問題、これも各般にわたる問題でございまするが、デテールに至るまで煮詰まっていない状況でございます。その他、船舶の請求権が双方にございます。あるいは朝鮮海峡のケーブルの処理の問題、そういった問題がいま残されているわけでございまして、十二日からの本会談におきまして、こういった残された問題をあわせて双方の意見調整を促進してみたいと考えておるわけでございます。これの見通しがどうなるかということは、この会談をやってみないと何とも申し上げられませんが、長い懸案でございますので、私どもといたしましてもできるだけ早く合意的な妥結を見たいものだと念願いたしておる次第でございます。
この発言だけを見る →鹿
鹿島守之助#17
○鹿島守之助君 次に、中国問題について伺いたいと存じます。フランスが中共との国交を正常化して以来、中共問題は外交の舞台に大きくクローズアップしてきた次第でありますが、まず第一に伺いたいことは、中共の国連加盟の時期の問題であります。この点は従来中国代表権問題として取り扱われておるのでありますが、特に問題の実質面よりして中共加盟問題として取り上げたいと思います。一般に中共は来たるべき秋の国連総会において加盟が認められ、国民政府にかわって安保常任理事国の議席を獲得するような予想さえ行なわれておりますが、最近にいたってはアメリカ初め、自由主義諸国はフランスが中共を承認したからいって、必ずしも中共の国連加盟を認めるものではなく、いわんや安保常任理事国たる地位を与うべきではないの説が広く広まりつつあるやに思われますが、中共の国連加盟または中国代表権問題についての成り行き並びに見通しについて、さらにお差しつかえなければ、これに対するわが国の態度を総理大臣または外務大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
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大平正芳#18
○国務大臣(大平正芳君) これは鹿島先生も御承知のように、中国代表権問題、俗に加盟問題と称しておりますが、この問題はわが国といたしましてはアジアの平和、世界の平和から見まして非常に重要な問題であるという実態認識を持っておるわけでございまして、世界の世論に照らして十分に実質的な審議を遂げて、公正な解決を見るように希望し、また国連のメンバーといたしまして日本も応分の努力をしなければならないと考えておる問題でございます。最近御指摘のようにフランスが中共を承認するという挙に出たのでございますが、私どももこの動きが世界的にどのような反響を呼ぶかということに注目をいたしておったのでございまするが、ただいままでのところ一応世界は比較的平穏でございまして、その後コンゴーが中共を承認するということを表明した以外、いずれの国もまだ何ら意向を表明いたしておりません。したがいまして、今度の来たるべき総会におきましてこの問題がどのような姿において取り上げられるか、そして取り上げられた場合にどういう様相を呈するであろうかということを論断、予想いたしますには、たびたび申し上げておりまするように、まだデータがきわめて不足でございまして、国会で御報告申し上げるような自信はない状況でございます。わが国といたしましては、従来から持っておる基本方針に従いまして、こういう状況も十分見きわめながら、来たるべき国連総会の対策というものを慎重に練ってまいらなければいかぬと思うのでございますが、この国連対策をいま申し上げるには、まだそれを打ち立てるには——十分の材料を集めて、日本の国益の立場から、アジアの平和の立場から、十分慎重に討議した上で打ち立ててまいらなければならないと考えておるのが現在の立場でございまして、それ以上申し上げられる用意がいまの段階ではございません。
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鹿島守之助#19
○鹿島守之助君 次に、中国との国交正常化、中共承認の問題について伺いたいと思います。わが国の中共承認の時期についてお伺いいたしたいと存じます。この問題については、最近、政府においては「中共が国連に祝福された形で参加した場合は国交正常化を考慮する」と意見を統一されたやに報ぜられておりますが、結局のところ、いつごろ中共を承認し得られるようになるお見通しでしょうか。総理または外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
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大平正芳#20
○国務大臣(大平正芳君) 承認の時期という問題について、明確に政府として意思を表明したことはないのでございます。国会における御質問が、国連に中共が加盟するような状況になった場合にどうするのだ、こういう御質問でございますので、そういう事実は、これをそういう事実の上に立って、日本といたしましては、中国との国交正常化の問題は考えざるを得ないだろうということを答えておるわけでございます。問題は、先ほども申し上げましたとおり、中国の代表権問題という問題は、アジア並びに世界の平和にとって重要な問題でございまして、中共が国連に加盟することによって、正義に基づく世界の平和が維持され、一段と平和が保障されてまいるという祝福すべき状態になることは、私は世界の皆さんが希求しておることであろうと思うのでございますし、日本の国民も例外なくそのことを私は望んでおるだろうと思うのでございます。そういう状態になった場合に、日本がこの事実の上に立って中国との国交について考えなければならぬのは当然じゃないかということを申し上げておるわけでございまして、時期等につきまして具体的に申し上げるというようなことは、先ほど申しましたように、この問題の成り行きがまだ未確定の要素ばかりでございますので、大体の時期を申し上げるというような段階で私はないと思います。
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鹿島守之助#21
○鹿島守之助君 米国のアジア政策について伺いたいと存じます。わが国が中共承認を考慮するとしても、米国を初め、その他の自由主義諸国の一部から、中共は今日なおもって平和に対し重大なる脅威を与えるものと認められており、米国のごときは一九五七年六月二十八日国務長官ジョン・フォスター・ダレスがサンフランシスコで行なった演説及びその翌年全在外公館に送った「中共不承認に関する米国の政策」と題しまする国務省の覚え書き以来、中共不承認の論拠をきわめて明確にし、私の承知する限りその政策を変更しておりません。その中には、米国の北京政権の承認はアジアの非共産国全体の立場に、広範囲にわたって悪影響、おそらく悲惨でさえあるような影響を与えるであろうと断定しておるのであります。したがって、たとえフランスが中共を承認したからといって、軽々に米国は従来の態度を変更しないだろうと思われるのであります。ニューヨーク・タイムス紙のレストン記者は、二月二十八日、朝日新聞のワシントンの篠原アメリカ総局長に次のように語っております。「「七億の人口をもつ中共の存在を無視できない」というドゴール大統領の態度について検討はしなければならないが、封じ込め政策は再検討の必要はない。封じ込めば決して時代遅れではない。現在は集団安全保障時代で、中央アジア条約機構、北大西洋条約機構など、みんな同じ考え方により封じ込め政策をとっている。」また、「もし米国が封じ込めをしなかったら、東南アジアは共産化していることだろう。そのかぎりでは封じ込め政策は必要だと思う。」と言っておるのであります。私は、米国の極東及び東南アジア政策には当分変更はないと思いますが、総理または外務大臣のこの見通し、御所見を伺いたいと思います。
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大平正芳#22
○国務大臣(大平正芳君) アメリカにおきましても、民間の世論というものは、新聞雑誌、その他にいろいろな論説が掲載されておりますことは、鹿島先生も御承知のとおりでございます。けれども、アメリカ政府の中国政策というものは、いま御指摘のように、以前と何ら変わっていないと私どもは見ております。変わった徴候は何ら見せておりません。そうして、これをどう見るかの見方につきましては、この前の本委員会におきまして、羽生先生に対して答えました私の答えにもありますように、アメリカの極東政策というものをどう評価するかの問題は、これはいろいろ評価のしかたがあると思いますけれども、しかし、アメリカの東亜の安定と繁栄に関与しておる力と役割り、成果というものは、正しくこれは評価すべきであると存じております。もとよりアメリカも万能ではございませんから、個々の政策につきまして私どもがいろいろ気づいた点がございましたならば、これは当然。パートナーとしてアメリカに伝えることはいたしたいと思いますが、政策の評価につきましては、客観的に冷静に、これは評価すべきものだと存ずるのでございまして、もしアメリカの東亜、アジアに関する関与がなければ今日のアジアはどうなっておったかということは、これは想像するだにりつ然たるものがあると私は思います。
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鹿島守之助#23
○鹿島守之助君 もし米国政府の態度にあまり変更がないとするならば、フランスや若干の小国が中共を承認したからといって、日本は従来の態度を変更する必要はないと思います。さらばといって、永久に中共を承認せず、また、国交を正常化しないというようなことは不自然であり、よろしくないと思います。いな、われわれも、故ケネディ大統領が言ったように、中国本土の住民と太平洋地域の諸国民が隔絶しているのは近代世界の大きな悲劇であり、一時的現象に終わることを切望するものであります。特に、わが国民と中国人とは同種同文であり、古くより政治、経済、文化において切っても切れぬ関係にあったものでありますから、わが国独自の立場から、一定の前提条件が満たされるならば、これが承認、国交の正常化に踏み切るべきものと存じます。しかし、日本の外交路線は、国際順応主義やあるいは中共の立場に立った日中国交回復論に軽々しく応じてはならないと思います。
私は、中共承認の前提条件として、まず第一は、中共が日米安全保障条約を承認することであります。第二は、日華平和条約を尊重することであります。第三は、対日賠償請求権を放棄することであります。第四は、内政不干渉主義に基づいて、わが国に対し共産主義の破壊宣伝を行なったり、間接侵略を行なわないことを約束することであります。以上の見解に対し、総理または外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
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池
池田勇人#24
○国務大臣(池田勇人君) 鹿島さんの御意見、大体私と同意見でございます。こういう点につきましては、去る衆議院予算委員会で横路君の質問に対しまして、中共が好戦国でなしに、ほんとうにアジアの平和と世界の平和に進んで協力するということを自他ともに認められるような喜ばしい状態があるならば、自分らも考えるにやぶさかでない、こう言っておるのでございます。私はいまお話のような基本的考え方で進んでいきたいと思っております。なお、フランスが中共を認めましたあとのせんだってのWHO——世界健康会議におきまして中共の加盟問題が論議せられ投票が行なわれた結果は、前年のそれよりも台湾政府支持のほうが非常に多かったように聞いております。したがいまして、ドゴール大統領の中共承認後の世界の情勢は、そう急激な変化はいまのところは見られません。われわれは、今後十分世界の情勢を見きわめながら、誤りなき外交を続けていきたいと考えておるのであります。
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鹿島守之助#25
○鹿島守之助君 次に、日本が国連安保常任理事国となる要望について申し述べたいと存じます。
中共が国連に祝福されて加盟する場合には、単に加盟するだけでなく、安全保障理事会の常任理事国となるものと一般に予想されておりますが、その場合、日本が依然として国連の一員たるにとどまり、安保常任理事国の地位一が得られないならば、中共より政治上、経済上、社会上きわめて劣等なる地位となり、とうていわが国民の自尊心並びに医家的利益が確保されないものと思います。日本は、中共が国連の安保常任理事国となる前に、少なくとも同時に安保常任理事国の地位を獲得しなければならないと存じます。これは国民的理想であり、また、実現可能と思います。すでに一九五九年九月、米国上院外交委員会委員長にあてたコンロン報告の中には、「国連安保理事会の変更が考慮されるような場合には、アメリカは日本に常任理事国の地位を与えるよう率先して提唱すべきである。現在アジアの代表は少な過ぎるという悲しむべき状態にあり、日本とインドが明らかに候補者となる資格がある」と記述しております。この報告に基づいて、日本政府は何らかの措置をとられましたでしょうか。日本の安保理事会の議席について、アメリカの政府の意向をただしたことがあるでしょうか。この点、外務大臣に御説明をお伺いいたしたいと存じます。
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大
大平正芳#26
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘の問題は、いま国連が当面しておる諸問題の一つでございまして、最近のアジア、アフリカの諸国多数の国が国連に加盟いたしましたので、安保理事会のような国連の主要機関の構成を現状のままにしておいていいかどうかという問題が起こりまして、昨年の総会におきましては、現行の安保理事会の十一議席を十五議席に拡大する決議が採択されましたことは御案内のとおりでございます。ところが、右決議におきましては、常任理事国五カ国につきまして何らの変更を加えることなく、従来のままとなっております。で、安保理事会における議席の単純増加の問題についてすら、議席の地域的な配分をいかにするかについて、各地域間の利害の先鋭な対立が見られたわけでございますが、安保理の常任理事国変更というような問題になりますると、これは国連創設の根本体制の変更を意味するものでございまして、議席の単純増加の問題とは比較にならない程度の重要性を持って、かつ多大の困難も予想されるところでございます。もちろんわが国といたしましては、それにもかかわらず、安保理事会常任理事国が、今日に至るまで国連創設当初のままであり、その後の世界の実情を必ずしも反映していないことは、その任務と責任がきわめて大きいだけに、国連加盟国すべてが真剣に考慮しなければならない問題と考えております。わが国が常任理事国となることについても、大多数の国がこれを歓迎し、その機が熟するに至りまするならば、でき得る限り実現に努力したいと考えておるところでございますが、そのためにも国連の活動に対するわが国の協力、寄与を実質的に一そう拡充してまいる必要があろうと思います。いずれにいたしましても、この問題は、今後とも各国の動向を勘案しつつ、引き続き真剣に検討を加えてまいらなければならない問題と考えております。
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鹿島守之助#27
○鹿島守之助君 次に、国連憲章改正の必要について申し述べたいと存じます。
国連は、創立以来すでに十八年以上を経過し、当時の五十一カ国の構成国から、現在は百十三カ国に増加しているのですから、憲章の改正は当然必要であり、特に安保理事会の常任理事国並びに非常任理事国の数を増加することも、当然の措置と考えます。大平外務大臣も、昨年の九月二十二日の国連総会での一般討論演説で、「著しく増加した加盟国が国連の各方面の活動に一そう全面的、能率的に参加し得るよう考慮を払うべきである」と、わがほうの正当な希望を申し述べられております。しかしてまた、国連憲章第百九条三項には、「憲章が発効してから十年経過しても、憲章改正のための加盟国の全体会議が開かれなかった場合、これを招集する提案を総会の議事日程に加えなければならない」との規定があります。しかるに、憲章発効十年後の昭和三十年には、主としてソ連の反対により全体会議は開かれませんでした。その後全体会議開催のための準備会議は、通常会議開催前に毎年行なわれておりますが、延期々々を重ねて今日に至っておる状態であります。日本としては当然、これが会議開催を要求すべきものと思います。また、国連憲章改正の要求は、AAグループを中心として高まりつつあり、この事実は、ソ連その他共産側の従来の反対態度を変更させるものと観測されます。日本は、単独にまたは友好国と共同して、国連憲章の改正を提議すべきものと思います。
以上の点につきまして、総理または外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
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以上の点につきまして、総理または外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
大
大平正芳#28
○国務大臣(大平正芳君) 仰せごもっともでございます。機構改正の問題は、先ほど安保理について申し上げたわけでございますが、その他の機構の拡充、発言機会をできるだけ広く均等に与えるという意味から、なお検討すべき問題も多々あるわけでございます。そのために憲章改正という問題につきまして、いま鹿島先生の御提言でございますが、お気持ちは、全く私どもも同感に存ずる次第でございまするが、遺憾ながら中国代表権問題等とのからみ合いで、ソ連がただいままでわれわれに同調する動きを見せていたい、きわめて実情が困難でございまするが、そういう方向に世界世論の熟成と相まって努力してまいることは、当然のわれわれの責務であると考えます。
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鹿島守之助#29
○鹿島守之助君 次に、国連憲章にある旧敵国条項の削除について申し述べます。
国連憲章の改正に際して忘れてはならないことは、いわゆる旧敵国条項削除の問題であります。すなわち憲章第五十三条と第百七条とは相関連するもので、結局、地域的取りきめまたは地域的機関による強制行動は、いかなるものでも、安全保障理事会の許可を必要とするという原則に対して、重大なる例外を認めたものであります。一、旧敵国に対する行動で、責任ある政府が第二次大戦の結果としてとったか、または許可した行動。二、旧敵国における侵略政策再現に備える地域的取りきめによる行動。この二つの例外、特に後者によって、一九五〇年二月十四日の中ソ友好同盟相互援助条約は、合法的であり、この同盟条約が、日本国を仮想敵国として明記していても、その合法性を失わないと解釈され得るのであります。よって、わが国としては、国連の目的及び原則を受諾し、憲章から生ずる義務を受諾して国連に加入した以上、この第五十三条及び第百七条の適用の排除を求めるのみならず、進んでこの両条の廃棄を提議すべきものと思われます。もともとこれらの条項は、過渡的規定にほかならないのでありますから、今日これが廃棄を主張するのは、当然過ぎるほど当然と存じます。本問題については、一昨年八月十一日の衆議院本会議において、民社党の佐々木良作氏は、「わが国にとって、きわめて不愉快な存在である中ソ友好同盟条約の法的根拠となっている同条項の削除要求は、全国民の期待と希望に沿うものと信ずる」と申しておるのでありますので、この問題は、さきにも申し述べました日本が安保理事会に常任理事国の議席を要求する問題とともに、超党派的に、いな全国民の熱烈なる支持を得るものと確信するものであります。総理または外務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
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