鹿島守之助の発言 (予算委員会)

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○鹿島守之助君 アメリカその他ヨーロッパ等の超党派外交について外務大臣から御説明がございましたが、私は私なりにちょっと考えている点がございますので、あとのほうの質問の関係上、ちょっと私の見解を述べさせていただきます。
 いまや、国家の安全及び外交の一貫性並びに継続性の見地から、超党派外交はアメリカでもヨーロッパでも一般に行なわれておるのが慣例でございます。米国におきましては、ウィルソン大統領がみずから国際連盟を提案しながら、ベルサイユ講和条約が米国上院で三分の二の多数が得られず否決されて以来、この苦い経験にかんがみ、トルーマンが一九四五年二度目の大統領に当選した際、野党であった共和党の上院外交委員長バンデンバーグと密接なる連携をはかり、重要外交問題については、いわゆる超党派外交を実現したのであります。彼の死後はワイリー上院議員、次いでダレス上院議員と密接な連絡をとり、ダレスのごときはこれを国務長官に起用し、ますます超党派外交の実をあげたことは、とくと御承知のことと思います。その後ケネディはハーター及びジロンを起用し、現ジョンソン大統領もこれを引き継いでおるような事情でございます。米国においては単に党派間の調整のほか、行政府と議会との意見の調整に重点が置かれていて、最近ではこの傾向を非党派外交、ノンパルチザン・フォーリン・ポリシーと呼び、あるいはトータル・ディプロマシーと言われています。この外交によって、アメリカのナショナル・インタレストが確保され、安全が保障され、外交の一貫性並びに継続性が確保されている次第であります。これなくしては、米国が繁栄するどころか、生き残ることすらできないものと認められているのであります。イギリスにおきましても、全く同様に超党派外交が実現されていることは、いまさら申し述べる必要もないことであります。イギリスの著名な政治学者であったラスキは、イギリスの政党はどんなに対立しても、ナショナル・インタレストについては共通の考え方を持ち、そのためには党利党略を押さえて協力する態度があることが、イギリスの議会政治を健全ならしめている根本原因だと言っておりすす。さらに欧州においても、いま外務大臣が申されたように、ドイツ、フランス、イタリア諸国は、極右、極左を除いた中央の諸派がこれまた超党派外交を行ない、NATOや、EECへの参加協力等の重要問題については、一致せる外交政策をとっております。これが欧州の非常な私は強みだと思っております。しかるに、わが国においては国防問題、重要な外交問題、特に安全保障の問題については、わが党と野党たる社会党との間にきわめて大きい意見の相違のあることは、国家国民の重大なる損失であるばかりでなく、あの安保騒動に見られたような事態が、将来も繰り返される可能性があるとすれば、わが安全は致命的な脅威をこうむり、やがては、わが国及び民族が生き残ることができないのではないかと心配するものであります。超党派外交の困難性については、十分承知してはおりますが、これに対して最善を尽くすことが政治家の義務であると思うのであります。総理大臣の御所見をはなはだ恐縮でございますが、もう一度伺いたいのでございます。

発言情報

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発言者: 鹿島守之助

speaker_id: 11098

日付: 1964-03-06

院: 参議院

会議名: 予算委員会