田中角榮の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(田中角榮君) 予算の硬直性というものが、旧来だんだんと議論をされきつつあるということは、御説のとおりでございます。この原因は一体何かということでございますが、俗に当然増経費といわれているようなものに関してでございますが、この一つは、人事院勧告におきましても、十月一日から施行いたしましたベース・アップが平年度化されるという問題が一つあります。
 それからもう一つは、法律に基づいて各種公共事業に対する五カ年計画を行なっております。道路五カ年計画、住宅の五カ年計画、それから下水道等の五カ年計画、港湾五カ年計画、治山五カ年計画、治水五カ年計画、こういう五カ年計画の法律で決定いたしましたものが非常に近来多くなっておるわけであります。でありますから、これらのものに対しては、年次計画どおり予算を配分しなければならないという意味からいうと、相当制約を受けておるわけであります。
 それからもう一つは、戦後新しい憲法のもと、国会重点主義になりましたので、まず税制等に対しては、税は法定主義であるということは、もう御承知のとおりでございますが、その他のものでもいわゆる予算編成というものを法律によって縛る、こういう風潮が非常に戦後とみに発達をしてきておるわけであります。そういう意味で何でも法律で政府は予算を盛らなければならない、また、その中でもって二分の一の補助をしなければいかぬ、この補助率は三分の二であるというふうに法定をされますので、そういうものが非常に予算を硬直性にするものだと、こういうことが言い得るわけであります。しかし、これは新しい憲法のあり方、国会及び行政府のあり方、予算編成権と国会とのあり方等の根本的な問題がありますので、方向としては非常にいいことであり、また、私のほうからいえば、予算編成の当事者は困ったことである、こういうことになるわけでございますが、これはまあ戦後の趨勢であって、私たちがどうすることもできない問題でございます。そういう意味で、だんだんと大蔵省でもってやり得る範囲というものは確かに少なくなっておるということは事実でございます。それだけではなく、ガソリン税のように目的税にする、こういう特別な制度ができてこようと、大蔵省は、その歳入財源に対しては何もすることができないということになるわけでございます。そういう意味でいろいろな問題はございますけれども、いま木村先生が言われたように、もう政府が予算を組めないような状態になるかというと、私は必ずしもそうではないというふうに考えます。ことしは六千八百二十六億のうち、前年度剰余金の減分千八百億を除いた約四千八百億の中で硬直性と俗に称されるものが一体どのくらいあるか、大体半分ぐらいある。こう言っていいと思います。特に法律でもってことしも医療費等を年度の途中から国庫負担率を上げる、こういうようなことになりますと、今後は国民健康保険、その他の家族給付というようなものが来年度は平年度化するわけであります。こういう意味で大蔵省としてはたいへんでございますが、可能な歳入一ぱい努力をして予算編成をしておるわけでございます。木村さんのような御発言を契機にして、予算の弾力性、効率性というようなことに対しては、やっぱり国会でも相当考えていただければはなはだ幸いだと、私自身も国会議員でありますから、なかなかむずかしい問題だと思います。しかし、どうにもならぬほど予算が硬直しているとは考えておらないわけであります。

発言情報

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発言者: 田中角榮

speaker_id: 242

日付: 1964-03-16

院: 参議院

会議名: 予算委員会