海原治の発言 (決算委員会)
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○政府委員(海原治君) 先般、当委員会において天田先生から御質問がありまして、防衛庁側としては、先生のお考えでは十分な説明になってなかったというただいま御指摘の、十三個師団の態勢を完成したという点に関連しまして、私から御説明いたします。なお、今後の募集対策等につきましては、人事局長より、私の御説明が終わりましたあとで御説明いたします。
現在、約三万近い欠員を陸上自衛隊は持っております。これは師団の数に直せばほぼ四個師団相当ではないか、それであれば、十三個師団の態勢を完成したというのは間違いではないか、こういうお考えと思いますが、実は少し具体的な数字で御説明してまいりたいと思います。
この陸上自衛隊におきまして、約三割近い欠員をかかえておることは事実でございますが、これがどこに見出されるかと申しますと、士長、一、二士、いわゆる昔で申しますと、兵の階級にその大部分が実は集中しておるわけであります。この普通科の連隊で、これは昔の歩岳連隊でございますが、この普通科の連隊におきましての普通科の中隊——歩兵の中隊でございます、これにつきまして数字をあげて御説明申し上げますと、現在、この普通科の中隊は、定員二百十三名をもって一個中隊を編成しております。その中で幹部は九名、曹——曹は昔の下士官でございます、これは四十六名。それから士長、一、二士のところは百五十八名という数でございます。そこで、具体的に申しますと、この三割の欠員というのは、士長、一、二士の百五十八名のところにまずほとんどがあるわけであります。さらに申し上げてみますというと、幹部と下士官のところは一応充足いたしております。この上のところで百五十八名なければならないところが、その三割、すなわち五十名程度近いものが欠けておりますので、百名程度で編成している、こういう形に実はなっておるわけであります。このことは、もちろん、この士のところが完全に充足されておる場合と比べまして、教育、訓練なり、あるいは部隊の行動等におきまして非常に問題が多うございます。しかし、一応部隊としましての意味を考えました場合におきましては、指揮関係の者がそろっておりまして、いわばその手となり足となって動くところに三割程度の欠員があるということになりますと、十三個師団という全般の編成的な態勢から申しますと、一応これは形はできておるというふうに見て差しつかえないものでございます。その意味で十三個師団態勢を完成したという表現を使ったのでございます。
もとより、先ほど申し上げましたように、士のところが完全に充足されておりますことは理想でございますが、たとえば昔の例を申しますと、私、個人的なことを申し上げて恐縮でございますか、私は昔の歩兵連隊の機関銃中隊に一兵卒で入隊いたしました。この機関銃中隊は九名で編成しております。銃手が四名、弾薬手が四名、分隊長、こういうことでございますけれども、実際の訓練は、弾薬手が全部戦死した場合を想定して、銃手が弾薬手のかわりに訓練をやるということがしょっちゅうあります。兵のところは、戦闘を前提といたしますので、約半数の者がかりに戦死しても、なおかっこの部隊としての行動ができるというような訓練も実はやった次第でございます。そういうことでございますので、昔の兵、すなわち、現在におきます士のところの三割近い欠員というものは、先ほど申し上げましたように、部隊の機能を発揮する上から申しました場合におきましては、必ずしも致命的な欠陥ではございません。この三割が、たとえば幹部である、あるいは下士官に集中しておりますと、これは指揮中枢が成り立ちませんので、非常に部隊としての行動その他の問題に影響がございますけれども、まあ不幸中の幸いでございまして、一応三割近い欠員が士のところにあるということで、私どもは、何とかしてこの充足の率を高めていくための全努力はいたしますけれども、特に全般的な部隊としての意味合い、部隊としての任務というものを考えました場合には、十三個師団というものの態勢はこれでできておるという考え方が、これは成り立つ次第であります。まあそういうことで、この御説明の中に、十三個師団の態勢を完成いたしましたという表現を用いました次第で、ひとつ御了承を願いたいと思います。