村山道雄の発言 (本会議)
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○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和四十年度予算三案に対しまして賛成の意を表明するものであります。
本年は、終戦後二十年目に当たるのでありまするが、この間、新生日本は、世界の奇跡といわれるほどの経済発展を遂げ、国際経済社会におきましても重要な地位を占めるに至ったのであります。このことは、国民のすぐれた能力と、たゆまざる努力の結晶でありまするが、他面、長年にわたり政権を担当しておりまするわが自由民主党が、適時適切なる政策をとってきた成果にほかならないのでございます。かかる経済発展の基調の上に、通貨価値の維持と国際収支の均衡を確保しつつ、わが国経済の長期にわたる安定成長をはかって、先進諸国に比肩し得るような質的な強化をなし遂げることこそ、昭和四十年代のわが国の課題であると思うのであります。私は、政府提出にかかる予算三案は、この課題に十分こたえるものであると存ずるものであります。しかるに、この予算案に対しまして、誤解に基づくかと思われるいろいろな批判が行なわれておりますることは、遺憾に存ずるところでございます。私は、この機会に、そのうち三つの批判に対して反論を加えることによりまして、政府原案に対する賛成の趣旨を明らかにいたしたいと思います。
その第一は、今度の予算には、佐藤総理大臣の提唱される社会開発に要する経費が十分に盛り込まれていないという批判でございます。しかしながら、予算の内容をしさいに検討いたしますと、社会開発を推進するに必要な経費につきましては、特に大幅な増加がはかられ、今回の予算が社会開発に力点を置いたことが明瞭になっておるのでございます。すなわち、従来とかく立ちおくれぎみであった住宅の整備、生活環境の充実につきましては、一般会計においても、また財政投融資計画においても、前年度を二〇%以上、上回る経費が計上されており、その他、一般会計における社会保障関係費の対前年度伸び率一九・九%、及び、財政投融資計画における厚生福祉施設関係の伸び率三二・一%等、社会開発に十分の配慮を加えておるのでございます。
その第二は、今回の予算案により国民の負担が増大するという誤った批判でございます。国民負担の軽減をはかることは、わが自由民主党が年来主張いたしました、また実行してきたところであります。すなわち、昭和二十五年度以降減税しました国税の額は、合計約一兆二千億円にのぼっております。三十九年度において、国税、地方税を通じて平年度二千億円に及ぶ大幅の減税を行ないましたことは、皆さまの記憶に新しいところでございますが、国税だけをとってみますれば、昭和四十年度の減税も、所得税、法人税等の一般的減税においては、これに匹敵する規模のものであります。すなわち、所得税の基礎控除、扶養控除等を引き上げまして、給与所得者の標準世帯における免税点を現行の四十八万五千円から五十六万四千円に引き上げるとともに、中小法人を中心とした法人税率の引き下げ等によりまして、平年度一千二百四十億円に及ぶ一般的減税を行なっておりまするが、これを三十九年度の一般的減税額一千二百七十億円に比較いたしますると、政府が例年にないきびしい財政事情にもかかわらず、なみなみならぬ考慮を払ったことが、よくわかるのでございます。私は、この努力を高く評価いたしますと同時に、政府が将来とも、国民負担の軽減について、さらに一そうの努力を払われるように希望いたすものでございます。
その第三は、今回の予算案の規模、性格に対する誤った認識でございます。すなわち、今回の一般会計予算及び財政投融資計画をインフレ的であると言って、その証拠として、予算の対前年度の伸び率が経済成長率を上回ることをあげる人があるのでございます。しかしながら、一般会計の予算の伸び率一二・四%と対比すべきものは、国民総生産の昭和三十九年度当初見込み額二十四兆七百億円と、四十年度の見込み額二十八兆一千六百億円との比率一七・〇%でありまして、このように一般会計の伸びが国民生産の伸びを下回ったのは、昭和二十六年以来、昨年に引き続き二回目でありまして、この点では、むしろ引き締まりぎみの予算であると言えると存じます。
以上おもなる批判に反論を加えることによりまして、私の賛意をあらわしたわけでございまするが、ひるがえって考えますると、近年、年とともに、一方において減税の要求が多くなり、他方においては各種の財政需要が強くなってまいっておるのでございます。一つ一つの問題を取り上げまして政府案を上回る要求を主張することは、簡単容易なことでございます。これに引きかえまして、長期の見通しに立ちつつ、すべての要望を受け入れて円滑に解決していくことは、きわめて困難なことであると存じます。私は、政府が今回予算編成に示された努力は、このような立場から見て、なみなみならぬものであったと存ずるのでございます。
賛成討論を終わります。(拍手)
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