野原覺の発言 (予算委員会)
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○野原(覺)委員 まことに残念ながら、私の質疑に対する御答弁にこれはなっていない。少しも核心に触れてお答えにならない。困難な問題ではございましょうけれども、せっかく総理が沖縄に参られるのでございますから、施政権返還という基本的な沖縄の人々の非願、国民の願い、国会が過去五回決議したこの点については、少なくともいま出先機関にその要求は出さなくても、総理大臣としてはこういう見解を持っておるんだということくらいは明確に示すべきです。私はそれを示せと言っているけれども、一つも明確でない。このことで時間をとっては大事な他の外交問題について触れることができませんから、私は不満の意を表明しておきます。私の不満は、必ずや現地沖縄の百万の人々が、遺憾なことではございますけれども、あなたに保守、革新を問わず不満を表明するであろうということを、私は申し上げざるを得ません。
私は、先般拝見したのですが、学生諸君は、これは関西学院大学の学生でございますが、沖縄に行かれて、その報告書の一節であります。「真昼間、無気味にもヘッドライトを照らした米軍の装甲車が列を連ねて、一号線を基地の町コザから那覇軍港へ向かって行進する。車の上には武装した兵隊が銃をかまえている。戦争なのだ。日本の一部が戦時下にある。このことは我々を震撼させずにはおかない」、この文章は、関西学院大学社会学部田中国夫教授ゼミナールに所属する社会心理学専攻の学生たちが、このほど沖縄に研究旅行をしてまとめた報告書の中の一節であります。この一文は奥田和子さんという女性が書かれておりますが、最後にこう言っておる。「沖縄は一体何なのだ。」、沖縄を回ってこの学生が「日本なのか、日本でないのか。沖縄問題を我々はどう処理すればよいのだ」と大きな疑問をぶちまけておるのです。奥田和子さんだけじゃない、沖縄をたずねた国民のすべてがその疑問にぶつかるのです。沖縄では、最近子供たちはプロレスを見ていても、日本人レスラーがアメリカ人レスラーに負けると手をたたいて喜ぶのです。また若者は「国籍を何と書いたらよいのかわからない。私たちは一体どこの国に住んでいるのだろう」とこぼすそうだ。こうした実情を見たり聞いたりして関西学院大学の松尾幹夫君は「子供たちが大人になった時に、沖縄に米軍の基地があり、米国の施政下におかれていることに何の感情も持たず、自分たちの祖国がどこであるのかさえも見失ってしまうのではないのでしょうか」と心配して帰ってきておる。学生たちは、さらにことばを継いで、沖縄がアメリカの基地としてベトナム戦争につながっていることをはだに感じた。「基地のいたるところに完全武装の兵隊を見かけたり、軍の大型トラックが急にふえだした。基地には戦闘爆撃機がずらっと並べてある」と、柴田正文君は書いております。ほとんどの学生が戦争の恐怖を再確認し、太平洋戦争であれだけ多くの犠牲を払った報酬が基地であるという沖縄の悲劇を痛感したというのであります。これはすべての学生がそう感じて帰ってきて、これが一つの文集になって出されておる。私は、総理が日本の総理大臣として潜在主権のある沖縄に行かれて、沖縄の実情をつぶさに拝見されて今後の施政の参考にされるということは、先ほど申し上げたように敬意を表します。敬意を表しますが、ここで遺憾ながら総理に苦言を呈しなければならないことは、実は主席の公選や経済の援助じゃないのです。沖縄の問題の民生の安定にしても、経済援助にしても、主席の公選にしても、施政権が日本に返還されればたちどころにこれは解消する問題なんです。沖縄百万は佐賀の人口と同じだ。私は沖縄の予算を見たら、日本とアメリカがどんなに援助をしても、特にアメリカのごときはけしからぬじゃありませんか。軍事基地でさんざんこれを利用しておきながら、日本にだけ援助を要求する、日本は潜在主権を持っているから、私もその援助はしなければならぬと思いますけれども、プライス法で一千二百万ドル、これ以上の金は出さぬと法律できめて、そして沖縄を極東の平和と安全保障の犠牲に供しておる。こういうことに対しては、これはあなたがアメリカに抗議をし、あなたがアメリカにその意見を言わなければ、だれも言う者はないのですよ、日本を代表して。だから、この腹がまえを持って総理は沖縄に行かれて、どうかひとつ今後の沖縄の人々の祖国復帰、施政権の返還要求に対して、一日も早く実現できるような施策をとられることを私は心から切望しておきたいと思うのです。
そこで日韓の問題に入ります。
まず総理にお尋ねいたしますが、過日六月二十二日に日韓条約が調印されたのであります。参議院選挙のまっ最中であります。私は何も取り急いでとはあえて申し上げません。十四年の課題が解決したのでございますから、喜ぶ者もあれば、これに対して批判する者もある。ところで、新聞によりますと、九月になれば批准国会を召集される、こういうことを私どもは非公式にも承っておるのでございますが、その時期はいつでございますか。批准国会の審議期間は何日ぐらいあれば総理大臣としては妥当だとお考えになっておられるのか、これをお示し願いたい。