藤山愛一郎の発言 (予算委員会)
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○藤山国務大臣 御承知のように、その成長率七・五%という数字だけにこだわりますことは、現在必ずしも適当でない。(加藤(清)委員「いけなかったら、別な目標でもよろしいですよ。」と呼ぶ)私はそういう意味において、この間も申し上げましたように、安定成長というのは、均衡ある各種産業の発達が遂げられるということが一番望ましいことである。経済ですから、むろんマイナスになってしまってはならぬこともこれは当然で、必ず前年よりも伸びていかなければならぬ。しかし、それは均衡ある伸び方をしませんと、均衡のない伸び方でもって成長率だけが高くても、これは、私は安定成長とは言えないと思うのです。ですから、そういう伸び方をすれば、今日のようないろいろな欠陥が出てくる。ですから、われわれの庶幾することは、むろん成長率が高いことは望ましいことではございますけれども、しかし、その高さというものは、やはり均衡ある成長を続けたうちにおいて進んでいく、こういうことであることが必要だと思います。
そこで、それじゃ本年度はどうなるか。目標が、いまお前たちが言っているようだとちっともわからぬじゃないか、こういうお話なんですが、いまわれわれとしては、成長という問題よりも、むしろこの不況から脱却するということが一番大事なんでございまして、その不況から脱却してはじめて成長ということが十分に……(加藤(清)委員「脱却する時期を聞いておる」と呼ぶ)脱却する時期は、先ほど申したように、秋から年末にかけて脱却できるだろう。政府がこの間とりました施策に対して、民間も政府は大いにやるんだ、自分たちも不況感だけに沈でんしていてはいかぬのだという気持ちが精神的にも私はわいてきておると思います。したがいまして、その精神力が実際に財政支出と相まって私は相当な活力をあげてくるだろうと思います。したがって、そういう時期は、先ほど来申しておるように、秋から年末にかけて現実に諸施策がきいてくる、そこでわれわれとしては、はっきりした本年度の見通しを立てていかなければならぬのでございまして、いまここで成長率だけを摘出いたしまして何%にするかということは、いま申し上げたような事情からして困難である。それが高ければ高いほどいい、最初に予想した七・五%でなければ不況は脱却されないのだというふうには考えておりません。