佐藤榮作の発言 (日韓条約等特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま羽生君の御指摘のとおり、一民族が二国家、いわゆる分裂国家をつくっておる、こういうところに問題があるのだと、かように私も思います。これがただいま申し上げる韓国問題あるいは中国問題、ベトナム問題また日本自身も、これは見方ですが、どうも、人の、国民と直結はしないが、そういうような不幸な状態になっておるのじゃないかと思います。前戦争のあと始末がただいまのような不幸な結果を招いておる、これを一体どうしたらいいのか、ここらに一つの悩みがあるのだと思います。まあ、日本の国の問題は、これは領土権の復帰の問題、昔の状態をここに招来する、これはわれわれが皆さま方とともどもに努力する目標でありますので、これは比較的にわかりいい問題であります。しかし、韓国の問題なりあるいは中国の問題なり、ベトナムの問題になると、そう簡単にはいきません。しかし、いまのお話のように、こういう状態があるから、その片方と交渉するなと、こういうことは、戦後二十年たった今日、一切そういう交渉はできないと、先ほどの話で朝夕のあいさつぐらいはできると、こういうお話でございましたが、それ以上進めてはいけないのか、問題はここにあると思います。私どもは、やはり現実を考えるなら、また現実の問題で考えた場合に、国際の社会でどういうような受け入れ方をされておるか、多数の国はどういう見方をしておるか、あまり異を唱えないで、そういう多数の説に従っていくという、そういうのも一つの行き方だと、私は考えております。私は、そういう意味で、ただいま言われるように、二つの国、二つの権威がある、そういう場合の片一方だけとつき合うということは、これはいかんのだと、こう言われますが、それでは、今度は逆に、二つの国、その双方と交渉することは一体どうなるのか、これはいまの状態を恒久化するものだと、かように思います。一民族の一国家、これは悲願だと思うから、そういうものはできなくなる。そういうものをきめるのは、やはり国際社会の通念なんだと、多数の意見なんだと、これが、七十二カ国が南を承認し北を承認しておらない。二十三カ国が北を承認しておる。これは国際的な世論というものがここにきまりつつあるのではないか、きまっておるのではないか、かように考えますと、もう二十年もたった今日、私どもは積極的に南と交渉を持つ、これが当然のことのように思います。もういつまでも、こういうような状況で、その片一方だけと交渉するのはけしからんというようなことで遠慮していくことは、かえって民族の独立をはばむ、そういうことにもなるのじゃないか、かように思います。そのことは、ひいては平和へのつながりから見ましても、あまりけっこうなことじゃない、私はかように思うのであります。

発言情報

speech_id: 105014958X00419651125_010

発言者: 佐藤榮作

speaker_id: 21117

日付: 1965-11-25

院: 参議院

会議名: 日韓条約等特別委員会