二宮文造の発言 (日韓条約等特別委員会)

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○二宮文造君 差しつかえのあるとかないとかいうことを私伺ってないのであります。もうすでに事務局のほうを通して、あるいはまた、政府の窓口を通しまして、本委員会としましても相当量の資料を要求しております。ただいま私の手元に届いてまいりましたのはこれだけです。政府のほうから提出しにくいというふうな話し合いのあったものもありますけれども、それにつきましても、私どもはすでに、たとえば韓国の国会議事録等のものは、政府のほうで公になさらなくても、すでに相当量私どもの手に入っております。したがいまして、どうしてそういうふうな取り扱いをなさるのか、私どもはふしぎでしかたがない。やはり政府の手を通じて入ってまいりませんと、それは承知しませんということになりますと、先ほど言いましたように論点が解明になってまいりません。そこで、政府のそういうふうな態度を改めてもらうこととして本論に入ってまいりたいと思います。
 その前に、いま国民が非常に注目しておりますこの日韓の案件につきまして、国民が理解しているところは、一体、日韓案件のどこが問題になっているのか、そういう程度に理解を進めている方は非常に少ない。で、私はきょうはそういう立場から法律論に入ることを避けまして、国民の立場から素朴にこの問題を取り扱う、そして懸案となっております日韓案件はこういうものであるというふうな態度から論議を進めてまいりたいと思います。
 まず考えられますことは、なぜ政府がこの日韓条約の締結を急ぎ、かつ批准を急いでいるか、そういう政府の立場を考えてみますと、佐藤総理の所信表明やその他から取りまとめてみますと、まず第一番には、わが国の平和と安全にどうしても必要なものである、第二番目には、それが朝鮮問題の解決につながるものである、第三番目には、不幸な関係にあった日韓両国民の友好を進めるものである、こういうふうな見解であろうかと思います。まだその他いろいろ論点はあろうかと思いますが、大別いたしますとそういうことになると思う。私はその三つの問題をそれぞれの立場から考えてまいりたいと思うわけですが、まず第一点としまして、わが国の安全と平和、こういう問題を考えてみましたときに、韓国のベトナム派兵に際しまして朴大統領はこういうことを言っております。ベトナムの危機はすなわち韓国の危機であり、派兵は自由アジアの安全保障の道義的責任である。さらにそれを受けて北朝鮮の側では、南ベトナム解放戦線の要請にこたえて全力をあげてこれを支持する。南北の対立がこのベトナムの紛争というものを契機にしてこのように対立しております。すなわち、これはベトナムの戦乱に対する南北の反応とうかがえますが、このように紛争が国際化する、あるいは国際緊張の連鎖反応を示している、そういう段階においてこの日韓案件を進めることがわが国の平和と安全につながるか、はなはだ疑問としなきゃならないわけですが、その点について総理の見解を伺っておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 105014958X00519651126_005

発言者: 二宮文造

speaker_id: 13834

日付: 1965-11-26

院: 参議院

会議名: 日韓条約等特別委員会