佐藤榮作の発言 (日韓条約等特別委員会)
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○国務大臣(佐藤榮作君) この十四年の長い交渉の過程におきましては、いろいろ諸外国が——ひとり米国だけではありません、諸外国がこの日韓の国交正常化について、各方面から関心を示したと——干渉ではなくって関心を示したと、こういう事柄はあっただろうと思います。しかしながら、この両国間の条約なりあるいは協定等につきましては、いわゆる外国がこれに圧力を加える、こういうものでないことは御承知のとおりであります。私はもしも外国から圧力が加わったと、こういうことであるならば、日韓両国とも必ずそれを排撃しているに違いないと、かように思います。
ことしの一月に、私がアメリカを訪問いたしました際に、ジョンソン大統領との間に話し合いがあったと、かようなお話をしていらっしゃいますが、さような事実はございません。
朴大統領がジョンソン大統領に会いましたときに、どういう話をされたか、これは私は知りません。
ただいまのように、いろいろのお話が出ておりますけれども、ただいまの日韓交渉が、最初GHQ時代に、吉田内閣の当初に、当時私は官房長官をしておった、その際に李承晩大統領が訪日された。そういう際に話がされた。たしかこのときの話は、占領軍司令官があっせんをいたしたようにも思います。しかし、このことは実を結ばなかった。その後、自発的にいろいろの交渉を持たれた。しかしその片言隻句が問題をぶちこわして、交渉をぶちこわしたという事態も起きている。しかし片一方でそれをぶちこわされているために、李承晩ラインというものが効力を発揮している。そうして拿捕、臨検、あるいは漁夫の抑留と、こういうふうな事実が次々に起こっている。私どもはとにかく日韓交渉を妥結して、この種の事柄をぜひともないようにしよう——ただいま言われた漁夫の釈放あるいは日本抑留韓国人の送還、こういうような事柄が、両国間の問題だったことも事実でありますが、日本政府とすれば不法な処置である、この漁夫の抑留と、こういうふうなことをぜひ釈放してもらいたいということで、しばしば抗議もし、交渉も持った、こういうことは岡田さんも御承知のとおりでございます。ここでこの双方の間をあっせんしたと、こういうことは、私はそのまますなおにとっていいことじゃないだろうか。ただハンドブックにどういう書き方がしてあるか、私は存じませんけれども、もしも圧力を加えた、かような表現があったにいたしましても、その圧力を加えたという以上、条件その他について何か出してきているというならわかりますが、再開——圧力を加えて再開さしたと、これだけではいわゆる圧力ということにならないように私は思うのでありまして、あるいは日韓交渉の妥結に圧力が加わったと、こういうことではないように思いますから、やや私はその書き方について疑問を持つというか、まあ、どちらかといえば不満を持つと——非常に圧力を加えてこれはできたのだと、こういう言い方には不満でございます。しかし、少なくとも漁師が抑留されていた、こういう事実があり、日韓交渉がされておらない、そういう結果が漁師の抑留というようなことを招来したと、かように考えますだけに、各国がこのことに関心を示した、かようなことは私は当然じゃないだろうか、そういう意味で、その関心を私どもが受け入れたということじゃないだろうか、かように思います。ただいまのお話は、あるいは見方によりまして圧力が加わったと、こういうような表現もあったのかもわかりませんけれども、問題は日韓交渉の内容について、特別に圧力が加わった、こういうものであるかどうか、問題はそこじゃないだろうか、かように私は思います。