小林武の発言 (日韓条約等特別委員会)
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○小林武君 私の質問は二点ございます。二つの項目にわたって質問をいたしたいと思います。
一つは、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定第四条の「日本国政府は、次に掲げる事項について、妥当な考慮を払うものとする。」、その「妥当な考慮」、(a)項の教育について「妥当な考慮を払うものとする。」、この「妥当な考慮を払うものとする。」という問題と、これに関連して当然あらわれてまいりますところの教育問題、これが一つであります。
第二点は、文化財及び文化協力に関する問題でございます。以下順序に従いまして御質問をいたしたいと思います。
最初に教育の問題から入りますけれども、この点は総理にお尋ねをいたしたいわけでございますが、大韓民国とわが国との教育に関する問題を論ずる場合には、当然これはこれに付随して朝鮮人民共和国の問題も関連して行なわれなければならないことは、ひとり教育の問題だけではなくて、いままでのさまざまな討論の中から出てきたことは申し上げるまでもないことだと思います。そこで私は、教育の問題ばかりでなく、一切の問題を考える場合に、植民地支配から解放された朝鮮であるということ、これをやはりわれわれは考えなければならないと思うわけであります。先ほど申し上げました法的地位の第四条(a)項にある問題は、日本の教育を受けさせるということに関する問題であります。しかしながら、これだけでよろしいのかどらかという問題が一つあるわけであります。新しい国づくりをしようとするこれらの人に対して、三十六年間植民地支配をやってきた、その植民地支配のもとにおいて一体失なわれたのは何であるか、教育という部面において失なわれたものは何であるか、こういうことを考えますとき、総理が日ごろ御発言なさっているように、善隣友好というような問題、あるいは長い歴史的な関係というような問題をさらにこれを含めてみました場合に、これらの問題については単に四条の(a)項に盛られた問題だけで足れりとするわけには私はいかないと思うわけであります。このことについては、韓国側の出されましたいろいろな文書、たとえば韓日白書とかその中にたくさん盛られておりますけれども、その中に書かれておりますことは、いずれも屈辱の何年間である、このわれわれの恥辱を洗滌して新たな立場に立っていかなければならないということ、そういう屈辱の何年間というものは、日本の過酷な植民地支配によるものだということが書かれておるわけであります。このことは外務大臣がいつも背後にどういうことがあろうとも、文章化された条約を見てくれればいいというようなことを話されましたけれども、ほんとうに生きた国と国との交わりという問題を考え将来の友好を深めるという立場になった場合には、そういう血の通わない話はほんとうの国交ではないと思うわけであります。そういう立場から第四条の(a)項に示されただけで私は足らないと思うのでありますが、積極的に佐藤総理はこの点について何かお考えがあったらここにお示しを願いたいと思うわけであります。