宇佐美洵の発言 (予算委員会)
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○宇佐美参考人 山一証券に対する特別融資は、現在二百八十二億になっております。
ところで、どういうことでそういうことをやったかということにつきましては、当時、昨年の五月二十八日に発表いたしまして、大蔵大臣に日銀法二十五条による認可を得て、二十九日にこれを実行に移したわけでございます。
当時の状況を回顧いたしますと、この証券界の非常な不安につきまして、特に山一につきまして、一昨年からいろいろのうわさを聞いておりまして、これが改善につとめてまいりまして、御承知のように、一昨年の十一月には社長の更迭もいたしまして、人事の刷新と同時に合理化を進めてまいったのでございますが、その後、この問題がだんだん世間にも問題になってきまして、特に五月になりましてから、御承知の証券会社十九社がやっております運用預かりという問題につきまして、当時その残高は二千九百三十億、約三千億に、それは十九社の合計でありますが、なっておりまして、そうして運用預かりに預けております件数は百八十万件にのぼったのであります。つまり一口当たり二十万足らずという少額であったわけでございます。これが非常な不安のもとになりまして、山一証券をはじめ各社にその解約、引き出しがだんだん起こってまいったのであります。そこで、私どももその状況をしさいに注意いたしておりましたが、だんだん深刻になってまいりまして、各方面でもこれを論ぜられるというふうになりまして、二十五日あたりになりますと、かなりの激しい引き出し、現実には引き出しが起こらなくても、引き出したいということで解約に行きますと、これの延期をいろいろ説得しましてやったわけでございますが、各社にかなりの影響を及ぼしてきました。
〔委員長退席、赤澤委員長代理着席〕
私どもは、普通の場合と違いまして、こういう多数の人が比較的少額のものの運用預かりで不安を起こしますと非常に危険であるというふうに考えたわけでございます。したがって、山一をどうするということでなくて、証券界の不安を除かなければならない、証券界の不安が非常に起こりますと、ひいては一般金融界にも及ぶ。この運用頂かりを山一だけがやっておりましたならば簡単でございますけれども、ほとんどの有力な証券会社が全部やっておる。しかも、その総額は三千億になっておるということで、その影響するところ非常に大きいと思いまして、特別融資の扱いを大蔵大臣にその認可を申請してやったわけであります。したがって、この五月の末にそれをきめましてやりましてから、これは次第に鎮静をいたしまして、運用預かりの不安、あるいは証券に対する不安がおさまりまして、八月、九月という月にはもうほとんどその不安が鎮静した、こういうことになった次第であります。そういうわけでございますので、これは、われわれとしましては山一証券の救済というよりも、これをほうっておくと証券界全体の問題になるという認識のもとに、大蔵大臣に申請した次第でございます。