予算委員会

1966-02-10 衆議院 全327発言

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会議録情報#0
昭和四十一年二月十日(木曜日)
   午前十時九分開議
 出席委員
   委員長 福田  一君
   理事 赤澤 正道君 理事 久野 忠治君
   理事 田中 龍夫君 理事 松澤 雄藏君
   理事 八木 徹雄君 理事 川俣 清音君
   理事 楯 兼次郎君 理事 野原  覺君
   理事 小平  忠君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      井出一太郎君    岩動 道行君
      今松 治郎君    植木庚子郎君
      江崎 真澄君    小川 半次君
      大橋 武夫君    上林山榮吉君
      川崎 秀二君    木村 剛輔君
      倉成  正君    坂村 吉正君
      竹内 黎一君    登坂重次郎君
      西村 直己君    野田 卯一君
      橋本龍太郎君    古井 喜實君
      松浦周太郎君    三原 朝雄君
      水田三喜男君    大原  亨君
      加藤 清二君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    小松  幹君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      中澤 茂一君    永井勝次郎君
      八木  昇君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    春日 一幸君
      竹本 孫一君    加藤  進君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 石井光次郎君
        外 務 大 臣 椎名悦三郎君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 中村 梅吉君
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
        農 林 大 臣 坂田 英一君
        通商産業大臣  三木 武夫君
        運 輸 大 臣 中村 寅太君
        郵 政 大 臣 郡  祐一君
        労 働 大 臣 小平 久雄君
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
        自 治 大 臣 永山 忠則君
        国 務 大 臣 上原 正吉君
        国 務 大 臣 福田 篤泰君
        国 務 大 臣 藤山愛一郎君
        国 務 大 臣 松野 頼三君
        国 務 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        内閣官房長官 橋本登美三郎君
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        総理府事務官
        (総理府中央青
        少年問題協議会
        事務局長)   赤石 清悦君
        公正取引委員会
        委員長     北島 武雄君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政管理局長)  井原 敏之君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局長)  稲木  進君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    宮沢 鉄蔵君
        総理府事務官
        (経済企画庁国
        民生活局長)  中西 一郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  鹿野 義夫君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   小林 貞雄君
        総理府技官
        (科学技術庁計
        画局長)    梅澤 邦臣君
        総理府技官
        (科学技術庁研
        究調整局長)  高橋 正春君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局長)   村田  浩君
        外務事務官
        (経済局長)  中山 賀博君
        外務事務官
        (条約局長)  藤崎 萬里君
        大蔵事務官
        (主計局長)  谷村  裕君
        大蔵事務官
        (主税局長)  塩崎  潤君
        大蔵事務官
        (理財局長)  中尾 博之君
        大蔵事務官
        (証券局長)  松井 直行君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  佐竹  浩君
        大蔵事務官
        (国際金融局
        長)      鈴木 秀雄君
        国税庁長官   泉 美之松君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     齋藤  正君
        文部事務官
        (社会教育局
        長)      宮地  茂君
        文部事務官
        (体育局長)  西田  剛君
        厚生事務官
        (児童家庭局
        長)      竹下 精紀君
        厚生事務官
        (年金局長)  伊部 英男君
        農林事務官
        (大臣官房長) 大口 駿一君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      森本  修君
        農林事務官
        (農政局長)  和田 正明君
        農林事務官
        (農地局長)  大和田啓気君
        水産庁長官   丹羽雅次郎君
        通商産業事務官
        (通商局長)  渡邊彌榮司君
        通商産業事務官
        (貿易振興局
        長)      高島 節男君
        通商産業事務官
        (企業局長)  島田 喜仁君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 伊藤 三郎君
        通商産業事務官
        (繊維局長)  乙竹 虔三君
        中小企業庁長官 山本 重信君
        郵政事務官
        (郵務局長)  長田 裕二君
        労働事務官
        (労政局長)  三治 重信君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      村上 茂利君
        労働事務官
        (婦人少年局
        長)      高橋 展子君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      有馬 元治君
        建設事務官
        (計画局長)  志村 清一君
        建 設 技 官
        (道路局長) 尾之内由紀夫君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  尚   明君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (通商局次長) 今村  昇君
        参  考  人
        (日本銀行総
        裁)      宇佐美 洵君
        専  門  員 大沢  実君
    —————————————二月十日
 委員灘尾弘吉君及び丹羽兵助君辞任につき、そ
 の補欠として木村剛輔君及び岩動道行君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員岩動道行君及び木村剛輔君辞任につき、そ
 の補欠として丹羽兵助君及び灘尾弘吉君が議長
 の指名で委員に選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和四十一年度一般会計予算
 昭和四十一年度特別会計予算
 昭和四十一年度政府関係機関予算
     ————◇—————
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福田一#1
○福田委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十一年度一般会計予算、昭和四十一年度特別会計予算、昭和四十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際申し上げます。ただいま参考人として日本銀行総裁宇佐美洵君の出席をいただいております。
 宇佐美参考人には御多忙中のところ御出席をいただき、ありがとう存じます。
 なお、宇佐美参考人の御出席は、おおむね一時間程度であります。また、同君の御意見は、委員の質疑に対する答弁の形で承ることにいたしますので、御了承を願います。
 それではこれより質疑に入ります。加藤清二君。
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加藤清二#2
○加藤(清)委員 宇佐美さんの御都合があるそうでございますので、質問の順序を変えまして、最初に日銀総裁に質問を集中したいと存じます。
 まず最初に、中小企業の倒産が歴史始まって以来最高の率を示したわけでございまするが、この中小企業の倒産の実態について御説明を願いたいと存じます。
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三木武夫#3
○三木国務大臣 中小企業の倒産は、昨年度約六千件ほどの倒産がございまして、一月には三百数十件ということで多少減少の傾向はございましたが、依然として中小企業の倒産はあまり減らない。その原因というものは、資金の面においては、できるだけの手配をいたすことにいたしておりますし、各通産局においても、臨時不況対策本部を設けて、そしてきめこまかく相談に乗るように、まじめにやっておる中小企業が倒産するようなことはできるだけ防止するようにという強い指示を行なっておるわけでありますが、何ぶんにも全体として一番困っておるのは受注が減ったということ、仕事がない、こういう訴えが相談室に対しても多いのでございます。したがって、これは全体の日本の景気の回復ということとも、中小企業の対策としては非常な関連性を持っておるというふうに考えております。
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加藤清二#4
○加藤(清)委員 ただいま通産大臣にお答えをいただきましたように、去年の倒産の累計は六千件の余でございます。一日二十件の余ずつ倒れておるわけでございます。まさに交通事故の死傷者と中小企業の倒産は日本の不名誉な名物の一つになっているわけでございます。このことが不況の端的なあらわれでございます。これを解消するために、すでに、本院は与野党一致して、この倒産の状況を一日も早く解消するようにと院議をもって議決しているわけでございます。小川平二さんがその趣旨説明に立っておられることはすでに御案内のとおりでございます。そのときの覚悟のほどをもう一度佐藤総理にここで披瀝していただきたいと存じます。
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佐藤榮作#5
○佐藤内閣総理大臣 今日の不況克服、また、物価の安定、この二つが私どもの内閣に課せられた政治的課題だ、かように考えておりますが、その不況克服、特に中小企業の方々が非常な圧力を受け、また、圧迫を受け、倒産件数が非常に多数出ている、まことに痛ましい限りでありまして、私は経済の不況を一日も早く克服しなければならない、かように考えております。院議をもって決議もされたことでありますし・また、かねてから中小企業の振興のために、中小企業基本法も制定しておることでありますし、各般の問題はそれぞれ整備されておる、かように思います。この上は、総合的な対策に力を入れ、また、その成果が一日も早く上がるように一そう努力してまいるつもりでございます。
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加藤清二#6
○加藤(清)委員 その覚悟たるやもって壮とすべきでございまして、私も大賛成でござ知ます。院議をもって決議されたこのことを具体的に実現していただきたいと思うのでございます。あなたの施政演説にもございましたように、今国会の目的が不況克服にある、国民生活の安定にあるんだということでありとするならば、まず第一番に、この不況に悩むところの、中小企業倒産旋風にあおりまくられるところの中小企業、これの対策を施し、倒産をなからしめてこそほんとうの不況克服だと思うのです。しからずんば揚言不実行ということに相なるわけでございます。
 さてそこで、その原因を探求するまでもなく、ただいま通産大臣のおっしゃられましたとおり、仕事がないということが第一の原因なんです。その次は金がないということでございます。ところが、銀行を調べてみますると、オーバーローンということばが歴史的にはやっているわけでございます。したがって、日銀の総裁にオーバーローンの実態と今日の状態を御説明願いたい。
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宇佐美洵#7
○宇佐美参考人 この中小企業の問題につきましては、私どもも、ただいま御指摘がございましたとおり、倒産が過去一年間におきまして非常な高水準に起こっておるということはまことに遺憾に思う次第でありますが、これはいろいろの理由がございまして、当面私どもとしては、金融面から何とかしてこれを緩和してそういう事件の減少を極力はからなければならぬと思いまして、金融面の緩和については、御承知のように、昨年当初からつとめてきたつもりでございます。
 オーバーローンの状態でございますが、確かにいまでも銀行のオーバーローンは続いておりますけれども、その内容は少しずつ変わってきておるのであります。すなわち、輸出の振興あるいは証券に対する貸し出し等がございまして、各銀行のそれらのものを除きましたほんとうの意味の銀行貸し出しのオーバーローンは、だんだん減少いたしてきておるという次第でございます。したがって、現在、金融面からの倒産は、むろんその理由の中に大きくは占めておりますけれども、しかし、だんだん緩和してきているのではないか、かように考えておる次第であります。
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加藤清二#8
○加藤(清)委員 公社債市場が近々に再開されると聞いております。その前提条件としても、金融不正常であるところのオーバーローンは解消してかかることが最も必要なことだと思われます。したがって、私が承りたいのは、中小企業は銭がない、金融引き締めである、そういうやさきに、どうして銀行ではオーバーローンという貸し出し過ぎた、逆な現象が起こるだろうかということであります。その額は一体今日ではどの程度であるか、数字でお示し願いたいのでございます。
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宇佐美洵#9
○宇佐美参考人 ただいま日本銀行として金融機関に貸し出ししておるのは約一兆二、三千億、かように考えております。
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加藤清二#10
○加藤(清)委員 公社債市場はいつ再開されますか。
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宇佐美洵#11
○宇佐美参考人 公社債市場は、七日から上場いたしております。
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加藤清二#12
○加藤(清)委員 次に、この中小企業のいわゆる金欠病、中小企業にとっては、仕事は食べものと一緒でございます。金は血液と一緒でございます。食べものが足らぬ、血液が足らぬというのですから、これは倒れるのがあたりまえでございます。その血液が足りない、金が足りないという原因の一つに歩積み・両建てという問題があるわけでございます。さて、この歩積み・両建てにつきましては、古くて新しい問題でございまして、池田総理が蔵相のころから非常に苦労された問題でございます。私は、これを解消することが池田前総理の悲願を達成させてあげる供養の一つになることだと思うわけでございます。そこで、中小企業に対する歩積み・両建てについて総裁はどのように把握していらっしゃいますか。
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宇佐美洵#13
○宇佐美参考人 歩積み・両建てにつきましては、私どもも非常に遺憾に思いまして、大蔵省とともに時々検査をいたしましたり、あるいはまた、協会に対しましてその改善を望んでおることは御承知のとおりだと思います。したがいまして、現在、私どもが調査した結果につきましては、普通銀行におきましてはかなり改善を見たと考えております。また、中小企業の金融機関につきましても、漸次改善を見ておることと思うのであります。ただ、この問題は非常にデリケートでございまして、銀行の検査だけではなかなかいかないと思いまして、日本銀行としても、そういう非難の起きないように、また、銀行協会もそういう問題についての苦情のないようにつとめるように常時指導いたしておるつもりでございます。ただ、まだ個々にいろいろの事例があることを耳にいたしておりますが、これらのことにつきましては、今後も極力改善いたしてまいりたいと考えておるところでございます。
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加藤清二#14
○加藤(清)委員 極力改善するというおことばでございまするが、これは過去十二回にわたって大蔵省から銀行協会に対して注意が行なわれているわけでございます。にもかかわりませず、依然としてこれが解消しない。これが中小企業倒産の原因であるということはよくおわかりでございまするから、今後これがあったら、日銀総裁としてはこれに対してどのような態度で臨まれようとなさっていらっしゃるのでございますか。
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宇佐美洵#15
○宇佐美参考人 非常に多くの金融機関の数がございますので、極力検査を進め、また、検査の及ばないところにつきましては、大蔵省ともよく御連絡いたしまして、少しでもこの減少につとめなければならない。また、起こった事例がはっきりしましたときは、われわれとしましてそれぞれの機関を通じ、あるいは直接に厳重なる警告をいたして解消につとめなければならないと思っております。全体としては改善に向かっておると思いますが、個々にはなおいろいろの問題があるやに聞いております。
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加藤清二#16
○加藤(清)委員 次に、山一問題についてお尋ねいたしますが、山一証券に日銀から直接貸し出されている金額はいかほどであるか、もう一度念のためお尋ねいたします。同時に、それはいかなる目的で行なわれたか、いかなる法律的根拠によって行なわれたか、この三点でございます。
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宇佐美洵#17
○宇佐美参考人 山一証券に対する特別融資は、現在二百八十二億になっております。
 ところで、どういうことでそういうことをやったかということにつきましては、当時、昨年の五月二十八日に発表いたしまして、大蔵大臣に日銀法二十五条による認可を得て、二十九日にこれを実行に移したわけでございます。
 当時の状況を回顧いたしますと、この証券界の非常な不安につきまして、特に山一につきまして、一昨年からいろいろのうわさを聞いておりまして、これが改善につとめてまいりまして、御承知のように、一昨年の十一月には社長の更迭もいたしまして、人事の刷新と同時に合理化を進めてまいったのでございますが、その後、この問題がだんだん世間にも問題になってきまして、特に五月になりましてから、御承知の証券会社十九社がやっております運用預かりという問題につきまして、当時その残高は二千九百三十億、約三千億に、それは十九社の合計でありますが、なっておりまして、そうして運用預かりに預けております件数は百八十万件にのぼったのであります。つまり一口当たり二十万足らずという少額であったわけでございます。これが非常な不安のもとになりまして、山一証券をはじめ各社にその解約、引き出しがだんだん起こってまいったのであります。そこで、私どももその状況をしさいに注意いたしておりましたが、だんだん深刻になってまいりまして、各方面でもこれを論ぜられるというふうになりまして、二十五日あたりになりますと、かなりの激しい引き出し、現実には引き出しが起こらなくても、引き出したいということで解約に行きますと、これの延期をいろいろ説得しましてやったわけでございますが、各社にかなりの影響を及ぼしてきました。
  〔委員長退席、赤澤委員長代理着席〕
私どもは、普通の場合と違いまして、こういう多数の人が比較的少額のものの運用預かりで不安を起こしますと非常に危険であるというふうに考えたわけでございます。したがって、山一をどうするということでなくて、証券界の不安を除かなければならない、証券界の不安が非常に起こりますと、ひいては一般金融界にも及ぶ。この運用頂かりを山一だけがやっておりましたならば簡単でございますけれども、ほとんどの有力な証券会社が全部やっておる。しかも、その総額は三千億になっておるということで、その影響するところ非常に大きいと思いまして、特別融資の扱いを大蔵大臣にその認可を申請してやったわけであります。したがって、この五月の末にそれをきめましてやりましてから、これは次第に鎮静をいたしまして、運用預かりの不安、あるいは証券に対する不安がおさまりまして、八月、九月という月にはもうほとんどその不安が鎮静した、こういうことになった次第であります。そういうわけでございますので、これは、われわれとしましては山一証券の救済というよりも、これをほうっておくと証券界全体の問題になるという認識のもとに、大蔵大臣に申請した次第でございます。
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加藤清二#18
○加藤(清)委員 この問題は、いずれ大蔵、商工ないしはこのたび特別に設けられました物価対策特別委員会等々において深く掘り下げられる問題だと思いますから、その意見の相違はそこで開陳するとして、承っておきたいことは、この前の中澤君の質問に対しては、これは全体のためにやったとおっしゃいました。ところで本日は、証券界の不安を除くためにやったんだとおっしゃられました。全体のためということばは、これは証券界全体のためであって、そこへお世話になっている大衆投資家のためではなかったのですか。いずれでございますか。
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宇佐美洵#19
○宇佐美参考人 ただいま申し上げましたとおり、全体のためということは、証券界のためであり、ひいては金融界のためということでございますが、そのためということは、結局その会社を通じてそれに取引されておる大衆全体のためであると御解釈を願いたいと思います。
 さらに、私どもが申請しましたのは、二十五条をごらんくださいますとわかりますとおり、信用秩序を保持する、こういう広い立場から申請したように思い、また、大蔵大臣もそういう立場からこれを認可されたものだと信じております。
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加藤清二#20
○加藤(清)委員 それこそ国民にわかるような御説明をお願いしたいわけですが、全体のためにやったとおっしゃられても——山一は確かに立ち直りました。ディーラーか第二会社か知らぬけれども、新しいものをつくってどうこうといううわさも出ておりますけれども、とにかく一応立ら直ったようでございます。しかし、ここへ投資をしております大衆の資金、すなわち特に問題になります点は、投資証券の元本割れでございます。五千円が五年先には七千円余にならなければならないものが、今日は三千五百円から四千円でございます。投資証券でございます。これがはたして守られているのかいないのか。もし私がいま山一へ行って、あなたのところは政府のおかげで立て直してもらったのだから、さあ私のこれも立て直しでください、解約するから一万円札にしてくれと言うたら、一体元本は戻ってくるのかこないのか。大衆はこの点において守られているのかいないのか、この点はいかがでございましょうか。
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宇佐美洵#21
○宇佐美参考人 山一がとにかくいま再建計画を進めておりますけれども、ただいまお話し申し上げましたとおり、株式市場、証券市場、金融市場がだんだん落ちついてまいりましたので、もしもあのときそういう処置をとらなかった場合は、たいへんなことになっただろうといまでも私は考えております。したがって、この処置は、いまおっしゃいましたとおりいろいろの面でなお問題があると思いますが、しかし、御承知のように、株式市場もだいぶ立ち直ってまいりましたし、金融もだんだん緩和状態になってきまして、今後それらの問題を含めまして回復の方向に向かっていくことは間違いないことだと思っております。
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加藤清二#22
○加藤(清)委員 それはまたあとの委員会で行なうことといたしますが、この際特にその点についてお尋ねしたいととは、運用預かりの将来性でございます。授権資本よりも大きな数の運用預かりをするということは、すでにそれ自体が間違いでございます。オーバーローンは銀行だけのことかと思ったら、証券界までがこの運用預かりという手を通じてオーバーローンの道へと突っ込んでおったのでございます。ここに問題があるのです。そこで、オーバーローンを解消したいとおっしゃられるあなたは、この証券界の運用預かり、しかも、自分のずうたいよりもなお大きなものをしょい込んでかってな行為をするというこの運用預かりを、将来あなたはどうなさろうとしていらっしゃるのか、今日どうしようとしていらっしゃるのか、これを承りたい。
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宇佐美洵#23
○宇佐美参考人 この問題につきまして、きょうは参考人でございますので、参考人という立場から申し上げますと、やはりこの金融界のことは、そこまで入っておりますと、急激に全部これを直すことは容易ではございません。直す方向に進めていくということが大事だと思うのであります。したがって、運用預かりの問題につきましても、これは政府におかれて御検討になっており、われわれもまたその問題について研究しておりますが、漸次いま御指摘のような点は改善していかなければならないと考えております。
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加藤清二#24
○加藤(清)委員 これは改善するというお答えでございますので、至急それをやっていただきたいのでございますが、総裁としてはいつごろからおやりになる御予定でございましょうか。
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宇佐美洵#25
○宇佐美参考人 参考人としての意見は、いつごろという時間を限って申し上げられませんが、その方向に進めていくということでございます。
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加藤清二#26
○加藤(清)委員 わかりました。それでは、この際大蔵大臣にお尋ねいたしますが、大蔵大臣としては、この大きな間違いをつくったところの最大原因である証券界の運用預かり、これにつきまして、総裁はいま改善させなければならぬと一おっしゃられました。あなたの御所見として、もしあなたも同様な御意見であったとすれば、いつからおやりになるか、これを承りたい。
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福田赳夫#27
○福田(赳)国務大臣 運用預かりは金融機関における預金と同じような性格も持っておるわけであります。さようなことから、運用預かりというものにつきましては、非常に厳格にこれを見ていかなければならぬ、かような考え方でございます。したがいまして、いっそういう考えで容動いていくかというお話でありますが、すでにそういう考え方で行政の指導に当たっております。
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加藤清二#28
○加藤(清)委員 すでに行なっているとおっしゃられますが、運用預かりというとことばはよろしゅうございますけれども、これは、人の財産を預かった人間がかってに使うということなんです。人の財産なんです。国民の財産を預かった連中がかってに使って、それを担保にしてまた借りるということなんです。そこで大きな穴があいた。明らかに、いわば不正事件だ。民間でこんなことが行なわれたら、これはたいへんなことなんだ。人の財産を預かっておいて、かってに使って欠損させたなんといったら、これはあなた、たいへんなことなんですよ。だから、すでにやっておるのでなしに、きょう心を新たにして、どのような態度で臨むかをもっとはっきりしてもらいたい。
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福田赳夫#29
○福田(赳)国務大臣 すでにそういう考え方で行政に当たっておるわけでありまするが、さらにこの問題については気をつけていきたい、かように考えます。
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